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怪盗少女ビヨンド  作者: Melon
第3章 再会

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ラッティの特別訓練 その2

「しかし、あんな強いとは思わなかったわ......。あの身体能力って、戦宝のおかげなのかしら? ビヨンド。あんた、一緒に任務に行ったんでしょ? 何かしらないの?」


「いや、特に戦宝の話を聞いたわけじゃ......」


「......少し気になるわね。私、聞いてくるわ!」


レパールは立ち上がり、床に寝転がっているラッティに近づいていく。


「ラッティ......さん! 休憩中ちょっといいかしら?」


「ん? どうしたの?」


「あなたの戦宝をお聞きしたいんだけど、いいかしら?」


「いーよ。 あ、そうだ! ビヨンドちゃんたちも見る? おいでおいで」


ラッティが体を起こし、手でこちらに来るように招く。

ビヨンドとクレナイは立ち上がって移動し、ラッティの横に座った。


「私の戦宝はねー......」


ポケットをガサガサと漁り、一冊の本を取り出した。


「本......? これが身体能力と関係が......?」


レパールは考える。

しかし、きょとんとした顔をするラッティ。


「ん? 違うよ? 私の身体能力は、自分の力だよ?」


「「えっ......?」」


思わず絶句するビヨンドとレパール。


「まぁ、すごい身体能力ですね......。私なんて、比にならないくらい......」


「まあね。怪盗になってから頑張ったからね。あ、それより戦宝についてなんだけど......」


ラッティは、本を三人に見せる。

一見茶色い表紙の普通の本であるが、読めない文字が書かれている。


「私の戦宝、召喚の書は、ページを破り捨てると一回だけ魔法が出るの!」


「魔法......ですか?」


疑問に思うクレナイ。


「例えばねー......」


ページをペラペラとめくっていくラッティ。

本のページは、ところどころ破り捨てられており、状態は良いとは言えなかった。

ラッティは、雷が描かれたページでめくる手を止め、三人に見せた。


「このページを破り捨てると、雷の魔法が出るよ! 多分!」


「多分?」


ビヨンドが聞く。


「この本って同じ魔法が記されてないんだよねー。今までも描かれた魔法が出てきたから、多分雷が出るんじゃないかな?」


そう言いながら、本をポケットにしまうラッティ。


「そういえば戦宝の話で少し気になったことがあるんだけどさ。ビヨンドちゃんとレパールちゃんは戦宝を使ってるけど、クレナイちゃんって戦宝は持ってないの?」


「はい......。なかなか自分に合う戦宝が見つからなくて......」


少し落ち込みながら、クレナイが言う。


「んー......。でも、クレナイちゃんって私みたいに普段から戦宝を使ってないおかげで、今の身体能力が身についてるわけじゃん? だったら、今のままでもいいんじゃないかな? それに、戦宝は便利だけど、まだ具体的なことがわかっていない以上、頼ってたら万が一使えなくなった時に困るし......」


「「うっ......!」」


普段戦宝に頼っているビヨンドとレパールが、そんな声を発した。


「わ、私たちももっと戦宝に頼らず、自力で任務をこなすよう心掛けたほうがよさそうね......」


レパールがビヨンドに小声で話しかける。


「そ、そうね......」


ビヨンドも同様に、小声で返事をした。


「そういえば、ラッティさんのような方でも、戦宝についてご存じではないのですか?」


「うーん......。実は私も詳しくなくて......。キラーナがやたら詳しそうだったんだけど......」


「えっ、キラーナさんがですか?」


キラーナの名に反応したビヨンドが聞く。


「うん。キラーナが言うには、魔力を持つ物が生み出した、魔法の道具って言ってたんだけど......」


「魔力......? ですか? 確かに、戦宝は魔法があったかもしれない過去に作られた遺物って言われてますけど......」


ビヨンドが、授業で教わった戦宝についての説明を思い出しつつ、口に出す。


「ただ、キラーナがなんで確証があるかのように言ったかは、わからないんだよねー......。ま、私が知ってるのは、このくらいかな......」


そう言いながら、立ち上がるラッティ。


「じゃ、みんなも休めただろうし......。そろそろ続きをやろっか!」


ビヨンドたちもラッティに続くように立ち上がる。


「ラッティさんの特訓って、何をやるんだろう……」


 ビヨンドや他の二人もそう思っているだろう。


「訓練メニューなんだけど……。実は、なーんにも考えてないんだよねー。あははー」


「「「……は?」」」


 頭に手を当て笑いながら話すラッティ。

 そんなラッティを見て、緊張してこわばっていた三人の体からは一気に力が抜けた。


「だからー、練習試合で色々教えることにするねー」


「そ、その練習相手って……」


 恐る恐る聞くビヨンド。


「もちろん私だけど?」


 それを聞いたクレナイは、満面の笑みを浮かべている。

 クレナイ以外の二人は、部屋に戻りたいと感じ取れるような表情をしている。


「ビヨンド……。しばらく過酷な日々が続きそうね……」


「そうね……」


 嫌そうな顔をしながら話す二人。


「ふふ、私幸せです……!」


 そんな隣で、クレナイは人生最大の幸せを感じていた。


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