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夏生詩集2

作者: 夏生

何事もなかったような顔をして

彼女は

掃除をして、買い物をして

友人に電話をかける


今にも崩れそうな

建物が

彼女の目の前にある


細いひもで固定された

建物を彼女はゆっくりと

見上げる


そよかぜでも

大きく揺れてしまう

建物を

彼女は真っ直ぐに

見つめている


彼女を呼ぶ声に


何事もなかったように

笑顔でふりかえる


崩れてしまっても

かまわない

思いながら


細いひもがちぎれることを

おそれている


やさしく

やわらかく

しなやかで

したたかな

心で

出来た柱が

必要だ


柱さえあれば、

彼女は胸にそっと

手をあてた


ここにあれば

何もおそれることは

ないのだ






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