23話
最終回。
〈注意〉
本作品は運営から警告を受け、R18に相当し得るシーンを一旦全てカットしています。これにより不自然な部分が多くあります。また、改稿の完了がいつになるか分かりませんことを予めご了承ください。
「ん……」
寝とった。簡易テーブルの上に散乱しとったはずのお菓子のゴミは一掃されてる。喉、渇いたな。
「……」
なんか買ってこよう。立ち上がって気付く。かろうじて寝間着にきがえて寝た記憶はあるけど、これエヴァちゃんのやん。まあいいか。
まだ眠くて頭がボーッとする。スマホの時計を表示するともう日付けをとっくに越えてて、明日も学校なのに失敗したなと思う。多分今からしばらく寝れんやろうな。自販機でジュースを買って部屋に戻る。流石にこの時間に誰かとすれ違うことはなかった。
エヴァちゃんは寝てる。ウチがエヴァちゃんのベッドで寝てたから、ウチのベッドで。
自分のことも、エヴァちゃんのことも、なんかモヤモヤする。そういえば今日、まともに夜ごはん食べてないんだ。どうも小腹が空く。買ってきたジュースをグイッと一口。それから食べるものを探す。
お菓子、お菓子……。そういえば冷蔵庫にゼリーも買ってたような。
「……」
昼間までは無かったはずの、おかずが入ったタッパー。貼られた付箋のメッセージを見ないふりして戻し、ゼリーを手に取る。
「ほんと、やな奴……」
こんなんじゃ嫌われちゃう。せっかく恋人になれたのに。他の人とキスするのが嫌なら、するなって言うとか、そもそも好きにならん付き合わん。そんなことも出来るはずやけどね。それを言う勇気が無くて。でも好きなの。大好き。付き合わんとか今から別れるとか、絶対やだもん。なのになんでこんなに苦しいんやろう。
「やだな」
うちが1番でいてほしい。他の人とキスなんてやめて。やめて。
独り占め、したい。
黒くてモヤモヤした、そんな気持ちが胸いっぱい一気に広がる。
ゼリーをテーブルに置いたまま、エヴァちゃんが寝てるベッドに入る。
「……エヴァちゃん」
ぐっすり眠ってて、起きる気配はない。
いつもエヴァちゃん、どうしてくれるんだっけ。ウチからしたこと、無いよね。キスは出来るようになったけど。
「……んぅ」
えっちぃのも。
起きて。エヴァちゃん。
「このは……?」
「あのね、ウチって嫉妬深いみたい」
ウチからしたことってないのに、気持ちが爆発したせいか迷いなく手が動く。
「エヴァちゃんはウチのよ。ね?」
「それで昼間……」
「うん。ごめんね。でもね、エヴァちゃんはウチの恋人なんやもん」
手を止めようともせず、まだ眠そうに目をとろんとさせてウチを見てる。……可愛い。
大人しいエヴァちゃんて珍しいかも。ウチだけ、かな。こんなエヴァちゃん見れるの。
「やけんね、嫉妬させんでね。ウチ、何するか分からんよ? そんな顔も、ウチの前だけじゃないと、ダメよ」
そうやって冷静に言いたかった気持ちを口にしてるうちに、エヴァちゃんの方はうちの手で一糸まとわぬ姿に。頬が紅潮して、息も荒い。気持ち良くなってくれてるかな。
「このはぁ……」
「エヴァちゃん……」
☆ ☆ ☆
「んー……」
あれ、寝てた……。
「おはようございます恋葉♡」
「おはよー……え、時間、ヤバくない?!」
夜中変な時間に起きてたせいで、寝ちゃったけど今の時間は……もう、お昼。もちろん今日は学校です。
「いいじゃないですか♡ たまにはこういうのも♡ うふふ、嬉しかったですわ。恋葉」
「エヴァちゃん?」
そのまま寝てしまったからか、エヴァちゃんは何も着ていない。
「度が過ぎないように気をつけないといけませんわね。やっぱりわたくし、恋葉のこと大好きですわ! 昨日は恋葉ちゃんがシてくれましたから。今度はわたくしが♡」
「まっ、学校は!?」
ウチの服に手をかけるエヴァちゃんを慌てて止める。……だってエヴァちゃん上手やし、ウチの体力がいつももたん……。
「このままお休みしましょ? さあほら、脱いでください」
「か、勘弁してー」
とはいえその行為が嫌いなわけなくて、強くは言わない。
夜中のウチと違って、慣れた手つきで脱がされ、愛撫される。
「ずっと仲良くしましょうね♡ 恋人として。わたくし、恋葉のこと大好きですわ♡ これからももっと素直に言ってください」
「ウチも大好き……エヴァちゃん」
2年越しの完結となりました。リリカラを読んでくださった読者の方、ありがとうございました。もちろん2人の物語はまだまだ終わっていませんよ? 星花短編集「彩りの花」にてもっと2人にはイチャイチャしてもらおうと思ってます! また他にも、星花女子プロジェクト3弾「桜降る季節まで」、第4弾「リリー・ステップ」、近々公開予定の第5弾も含め、これからもたくさん百合を書きますので! よろしくお願いします!