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ロボサムライ駆ける■第16回 早乙女主水、侍ロボに負けた西日本都市連合の使いロボ忍び群の前に、頭の花村が 現れ、怒りの念波を、彼らロボ忍びのリーダーであるロッカンに向けて放つ。

ロボサムライ駆ける■第16回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●http://www.yamada-kikaku.com/

yamadakikaku2009-youtube


■第三章 霊能師(4)

 急ぎ逃げ帰るロボ忍者の一団の前に。

 黒い影が立っていた。


「お頭」一団の誰かが叫んでいた。

 逃げ来るロボ忍の前に一人の男が立ち塞がるように。怒っているのた。

 全員がおぞけを奮う。

 その男の前に立ち止まり、膝を屈する。

 やがて、その男がゆっきりと口を開く。


「お前たち、早乙女主水とかいう侍ロボットに負けて、しっぽを巻いて逃げてきよったか」 

怒りを含んだ声が、彼らの聴覚器に響く。


「お頭、申し訳ございません。あやつ思ったより、強く」

 先刻のリーダー格の男がしぶしぶしゃべった。かぶせるように、

「ええい、聞きとうない。主水など、たかが東京城の護衛ロボット。それに比して、我々はロボ忍、伝統ある特殊技能ロボットぞ。よいか、あやつ、今度会いし時、必ずや、血祭りにあげい」


 覆面で見えぬが頭と呼ばれた男の怒りは相当のものらしい。

「わかり申した」

 全員が口を揃える。

「それでじゃ、ロッカン」

 先頭の男に言う。

「はい、お頭」


「おまえは、負けた責任を取れい、死ねや」


「おまちください、今一度の機会をあたえてください。今度は……」

「ええい、くだらぬ言い訳など聞きとうないわい」

 その男が光りに包まれる。

「ぐえーっ」

 ロッカンは倒れていた。

「よいか、みせしめじゃ」


「わ…わかりもうした」

 ロボ忍の体が、小刻みに震えている。

 残りの全員が恐れていた。声は小さいが、唱和していた。

「ところで、お頭はどちらへ」

 ようやく、一人が尋ねた。


「水野さまよりの密命じゃ。依頼されて東京城へな」

「東京城でございますか」

 奇異な感じがした。


「そうじゃ、まあ、見ておれ、わしの腕をな。お前たちは、落合レイモンの一行を見張りながら、西日本にかえれ」

 

ロボ忍者群は、花村とロッカンの死体を残して走り去った。

(頭もむごいのう)

 これが、彼らの思いであった。


続く090901改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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