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怪盗少女ビヨンド  作者: Melon
第3章 再会

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ラッティの特別訓練 その1

 ラヴァと戦った次の日。

 ビヨンド、レパール、クレナイは訓練場へと集められていた。

 並んでいる三人の前には、腕を組んだラッティが立っていた。


「今日から君たちに特別訓練を施す怪盗ラッティだよ! みんなよろしくねー!」


 特別訓練を行うと言われて呼び出されたのにも関わらず、指導者のラッティを見て唖然とするレパールとクレナイ。


「ビヨンドさん。この方が本当に四天王のラッティさんなんですか.....?」


 小声で聞くクレナイ。


「そこー! コソコソ話さなーい!」


「す、すみません......」


「こほん。実は、この学園はよくわかんない怪盗に狙われてるの。それでー、学園長はそいつらが攻めてくる前に、優秀な人材を育成して迎え撃つことにしました! そんで、選ばれたのが君たち! ビヨンドちゃん。レパールちゃん。クレナイちゃんの三人!」


 三人の前を歩きながら、一人ずつ指を差す。


「ふん。あなた、本当に優秀なのかしら?」


 レパールが、一歩前に出てラッティに対して言う。


「もしかしたら、私の方が優秀なんじゃないの?」


「ふーん。じゃ、試してみる?」


 ラッティは、手でこちらに来るように合図をする。

 二人は、訓練場の真ん中で向かい合う。


「大丈夫でしょうか。レパールさん......」


 不安そうな顔で心配するクレナイ。


「大丈夫......。じゃないと思う」


 端っこで真ん中に立つ二人を見つながら話す。


「ここで私が勝って四天王になってやるわ!」


「かかっておいで、レパールちゃん。本気でいいよ。武器でも何でも使いな」


 レパールは、ポケットからナイフを取り出す。

 ためらうことなく、ラッティめがけて投げる。


「おっと危ない」


 ラッティはナイフを避ける。

 しかし、ナイフは挙動を変え、ラッティに向かってくる。


「へー。君面白い戦い方するねー」


 再び飛んできたナイフを、ラッティは軽々と掴み、投げ捨てる。

 そして、レパールに走って接近しながらトランプを投げた。


「ちょっ! 危な......!」


 飛んでくるトランプを必死に避ける。

 トランプを避け終わった頃には、ラッティの姿はなかった。


「チェックメイト」


 レパールの背後から声が聞こえた。

 項にはトランプの角が当てられている。

 冷や汗がダラダラと吹き出し、大きく唾を飲み込むレパール。


「安心してー。これ練習用の木でできてるやつで、角も丸くなってるから当たってもあんまり痛くないよ。」


 ラッティは角を素手で擦るが、全然平気そうだ。


「さーて。それじゃ、特訓しよっか!」


「はぁ、はぁ......」


 その場にへたり込むレパール。

 そんなレパールを抱きかかえ、ビヨンド達の元へ運ぶ。


「素早く、無駄がない......。恐ろしい方ですね......」


「任務ではあのトランプぶっ刺して痛がってるところを容赦なくぶん殴ったり蹴り飛ばすのよ......。恐ろしいわよ、ほんと......」


 今の数秒間の戦いを見ただけで、ラッティの恐ろしさを知るクレナイだった。


「あ、そうだ! 初日だから最初はみんながどれくらい戦えるか見よっかな! ビヨンドちゃんは昨日チラッと見たからー......」


 ビヨンドは、横に立っているクレナイを見る。

 あれほど恐ろしい戦いっぷりを見たのにもかかわらず、少し楽しそうだった。


「そういえばあんた、強いやつが大好きなマゾだったわね......」


「まぁ、マゾヒストだなんて......」


 クレナイは木刀を鞘から抜き、練習場の中央へと歩を進める。


「私は、強いお方を徹底的に叩き潰したいと思うサディストですよ」


 ラッティと向き合い、木刀を構える。


「刀かー」


「実力差はかなりありますが......。全力で戦います」


 向き合う二人。

 お互い一歩も動かず、時間が過ぎていく。

 数十秒後、ラッティが動き出した。

 ものすごい速さでは接近しながらトランプを投げる。

 クレナイは、それをいともたやすく刀で弾く。


「今です!」


 二人の距離が二メートルほどになった時、クレナイが大きく一歩を踏み出し、刀を振り上げ頭を狙う。

 ものすごく速い一撃だ。

 だが、ラッティはそんな攻撃をいともたやすく手で受け止める。

 しかし、このことは想定している。

 クレナイは全身に力を入れ、ものすごい勢いでラッティを持ち上げた。


「甘いよ!」


 たたきつけられることを瞬時に判断したラッティは、高さがクレナイの頭を超えた瞬間に手を放す。

 そして、空中で姿勢を整え、背中にかかと落としを食らわせる。


「いっ......!」


 痛みで床に膝をつく。

 そして、ラッティに背中を取られてしまった。


「刀を受け止められることを想定して動くのはよかったよ! だけどその先がまだまだだね!」


「......流石、一流の怪盗ですね......。私の負けです」


「あ! そうえいば背中大丈夫?」


「な、なんとか......」


 立ち上がり、辛そうな顔をしながらビヨンドたちの元へ戻る二人。

 クレナイは、戻った後、床に座り、壁によりかかる。


「私との戦いが役に立ってよかったわね」


「ええ......。この前の戦いでビヨンドさんが刀を掴んで足を狙うよな攻撃をしてなかったらもっと早く負けていましたね......」


 ビヨンドに座ったまま頭を下げる。


「さーて、それじゃあ少し休んだら今度こそ特訓開始ねー! しーっかり休むんだよー!」


 ラッティはそう言いながら床に寝転んだ。

 ビヨンドたち三人も、特訓に備えしっかり休むことにした。

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