表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/63

ロボサムライ駆ける■第19回 主水は、近畿新平野を見渡し大阪湾に異様な物を発見する。それは新ゲルマン帝国のロセンデール卿の空母ライオンである。

ロボサムライ駆ける■第19回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/


■第3章(7)

「レイモン様、ようやく峠を越えましたぞ」

 関所から同道しているロボ侍、主水は、最初に駆け上がり、近畿新平野を見渡した。


 ここは暗がり峠であった。

霊戦争でわずかに残っていた台地である。 

「なんと」


 思わず主水は叫ぶ。壮観である。


 近畿新平野は霊戦争により、様変わりしていた。


大阪・京都・奈良・和歌山の山脈は消滅し、平野となっている。

 


宇宙衛星ボルテックスによるレザー攻撃でここにあった全日本軍の要塞が潰滅していた。


 が、主水は驚いたのはそのことではない。


大阪湾に異様な物を発見したからだ。



 主水の眼が二十倍ズームの態になり、大阪湾上をアップにしていた。


ロセンデールの空母ライオンから周囲十キロメートルにわたって

電磁バイヤーが張り巡らされている。


まるで大阪湾に張り巡らされた『蜘蛛の巣』のようにみえた。


「ロセンデールめ。すでに大阪湾を支配下においたとみえる」


 レイモンが主水のそばにきて、主水の見たる光景を霊力で盗み見していた。


「レイモン様、いったいあやつは……何を狙っているのでありましょうや」


「ロセンデールめ、あせっているものとみえる。

ライオンの艦橋部分が霊波を送る中心塔なのだ。その霊波探査能力を倍増するために、大阪湾岸の高い建物のすべてに網を張り巡らせたのだ」


「西日本都市連合会議も市政庁も、何もクレームをつけないのでしょうか」


「恐らくロセンデールのことだ。巧妙な語り口で市政庁をあざむいておるのであろう」


「しかし、それでは、我々は飛んで火にいる夏の虫ではありますまいか」


「主水よ、それに対する古いことわざがあろうが」


「はっ、それは」


「わからぬのか、虎穴にいらずんば虎子をえずという奴じゃ。しかしながら、この虎子は大きいぞ。世界の歴史をひっくりかえすほどにな。ほっほっほ」


 落合レイモンはゆったりと笑い飛ばしている。

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ