第5話
「あ、起きた?」
「歌がお上手なのですね♪」
「うぇ!? 聴いとったと!!」
「えぇ♪ 」
起きたって教えてくれたらすぐやめたのに! あっ、エヴァちゃんちゃんと元に戻ったみたいやね。良かった〜朝の事忘れとるかいな? それもそれでなんか悔しい気分……。複雑やなぁ。
と、いうわけで話題変えよ。
「エヴァちゃんお昼はどうすると?」
「あら、もうそんな時間ですの?」
時間は13時、食堂もお昼は14時で閉まるけん、今から行くにはちょっと急がなね。
「恋葉ちゃんは?」
「ウチはあっちから持ってきたのがあるけん!」
「そうですの。福岡といえば、やっぱりラーメンとか?」
んっとねー! 確かこの辺に……あった!
「これ! ポテチの九州しょうゆ味!」
そろそろ少しお腹空いてきたし、昼食としますか~。
「エヴァちゃんも食べる?」
って、あれ? 何か震えとる?
「どうしたと? ラーメンが良かった?」
まーそうよねー。福岡=ラーメンよね! 博多ラーメンうまかもん。あーまた食べたか~。一応棒ラーメン持ってきてなくもないけど今は気分的にポテチかなー。
「なりません! お菓子がお昼ごはんとは一体どういうことですの?!」
「そういうことやけど……エヴァちゃんはラーメンにする?」
「違いますっ! 全くもう! ほら、一緒に食べに行きますわよ!」
「えっウチはいいって〜」
強制的にヘッドホン回収、起立、そして手を引っ張られて廊下へ……ってちょっとまって!
「エヴァちゃんまだパジャマばい!?」
ウチは起きてすぐ着替えたけど。なんとなく制服に。
「あらまぁ。すぐに着替えますわ♪」
ふぅ、良かった良かった。こんな美少女がウサギさんパジャマ着て歩き回るなんて目立ち過ぎるけんね。でもほんと、ウチはポテチがあるし他にもお菓子いっぱい持ってきたし大丈夫っちゃけどねぇ。
「お待たせいたしました♪」
あら、エヴァちゃんも制服? まあ外に出るっていっても校内やしねぇ〜。やっぱ私服はちょっと気が引けるよね。行くの初めてやし。
「エヴァちゃんて、中等部からここの生徒さんなん?」
食堂へ向かいながら、少し雑談。あ、何で手繋いどるっちゃろ。いつの間に。
「いいえ♪ お姉様と入れ替わりで、わたくしもこちらへ留学してるのです」
お姉ちゃんおるったい。羨ましか〜。ウチはひとりっ子やけんね〜。特に女きょうだいとか憧れなんよ。
「お姉ちゃんと仲良し? 入れ替わりで来たってことはあんま会えてないっちゃろ? 寂しくないと??」
「まあ、お姉様の留学前は夜を共にするくらいに仲良しでしてよ♪ メールでやり取りはしてましたからそんなに寂しいとも思わなかったですし」
一緒に寝とったってことよね。いいなー仲いいの。
「嫉妬しなくて大丈夫ですわよ♡ わたくしは恋葉ちゃんの事も大好きですから♪」
ちゅっ
「
えっ嫌じゃないとウチ!? 嫌じゃないよね? 何でやろ……普通女の子同士でチューとかせんよね? 心臓に悪いし顔真っ赤っかになってしまうけど、別にキス自体はそんなに抵抗は……い、いかんってそれも!!
あっあれだ! 外国ではキスって挨拶代わりやし……それやん!
「そうですの? うふふ、嬉しいですわ♡」
「にゃ、にゃああああああああ」
「あ、ほら早く決めましょ。時間が無くなってしまいますわ♪」
はっ!? いつの間にか着いとった!
「ウチはうどんにするー」
「おうどんも好きですの?」
「うん! 福岡ってねーラーメンってイメージあるかもしれんけどうどんも皆大好きなんよ〜」
「まあ♡ では、わたくしも同じ物にしますわ♪」
お腹空いた〜。さっ、食べよ食べよ!!
◇
「美味か〜!」
本当に美味しそうに食べてますわ! 可愛い♡
しかし、今朝は申し訳ないことをしてしまいました……。あそこまでしておいてわたくしが眠ってしまうなんて!!
でも、恋葉ちゃんは可愛いけど、この好きはお友達としての好きですわ。きっとそう。
だって、
まだ出会って1日も経っていないんですもの。