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魔王は理事長

この組み合わせはどうなのか……


ただ養護教諭が書きたかっただけです。


 私立北城高校。俺はその高校の廊下を歩いていた。


「今日は寒いな……」


 外は灰色の雲に覆われ、雪でも降りだしそうなほどの気温だった。


 寒さに身を縮こませながら、俺は保健室へと入った。言っとくけど、サボるためじゃない。ここが俺の職場だ。


 俺はこの高校で養護教諭をしてる。名前は鈴峯すずみね 沙雫さな、今年27歳になった。ちなみにこの高校では2年目になる。


 机の上のパソコンの横にカバンを起き、マフラーとコートを外し部屋の壁にかけた。そこで俺はある違和感に気付いた。


「この部屋……あったかくないか?」


 部屋を見渡し、なぜかエアコンのスイッチが入っているのに気づいた。俺、昨日しっかり消していったよな。つけっぱなしになってたら、今朝の職員会議で注意されたはずだし……。


まさか……。


 あるひとつの可能性を思いついた俺は、カーテンで覆われたベッドの方へと向かった。そして、2つあるうちの奥のベッドのカーテンをおもいっきり開いた。


「やっぱりか……」


 俺の思ったとおりだ。ベッドの中には誰かがいるのがまるわかりなほど、布団が盛り上がっている。そして、枕の方に見える真っ黒な髪の毛。あいつだ。


「毎朝、毎朝……保健室はホテルじゃないんだっつの」


 毎度のことに半ば呆れつつ、だがほっとくわけにも行かない。ここは体調不調の生徒が寝るところだ。早急にどいてもらおう。


「起きてください。そこにいられると大変迷惑です」

「誰に言ってんだ」

「あなた以外にいない……っていうか、起きてるならさっさと理事長室に戻ってくださいよ!!」


 そう言ったらやつの顔がこっちを向いた。おぉ……睨んできてる。寝起きは機嫌悪いんだよな。


「俺が俺の学校で、どこで何しようと勝手だろう」

「めちゃくちゃ言ってますけど!?仕事してください!」

「あんなものすぐにでも終わる」

「いいからどいてください!!ここは生徒が使うべきところであって、あなたが使っていいわけではないです!!」

「あいかわらず、朝から怒鳴るやつだ」

「誰のせいですか」


 そうこうしているあいだに、ゆっくりと起き上がった奴は、黒い艶やかな髪を後ろになでつけた。枕元に置いていたらしいメガネを掛け、再び俺の方を見てきた。


「昨日も、秘書の杉下さんが困ってたじゃないですか。あまり困らせたらダメですよ」

「あいつはそれが仕事だろ」

「酷いなあんた」

「本当のことを言って、仕事はほぼあいつと木ノ瀬に任せておけば何とでもなるんだ」

「こんな人がこの学校の理事長で大丈夫なんだろうか……」


 そう……この朝から保健室で寝ていた人物は、何を隠そうこの高校の理事長だ。


 北条ほうじょう 悠司ゆうじ。33歳という若さにして、この高校の理事長を務める。こんなことをしているが、仕事を貯めたことがないという。ちなみに今の情報は秘書の杉下さんが言っていた。よく会うんだ……ここに理事長がいるからね。


「大体、俺がなんの理由もなく保健室に朝からいると思っているのか?」

「体調不良なら病院に行ってください。ここはあくまで生徒を対象にしてます」

「つれないな」


 そう言って立ち上がった。悔しいが理事長のほうが背が高い。というか、ただいるだけなのに溢れ出るオーラが威圧的なんだけど。


「今夜食事でもどうだ?いい店を用意しよう」

「何ナチュラルにナンパしてきてるんですか?お断りしますが」

「また気が変わったらいつでも連絡をくれ」

「ぎゃっ!?」


 俺のつむじにキスを落とし、理事長は去っていった。





手探りで行きます。


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