第二話 鎌倉武士と江戸の花
登場人物紹介
サクラ姫 タイムトラベラー、アズサの娘
ナツミ タイムトラベラー、サクラの友人
マヤ 鎌倉武士
アズサ サクラの母、サカモトの妻
サカモト サカモトアズサ城城主
タノウエ タイムトラベラー、侵略者
*登場する名称等は全てフィクションです。
江戸、サカモトアズサ城からタイムトラベルをしたサクラ姫とナツミ。
着いた先は鎌倉時代であった。
「ここにタノウエがいるのかな。」
「正確にはこの時代ね。」
「鎌倉時代って武士とかいるんだよね。」
「争いはあったでしょうが、平和な地域もあったみたい。」
向こうから誰か来る。
「あなたたち、ここで何してんの。」
鎧や兜着てる。武士なの?
「私達は旅の者です。」
「ふーん、旅なんて呑気ね。どこ行くの?」
「とりあえず都かな。」
「都ねぇ、たどり着く前に死んじゃうわよ。」
「あなたはこの辺りの武士なんですか?」
「まあ、用心棒みたいなものかな。私はマヤ、あなた方は?」
「私はサクラ、こっちはナツミ。」
「サクラとナツミね。ところで、宿はどこ?」
「まだ宿の手配してなくて...。」
「じゃウチ来なよ。大したもてなしは出来ないけど。」
「いいんですか。」
「あんたら悪い人じゃなさそうだし、この辺フラフラしてたら襲われて死んじゃうよ。」
いやマジ物騒なんだけど。
「すいません、お世話になります。」
マヤの家に着いた。
「この家、じいちゃんと住んでるだけだから気にしないで。」
「マヤさん、ご両親や家族は。」
「マヤでいいよ。皆戦で死んじゃったよ。」
「ごめんなさい、失礼な事聞いて。」
「別にいいよ。争いの絶えない所だからさ。」
「マヤかい、お帰り。」
「じいちゃん、ただいま。客人連れて来た。」
「おやおや、こんな所でお構いも出来ませんがゆっくりして下さい。」
「おじゃまします。」
「じいちゃん、今日は獲物捕まえたよ。」
「そうか、客人にも振る舞えるのう。」
「私達までご馳走になっていいんですか。」
「食事は賑かな方が楽しい。一緒に召し上がれ。」
「では頂きますね。」
楽しい夕飯の一時を過ごす皆であった。
翌日。
「サクラ、起きなよ。」
「ふひっ、ナツミお早う。」
「あらお二人さん、おはよう。」
「マヤは早起きだね。」
「まあ、のんびり寝てる暇ないんでね。」
「あれ、おじいさんは?」
「じいちゃんなら獲物捕りに行ったよ。」
「大丈夫なんですか。」
「ベテランだからねぇ、しかしちょっと遅いかな。様子見てくるよ。」
「私達も行きます。」
何か嫌な予感がする...。
「いつもこの辺でいるんだけどね…。」
「あっ、おじいさんが倒れてる!」
「じいちゃん、どうした!」
「マヤか…、タノウエと言う奴がいきなり襲って来た…。」
「タノウエって誰だい!」
「タノウエは悪巧みを考えている奴で、私達も追っている人物です。」
「マヤ...、この人たちと一緒に行きなさい...。ワシのことは…。」
そう言い残すとおじいさんは息絶えた。
「マヤさん…。」
「サクラ、ナツミ。タノウエを倒すんだろ。」
「ええ、奴を放置すれば悲しむ人はもっと増える。」
「じいちゃんが何でやられたか分かんないけど、タノウエだけは許せないな。」
「マヤ、怒りに任せて奴に向かっても倒せない。ここは冷静に。」
「そうだな。でもじいちゃんを狙う理由が分からん。」
「おじいさんは何か持っていたものとかあるのかな。」
「うーん、持ち物か…。あっ!」
「なになに?!どしたん!」
「じいちゃん、光る球持ってたよ。いつもここに入れて...、って無い!」
「タノウエの目的はおじいさんが持っていた球。何かしらねぇ。」
「恐らくその球には力が封じ込められているわ。」
「タノウエが狙いそうな物だね。」
「そうか分かったわ。」
「ナツミ、どしたん?」
「タノウエが狙うのは力の光球。各時代に散らばっているから、タイムトラベルする必要がある。」
「何だか難しそうな話だね。タイが何とかだって。」
「一度江戸に戻ってサカモト博士に相談した方が良さそうね。」
「あんたらが行くとこならアタシも行くよ。」
「マヤ、タイムトラベル出来るかな?」
「タイムリセット装置なら何とかなるわ。」
「じゃ、3人で江戸に帰ろう。」
サカモトアズサ城。
「お父様、お母様、ただ今戻りました。」
「サクラ、無事で何よりですよ。」
「ナツミ、こちらのお嬢さんは?」
「はっ、お館様。鎌倉武士のマヤです。タノウエに唯一の肉親を殺されました。」
「じいちゃんの遺言でサクラとナツミに同行します。」
「それはお気の毒でしたね。城では気兼ね無く過ごして下さい。」
「タノウエが狙うのは力の光球で間違いないかと。」
「そうですか。なら、球を入手すれば次の時代に向かうでしょう。奴より早く球の位置を探る必要がありますね。」
「タイムサーチでは後手になってしまいますね。」
「明日まで待ってくれませんかね。タイムマシンを改良しますんで。」
「この城の庭、色んな花が咲いてるんだな。」
「マヤの家の近くには無かったの。」
「花どころか作物も厳しかったよ。」
「大変な時代なんだね。」
「まあ、どんな時代だろうと大変さは変わらないかもな。」
「ナツミ君、マシンに光球サーチを追加しましたよ。」
「これでタノウエより先手を取れますね。」
「それとこれはマヤ君に渡しますね。」
「何ですかこの腕輪。」
「タイムマシンです。これでタノウエを追うことが出来ますよ。」
「博士、では早速タノウエを追います。サクラ、マヤ、準備はいい。」
タイムサーチ起動、飛鳥時代を指してる。光球サーチ起動、同じく飛鳥時代だ。タイムトラベル装置セット、目標飛鳥時代!
第三話 予告
タノウエに奪われた光球を取り戻すべく飛鳥時代に向かうサクラ・ナツミ・マヤの3人。果たしてタノウエを捕まえられるか!
次回 「飛鳥の豪族と七つの虹」
新たな仲間マヤを加え、タイムトラベラーチーム新天地へ。
それでは次回また。




