第6話
あのあとまたゴロゴロして、夜ご飯食べて、お風呂上がり(もちろん一緒に入ってきた)です。
「さっ! 始めましょうか♡」
そしておっきなキャリーバッグを広げ……うわっ!
「え、これ……全部持ってきたと?」
「えぇ♡ なんとかお気に入りを絞って詰め込みましたわ♪」
「いや、全然絞れてないやん……」
大量の漫画本、と少しゲームも入ってるみたい? ぎっしりとその中に……。
「そうですわねぇ……初心者の方なら、これがおすすめですわ♡」
そう言って渡されたのは女の子2人が見つめ合ってる漫画です。エヴァちゃんがあんなことするけんもっとエッチぃ感じかと思ったけどそうでもないんやね。良かった。
「R15はまだ早いでしょうからね」
……。ま、いいやとりあえず読んでみよっと。
「このシリーズはとっても人気ですのよ。ドラマCDも出ていまして、声優さんも豪華、キャラクターのイメージにぴったり! 違和感が全くないのです! 読み終わったら一緒に聴きましょうね!」
「はぁ……」
キラキラしとるなー。百合への愛が伝わってくるけど、女の子同士、ねぇ。渡された漫画を持って、ベッドに寄りかかって座る。
どーなんだろ、女の子同士の恋愛って。
◇
◇
うふふ♪ 恋葉ちゃん、なんだかんだちゃんと読んでくれていますわ♡ 時々顔を赤くしてるのが可愛い……。本当に。可愛いですわ。
恋、か。わたくしは女の子が大好きで、お友達でもメイドでも、いっぱいキスしましたが……。それは単なるスキンシップであって、特に意識はしていませんでした。でも彼女とのキスは、少し違った気がします。昨日のお風呂の時はいつものキスでしたが、今朝のは……? なんだか気分が上がってしまって、全部そのせいかと思いました。でも、それも違う気が……。いつもの幸せな気持ちに加えて、ドキドキしました。心臓の音がすごく大きくて、顔が火照るような感覚、体が熱くて……。これは一体、なんなのでしょう? 同志が増えるかもしれない、期待の気持ち? 新しいお友達ができて興奮しているのでしょうか? 確かに、お姉様からお話を聞いていたので留学に対しては楽しみの方が大きかったですが、もちろん不安もありました。それが彼女のおかげで解けた。そのせい? それとも恋心……。
「エヴァちゃん? どうしたと?」
「いえ! ……読み終わりましたか?」
「う、うん……」
「どうでした?」
「えと、思ってたのと違った……面白くてドキドキした」
「そうですか♪」
良かったですわ♡
期待出来そうですわね♪ 他にもたくさんあるけど、読んでいただけそう!
それで、百合を好きになったらあそこへ行くのです……。お姉様にしっかりお話を聞いておかないと。わたくしもまだ行ったことないですし。あと、少しずつ恋葉ちゃん自身に、百合の素晴らしさを体感していただく、と♡
「うふふ♡ 『ねぇ、キスしたくなっちゃった……』」
「ふぇ!? え、エヴァちゃん!? それ、」
そう、今まで恋葉ちゃんが読んでいた漫画のセリフですわ♪
「『キス、してもいい?』」
じりじりと、恋葉ちゃんに近付き、息がかかる距離になります。耳まで真っ赤っか♡ 可愛いですわ♪
「ふぁっ、あぅ、ううぅ〜……」
「ダメですわよ、恋葉ちゃん。そこは……『もう、しょうがないなぁ』…………」
ちゅっ♡
「はぁううううぅう…………///」
うふふ♡ 触れるだけのキスでしたが、効果は抜群のようですね♪
パシャッ
うん、可愛い♡
こんなに撮ってたらたったの一週間でも何枚になるか分かりませんわね。早いうちに現像しましょうか……。
「恋葉ちゃん?」
あらあら、やりすぎました?
「え、エヴァちゃん……」
「?」
「も、もーっ! 」
頬を膨らませて、怒っても可愛いですわ♡
「し、仕返しするけんね! もうっ! バリ恥ずかしいっちゃけんねっ!!」
可愛い……はかたべん萌え〜、ですわ…………
ちゅっ
「……え?」
「し、仕返しやもんっ! ウチ怒っとるっちゃもん!怒っとーとよ!」
あ、あぁ、どうしましょう……なんだか、お花畑が見えてきましたわ……。
「なんというご褒美……恋葉ちゃんグッジョブ、ですわ……」
「ご褒美じゃないもん! 仕返しのお仕置きやもん!」
「お仕置き……素敵ですわ♡ もっとしてくださいな♪」
「せんよ!? も、もうせんしっ! なんで!!?」
「百合の素晴らしさを分かっていただけたようで嬉しいですわ。恋葉ちゃんも、目覚めたのですね♡」
「ちち、違うもん違うもん! 目覚めんしっ! 絶対違うとー!!」
「うふふふふ……♡」
「もーっ!!」
あぁ、幸せですわ〜♡♡