表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/63

ロボサムライ駆ける■第39回地下大空洞の中で黄金大仏と戦うロボ侍早乙女モンド。モンド主水の剣ムラマサは、大仏を生身のように切り込んでいく。

ロボサムライ駆ける■第39回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

http://9vae.com http://visitjapan.info

youtube manga_training



 大仏は地下大空洞の中へ落ち込んでいく。

続いて後を追って飛び込む主水。


主水は何とか地面に立っていた。

「ここがお主と私の死のリングぞ」

 黄金大仏に叫ぶ主水である。


 空いた穴から光りがさしこむだけで後は真っ暗である。


大仏はゆっくりと立ち上がる。足元はかなり窪んでいる。


ゆっくり、暗渠の中を見渡し、ようやく主水を見つけた。

 にやりと笑ったようでもあった。法衣の裾さばきも良く、ぐいぐいと主水の方に近づいて来る。身長三十メートル。主水の体が小さくて、目に入らぬのではないかと思うくらいである。急に腰を屈めてくる。


 足が跳んで来た。踏みつぶそうというのか。主水は真上に剣を突き上げた。刀が何かの中に入っていく。

 大仏の足の裏に突き刺さっていた。一瞬の後、主水は足の先より逃げていた。


「ぐわっ、ぐわっ」

 大袈裟な反応が大仏ロボットより返ってくる。

無論タイ語でしゃべっているのであろう。

おや、思ったより、皮膚が柔らかいらしい。


 ハイチタンではないようだ。二本目の刀、愛刀ムラマサをもって、目の前にある足の上を、刀の刀頂を支点にして飛び越してみる。


「ぐわっああ」

 すっぱりと,刀ムラマサの通った後に傷が残っている。


 見かけ倒しだ。


痛点があちこちにあるらしい。主水は右足から臑、大腿部と続けて飛び上がる。


 大仏はすばやく動く主水を見つけられないようだ。

 よろしい、それならと、背中から首もとへ。主水は動く。


左右の手を背中にまわそうとする大仏ロボット。だが、

「かゆいところへ手は届かぬ」ではないが、肩のジョイント部分が正常に作動しない。手が回り切らないのだ。

 主水を探す左手のひらを再び刀で切り下ろしてみる。大仏の手のひらに生命線が切り刻まれている。

「大仏よ、お前の生命線が長くはないぞ」

 つぶやく主水。


 背中から首へ飛び上がった主水は、首の痛点に刀を差し入れる。


 よくよく考えれば、大仏は武器を持っていないのだ


。大仏の武器はその体なのである。


伸びる指にすばやく指紋を刀で刺される。大仏との闘いは、ほとんど主水のペースであった。

 これには当のロセンデールですら、気もつかなかったであろう。


「くそっ、タイの大仏はこんな不良品だったのですか。単なるでくの坊じゃないですか」

 ロセンデールは歯がみする。

「いや、大仏ならぬおだぶつですよ」


 まわりにいたクルトフがなれぬシャレを言う。クルトフもやけくそである。

「クルトフ、君まで」


 ついに顔のうえで飛び上がった主水の剣ムラマサは、耳、鼻を切り落とした。

 とどめに両眼を突き刺す主水。まるで生身の体をもつ大仏はゆらゆらと揺れ、ドウと大地に倒れた。


 大仏の体は、どろりと、ゆっくり分解する。


大仏の体は、バイオコプターの機体集合体となり、それもくずれ、バイオコプター飛行士の体がどさりと出てくる。


 主水は片手で死体を拝む。


このタイの大仏は、小型バイオコプター40機が合体してできていたのである。それゆえ、移動も簡単なのであった。


「大仏ロボットやぶったり」

 主水は雄叫びを上げた。


(続く)

ロボサムライ駆ける第五章 ■ロボサムライ駆ける■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

http://9vae.com http://visitjapan.info

youtube manga_training



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ