第三話 飛鳥の豪族と七つの虹
登場人物紹介
サクラ姫 タイムトラベラー、アズサの娘
ナツミ タイムトラベラー、サクラの友人
マヤ タイムトラベラー、鎌倉武士
カガリ 飛鳥時代の豪族
アズサ サクラの母、サカモトの妻
サカモト サカモトアズサ城城主
タノウエ タイムトラベラー、侵略者
*登場する名称等は全てフィクションです。
鎌倉時代に移動したサクラとナツミ。武士のマヤと出会うが、祖父がタノウエに殺され力の光球が取られてしまう。
一度江戸に戻り、マシンのバージョンアップを行い、次の目的は飛鳥時代と判明する。
「では、お父様、お母様、行ってきます。」
「サクラ、気を付けるんだよ。」
「ではお館様、必ずやタノウエを捉えます。」
「あのー、私どうすれば?」
「マヤ君、これの操作はナツミに任せるといい。頼んだよナツミ君。」
装置が作動し、一行が消えた。
「ここどこ?」
「飛鳥時代ですね。」
「おいおい、飛鳥って昔の時代じゃないか!」
「マヤさん、我々は色んな時代をこの機械で往き来するんですよ。」
「何かよく分からんが、スゴいな。」
「この辺りも鎌倉程ではありませんが、豪族が出るようで気を付けましょう。」
「とりあえず村まで歩こうか。」
何か全然人いないんですけど…。
「かなり歩いたけど、村どころか人が全くいないんですけど…」
「この時代の住人は少ないですね。」
「とりあえず獲物取るか。」
マヤのお陰で食事は助かるんだよね。
「あそこに家あるよ…。」
「誰か...、いるかな?」
家に近づいてみる。住人らしき人がいた。
「あら、どうなさいましたか。」
「この先から歩いて来たんですが…。」
「この先は未開の地ですよ。よく無事に来れましたね。」
何かラッキーみたい。運だけは強いよ。
「あなたはこの辺りの豪族なんですか?」
「はい、父は豪族として中央の建物で仕事してます。私はカガリと言います。」
「カガリさん、最近光る球とかの話聞きましたか?」
「光る球ですか?そうそう、何か最近珍しい球があると話を聞きましたね。」
「その球どちらにありますかね?」
「この辺りを治める長老が赤と青の球をお持ちですよ。今度長老の所をご案内しましょうか。」
「よろしくお願いしますね。」
翌日、カガリの案内で長老の家に向かう。
「長老、赤と青の球について知りたいという方々を連れて来ました。」
「おや、カガリじゃないか。お客人か。」
「長老様、私はサクラと言います。こちらはナツミとマヤです。」
「サクラさん、球について知りたいとな。」
「はい、その球は光ったりしますかね。」
「うむ、かつてこの球は7つあり、眩く光り輝いておったそうじゃ。」
「球って7個もあるんか?」
「球は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色。全てが光ることにより虹のように見えたそうじゃ。」
「そういや、じいちゃんのは黄色かったな。」
「タノウエは7つ集めようとしてるのかな。」
「それは無理じゃよ。」
「どうしてですか?」
「この7色の球は様々な時代に分かれたとされとる。集めることは出来ん。」
「その7つの球に関して何か言い伝えとかあるんですか。」
「かつて、7つの球は1ヶ所で奉られておった。じゃが、何者かが力の悪用を避ける為、バラバラにしたそうじゃ。」
「誰かな、そんなことすんの。」
「確か…、カイなんとかじゃったか…。」
「まさか、カイザン!」
「そうじゃそうじゃ。カイザン老師じゃ。」
「カイザンが老師?嘘でしょ。」
「そもそもこの球を作ったのがカイザン老師じゃよ。」
「カイザンが?タイムトラベルする為に作ったとしても不思議じゃないわ。」
「お前さん達はこの球が必要なんじゃろ。」
「長老、何でそれを...。」
「かつてこの家に来たサカモトと言う者が言うてたのじゃ。」
「サカモト博士は知っていたんだ。」
「この球はお前さんたちに託すよ。それがカイザン老師やサカモト殿との約束じゃからな。」
「約束って…。」
「この球は1つだけでも虹色に光るんじゃ。7つ揃えて7つの虹が現れた時、計り知れない力が出るらしい。」
「タノウエの狙いはその力ね。」
「その通りだよ、サクラ姫一行。」
「タノウエ!」
「カイザンは研究中に偶然光球を開発した。だが、あまりの強さにビビり各時代にばらまいたのさ。」
「カイザンは光球の危険性を認識したのね。アンタはそれでも集めるの!」
「これ程の力、求めない訳なかろう!」
「アンタがタノウエかい!じいちゃんの仇、取らせてもらうよ。」
マヤが切りかかる。タノウエは避けるが傷がついた。
「ここはひとまず退くか。」
「待てタノウエ!」
マヤが追うが、タノウエは消えた。
「サクラ殿、このカガリも旅に連れて行って下さらんか。」
「長老、何でカガリさんを。」
「この球は、その時代の者がいないと真の力を発揮しないのじゃ。赤と青の球はカガリ、そして黄の球はマヤ殿。他の球も同様じゃよ。」
「それじゃ、タノウエから球取り戻してもマヤがいないとダメだったんだ。」
「サクラさん、長老からの話ですと私も旅に同行することになりますね。」
「カガリさん、大変ですけどお願い出来ますか。」
「分かりました。他の4つの球も誰かの助けが必要になりそうですね。」
「一旦、サカモト博士と相談した方がよさそうです。一緒に行きましょう。」
タノウエの目的が判明し、併せて光球の使い手の存在も分かった。各時代に向かい球と使い手を集める旅が始まるのであった。
第四話 予告
各時代に散らばった光球を求め、タイムトラベルをするサクラ一行。次に向かうのは明治時代?!
次回 「文明開化に潜む罠」
サクラ一行に新たなる仲間が。タノウエの野望も分かり、次回より更にパワーアップしたトラベルが?
ではまたお会いしましょう。




