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顔が近いです。
「お前、ヨミか?」
ヨミ。それは俺があの世界で一緒に暮らしてた白猫の名前。
「そう、だよ」
先程までの恐る恐るといった感じとは違う、はっきりとした答え。
「また会えてよかった。」
ヨミだと分かった途端、俺はヨミを抱きしめていた。
「そういやここってどこだ?それになんでヨミがここに?」
お風呂とか言われて焦ったけど、少女がヨミだとわかってすこし落ち着いた。それよりも、今は何が起こったのか知るために少しでも情報が欲しかった。
「ん、わかった。」
するとヨミは俺の前に来ると、両手で俺の頬を挟み額と額をくっつけてきた。
「ちょっ⋯⋯えっ?」
ヤバイ顔が近い。
「⋯⋯んっ」
ヨミが目を閉じ集中する。すると俺とヨミを光が包み込んだ。
「うっ、あぁっ」
途端に頭に情報が流れ込んで来る。意識はそこで途絶えた。