ギルドに来ました。
「えっ?どうして分かったんですか?」
すぐにバレました。
「異世界出身の方って結構多いんですよ。」
「へぇ、そうなんですか。」
「はい。ではギルドの方で冒険者カード、まあ身分証のような物を作っていただきますので着いてきて下さい。」
「わかりました。」
「えーと、そちらのお嬢さんもですよね?」
「⋯⋯ん」
ヨミは人と話すのが苦手なのか、俺と話す時よりもそらに言葉数が少ない。
街に入るとすぐ目の前に立派な建物が見えてくる。
「ここがギルドです。じゃあ中に入りますよ。」
「あっ、はい。」
中に入ると酒場のようになっており、夕方近くな事もあって大勢の人で混雑している。カウンターは二箇所あり、その片方に門番さんが歩いていく。どうやらそっちがギルドのカウンターらしい。
「門番さんお疲れ様です。今日はどのような御用でしょうか?」
カウンターには綺麗なお姉さんといかついオッサンがいて、どちらを選んだかは言うまでもない。
「異世界出身という方がいたので連れてきました。」
「あぁ、そういう事でしたか。後はこちらにお任せ下さい。」
「はい。よろしくお願いします。」
そう言うと門番さんは帰っていった。
「ではまず、お名前と年齢をお教え下さい。」
「えーと、俺は不知火夕耶。年は16です。」
「⋯⋯ヨミ。年は14」
ヨミの年齢は元の世界の時にいた時、人に直すと大体それぐらいの年だったので街に来る前に二人でそう決めていた。
「夕耶さんとヨミさんですね。ではこちらを受け取り下さい。」
そう言って渡されたのはスマホぐらいの大きさの石板と指輪だった。
「こちらに一滴でいいので血を垂らして下さい。」
渡された針で言われた通りに石板と指輪に血を垂らすと指輪のサイズが少し変わった。
「では指輪をはめて冒険者カードをお渡し下さい。」
お姉さんは受け取ったカードをレジの様な機械にかざす。
「はい。これで登録完了です。本日は登録初日という事で、宿はギルドの二階をお使い下さい。また、夕食がまだでしたらこちらでサービスさせて頂きます。明日から宿などは自身で確保する様お願いします。最後にこちらにを。」
「あっ、はい。色々ありがとうございます。」
渡されたのは指輪や冒険者カードの使い方、街の地図などがプリントされたパンフレットの様な物だった。
「それと明日は、ちょうど新人冒険者の為の講習がありますのでぜひご参加下さい。では、本日はごゆっくりとお休み下さい。」
「はい。本当にありがとうございました。」
俺達は明日の講習の場所と時間を聞くと、食事を取ってから部屋へと向かった。