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幽霊騒動4

ということで

三人は早速勾玉岩と神社がある

浜辺に来ていた。







「うわぁ。

すごく綺麗ですね。」

月が天高く上がり

煌々と砂浜を照らし

白い砂浜はキラキラと光り輝いていた。

シェビンはその幻想的な光景に

心奪われている様子だった。







「綺麗だねシーちゃん。」

「はいぃ。」

「そんなことより

早く神社に行こう。」

「…もう。

エイちゃん空気読んでよね。」

「はいはい。」

エイジロウはそんな女性陣に声をかけ

一人先に神社に向かった。











「やっぱり半分か。」

鳥居をくぐると参道は砂浜で

砂浜と参道を区別できるよう

左右に灯篭が並んでいた。

そしてその先には人が四、五人入れそうは

拝殿とその裏に少し小さい本殿があった。









「エイちゃん何か見つかった?」

遅れてナツミとシェビンがやってきた。









「いや。

まだ何も見つからない。」

「そうだよね。

そんな簡単に見つかったら

シーちゃんも苦労しないもんね。」

「はい。

何か手掛かりになる物が

近くにあればいいのですが…。」

そう言うと皆は拝殿と本殿のまわりを

探し始めた。








「特にまわりに鏡みたいなのは

無さそうだな。」

「う〜ん。

無いみたいだね。」

「ま、こんなまわり一周したくらいで

見つかるなら…」

「ねぇシーちゃん!

空飛べる?」

「あ、はい。

屋根の上くらいまでふわふわとですが

浮くことはできますよ!

上を見てくれば良いんですね!

待っててください!」

「うん!

お願い!」

「な、なるほど…。」

エイジロウがわかりきったことを言おうと

したとき、ナツミが

それを遮るようにシェビンに指示を出した。

そしてシェビンがふわふわと

風船のように浮かんでいく。










「んー…むむむ。

特に何も…

あれ?

隙間に何か入っているような…

あ!」

「どうしたのシーちゃん!?」

「なんか見つかったか?」

シェビンは拝殿と本殿の廊下をつなぐ廊下の上の

拝殿と本殿の屋根がちょうど折り重なった

ところに手を入れ

手につかんだ物を引き抜いた。






「何かありましたよ!」

それを手に持ち

ふわふわと降りて来たシェビン。

そこにエイジロウとナツミが

小走りで向かい

その手に持っている物を受け取った。









「なんだろうね??」

それは布に包まれている物だった。

早速エイジロウが布を解いた。







「か、鏡だ…。」

三人は鏡を覗き込むように凝視すると

あまりにあっさり見つかったことに

驚きの顔を見合わせ笑った。








「ぷ…あははは!

簡単だったねエイちゃん!」

「は、はは。

まさかこんな簡単に見つかるとはな。」

「あはは!

わーい!

やりましたね!

これで確かめることができますね!」

笑い方は様々だったが

これで言い伝えの真相に

一歩前進したのは間違いなかった。


















「あとはこれを

どうやってあの半分の鏡と合わせるかだけど…。」

「あの木の格子の戸が邪魔だよね。」

「開いていれば簡単に入れるのですが…。」

そう言いながら鏡を持ち

表にまわった三人は

その木の格子の戸を

覗き込んだ。








「うーん。

さすがに神社だし壊すのは

ちょっと嫌だよね。」

「確かに壊すという行為は

あまり…やりたくはないですよね…。」

「うんうん。

…壊すのはちょっと…やりすぎだ。

って重い!」

まるで団子のように下から

エイジロウ、ナツミ、シェビンの順で

中を覗いていた。







「いちいち俺を潰して

見る必要ないだろ!」

「エイちゃん…重いだなんて…

ひ、ひどい…ぅぅぅう…」

「エイジロウさん…ひぐっ…

ひどいです…重いだなんて…」

「あ、いや、それは物の例えで

あってほんとに重いわけでは…

ごめんって!

悪かった。

軽かったよ二人とも!」

「ほんとに?」

「ほんとですか?」

「ほんとだよ!

…ったく…。」

エイジロウは少し密着した

体に恥じらいを感じつつ

おもむろに木の戸に手をかける。










「あとは鍵をどうするか…。

ってか鍵はどこについてるんだ?」

そう言いながら戸を横に引くと…。









「あ、開いてる…。」

「エイちゃん…これ第一に鍵ないんじゃ…」

「ほ、ほんとですね。

鍵があった形跡すらない…。」

戸が開き、戸をまじまじと見た三人は

またも顔を合わせ笑った。

今回の笑いは皆同じ物のようだ。











「あはは。

さすがにここまでうまくいくと

すげーな。

あとは月が重なる時に

実行するだけだ。」

「そうですね!

なんかワクワクしてきました!」

「あははは!

あとはこの言い伝えが正しいかどうかだけだね!

なんか冒険が始まるみたいで

ほんとワクワクするねシーちゃん!」

「冒険…か。

なんか子供の頃に戻ったみたいだな。

そういえば満月っていつだ?」

エイジロウが笑いの中で

ふと月を見上げた。









「エイちゃん…あれ満月?」

「…いや…若干欠けてるようにも

見える気がする。

とりあえずもう遅いし

あの高さじゃ

勾玉岩にと重なることも無いだろ。

いつ満月になるのか俺が調べてくるから

今日は解散にしよう。」

「シーちゃんはウチにおいで。

エイちゃんの家じゃ何されるか

わからないからね。」

「だから何もしないって!

でもそうしてくれると助かる。

ありがとな。」

「どういたしまして!

じゃシーちゃん帰ろ。」

「お二人とも本当にありがとうございます。

泊まるとこまで…。

それに調べ物まで…。

このお礼は必ず!」

「まだ帰れたわけじゃないんだから

気にしないでください。

じゃ連絡する。

気をつけてな。」

「はーい。

いこっシーちゃん!」

「エイジロウさん

ありがとうございました!」

エイジロウは

そう言って帰って行った二人を

見送ると、自身も

自分の家へと歩き始めた。









『あまりにもうまく

いきすぎてるよな…。

…考えすぎか。

こんなことがあっても

たまにはいいのかもな。

ふぁぁあ。

眠い。

早く帰って寝よ。』









エイジロウは深く考えることをやめ

足早に家に向かったのであった。








そんな三人を月の光に隠れるように

空から見ている者に

誰も気付くことはなかった。


読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク、評価お願いします。

楽しんでいただければ幸いです。

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