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妄想中  作者: 渋谷奏
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キング・オブ・スポーツ4

「これは青春なのかな?」

 周囲の向かい風を受けながら孤独に黙々とスポーツに取り組む。それが近代五種の人気の無さだと私は痛感させられている。それでも私の夢は、私の野望は止められなかった。

「水泳なら大丈夫だろう。」

 私は高校のスクール水着で近代五種に挑む。近代五種の水泳は、200メートルの自由形。男女共に2分30秒を1000点で、1秒あたり12点の得点が増減する。ちなみに日本男子の日本記録は、1分45秒。女子は1分54秒くらいである。

「ドボンー!」

 私はストップウォッチのボタンを押してプールに飛び込んだ。クロールでスイスイと200メートルを泳ぎ切る。

「タイムは? 2分!? よーし! ナイスタイムだ!」

 私は気づいた。私自身の性能が良い事を。私の運動神経はかなり良いということを実感した。1秒12点なので、30をかけると360点の追加ということになる。

「もしかしたら私は本当に金メダルを取れるんじゃないか!?」

 水泳の獲得得点とフェンシングと乗馬の得点から、ラン&ガンのスタート順位を決める。そしてゴールした順位が、そのままメダルに結びつく。

「いける! いけるぞ! 2020東京オリンピック! これで私も金メダリストだ! ワッハッハー!」

 私のラン&ガンと水泳は無敵の強さだと自覚した。

「先生、あのお姉さんが怖いです。」

「目を合わせちゃあダメ。何をされるか分からないわよ。」

 例え、水泳教室の子供たちに変態と言われても、コーチや仲間のいない私は、子供たちの冷ややかな視線に耐えるしかなかった。

「問題は、接する機会が、まず一般人には関係のないフェンシングと、お金持ちのスポーツ乗馬よね。」

 近代五種がマイナースポーツの理由。それはお金がかかるというものだった。フェンシングも馬術もお金がかかる。フィギュアスケートやゴルフと一緒で、お金持ちのお坊ちゃん、お嬢さんしか、初めから近代五種をする資格がないのである。

「私に与えられた学校から支給された部費は3万円。こうなったら半分の1万5000円で2種目を練習するしかない。」

 私は近代五種の過酷さを肌身でビンビン感じた。近代五種の競技人口は50人以下。フィギュアスケート、ゴルフを超える、お金のかかるスポーツである。まさに、マイナー・キング・オブ・マネー・スポーツである。

「困ったな。アルバイトでもするか? やるとしたらトレーニングもできる新聞配達が最適なんだろうな。深夜に起きて、学校で寝よう。」

 おまえはアホか。きっと誰かがツッコミを入れているだろう。

 つづく。

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