キング・オブ・スポーツ3
「バン、バン、バン、バン、バン。」
部費をゲットした私は、近代五種の練習を始めた。まずは射撃から始めた。始めたといっても、ゲームセンターの射撃ゲームである。
「ふっふっふ、私には意外な特技があったのね。」
近代五種のトレーニングセンターなどない。あっても知らない。近代五種で使用するのはレーザーピストル。そんなもの簡単に手に入らない。私は入手の仕方は知らない。ということで、ゲームセンターで射撃は練習するしかなかった。
「100発100中。やったー!」
近代五種の射撃は、5的を50秒以内に撃ち終える。ゲームセンターなど、行ったことも無かったが、私には射撃のセンスがあったみたいだ。
「そして、走る。」
私は周囲の目も気にせずに走り出す。ゲームセンターの建物の周りを全力で走る。なぜなら800メートルのランニングを行う。射撃と短距離走を交互に4回行うコンバインド。これが近代五種の2つのスポーツだ。
「はあ、はあ、はあ。」
流石に800メートルも走れば、息が切れる。そして、そのまま射撃ゲームに挑戦する。
「バン、バン、バン、バン、バン。」
私の射撃は正確である。800メートルを走った後の射撃でも私は50秒以内に5的を的確に撃ち抜いた。これは天性のセンスという他にない。私は確信した。
「私は近代五種をするために生まれてきたんだ!」
そういって私は2回目の800メートルを走る。私は、まだ若い。16才の女子高生の私は800メートルを走った所で、疲れはするが致命傷にはならない。
「はあ、はあ、はあ。」
さっきよりも息はあがっている。それでも体感的にダメージはない。私は3回目の射撃ゲームをする。
「バン、バン、バン、バン、バン。」
やはり私には射撃のセンスがある。そして短距離走をするのだが、射撃中に休んでいると感じられる私は走ること、射撃することにプレッシャーを感じなかった。
「よし。これで15連続ヒット。あと1セットだ。」
そして私は走り出した。恐らく、800メートル走では、距離も短いので他の選手と極端な差はないと思われる。問題なのは、射撃で的を外してしまうことが致命的な差になるだろう。
「はあ、はあ、はあ。」
私は3度目のランキングを終える。そして4度目の最後の射撃に入る。
「バン、バン、バン、バン、バン。」
20回連続命中。私の射撃の才能が開花した。
「はあ、はあ、はあ。」
そしてラストランにゲームセンターの周りを走ってゴール。私の近代五種をやりたい、2020東京オリンピックに出場して、金メダルを取りたいという気持ちは本物だった。
「お母さん、あの人、変だよ?」
「ダメよ! 指を指しちゃダメ! 何をされるか分からないわ!」
例え、周囲から冷たい目で見られても気にはならなかった。ならなかったはず。これもマイナースポーツにはありがちなことである。
つづく。




