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春一番  作者: みやb
3/3

初めまして。私は

「????????」


今にも泣き出しそうな顔いや、泣いた顔で叫んでいる。えっと、私は一緒にいたお兄ちゃんですよ。そう言ってその場を収めようとするがニ人の兵士が来てしまった。


「何をしている」


そうやって明らかに不審者を見る目でこちらを見てくる。


「えー、これはそのですね」


なんと言おうか迷っているともう一人の兵士が子供に話しかけた。


「お嬢ちゃん。どうしたんだい?」


すると子供は、


「この人さっきまで一緒にいたお兄ちゃんじゃない」



と、不審者感満載で述べる。それを聞くと衛兵は私に近づいてきて手に縄を撒き始めた。


「ちょっと」


あまりに唐突なことに驚き、声をあげてしまった。そして抗議をしようとしたが問答無用と言わんばかりに取調室まで連れてこられた。


「さっさと入れ」


罪人のような扱いで部屋放り込まれた。本当にこんな予定じゃなかった。そして、先ほどのやつとは違う兵士が「たっぷり話を聞かせてもらおうか」と刑事ドラマとかでお決まりのセリフを吐いてきた。そんなこと言われたってそんなすぐに自分の身柄を明かすような真似はしない。するともう1人兵士が入ってきた。こいつもさっきと違うやつだなと思っていると背後にまわって嘘発見器みたいなゴツい魔道具を僕の頭に付けた。うん、頭をガッチリ固定される孫悟空の気持ちがわかった。これは頭が痒くてもかけないもどかしさを感じさせる地味に嫌なものだ。拷問にピッタリなのではと思うほどにだ。つけ終わったのを確認したら前の兵士が尋問を始めた。


「嘘をついてもバレるから真実を話せ」


いやいやそれでほんとのこと言うやついないでしょと、心の中で呟く。


「まず名前を言え」


ここは丁寧に名乗っておこう。


「私は、ランスと申します」


「どういう考えで女児に手を出した」


出してないんだけどなー。でも言っても聞く耳を持たないだろうし。


「子供が迷子でどうしたらいいかわからなかったそうなので私がここまで連れてきました」


「ロリコンか」


ボソッと後ろにいる兵士が嫌味のようにつぶやいた。


「次にお前は序列・・・・・」


そんな感じで3時間くらいの尋問と説教を受けて帰れるかと思ったら牢屋にぶち込まれていた。


「はぁ、顔を変えたのに捕まったら意味がないではないですか。だけどこの顔でもお尋ね者になるのはいかがなものか」


と隙間風が吹くボロい牢屋で愚痴を呟く。

でもそんなこと言ってられない。早く抜け出してせめてこの国から出なくては。連れてこられた時に見た感じここは罪人などを一時保管するような場所らしい。すると、


「ずっと何言ってんの?うるさいんだけど」


牢屋の奥から声がした。私の入れられた牢屋には元から私以外に一人の少女?青年?がいた。多分声的には女の子だろう。振り返ってみるとその身には奴隷にでもつけるようなゴツゴツした重そうな首輪に足枷がついていた。流石に年端もいかなそうな子にこの仕打ちは可哀想だと思った。だが取り敢えず返事をしよう。これ以上怪しまれてたまるか。名前はさっき使ったランスでいいか。


「これは失礼。えーと、初めまして。私はランス・アグローブと申しますあなたのお名前は?」


「チッ」


舌打ちのようなものが聞こえたけれどきっと聞き間違いだろう。聞こえなかったのかもしれない。もう一度聞いてみよう。


「お名前は?」


するとその子はうるさいと言ったのが聞こえなかったのかというふうにゆっくりとこちらを向いてきた。そして、


「あんたにいう必要ないでしょ」


と少し警戒した表情で言ってきた。

「いえいえ。せっかく同じ牢屋になったのですからこれも何かの縁、仲良くしようではないですか、それに聞きたいことはたくさんありますし」

そう言うとその子は何か汚物でもみるような顔で


「死ね」


そう言ってきた。それに続けて


「仲良くしたいならその顔をどうにかしてからにしてよ!不愉快!」


人の顔を見てなんてこと言うんだ。そう言いかけたがそういえば今の顔を知らないな。待てよ、あの子供に顔を変えるのを伝え忘れた。だけどあそこまで泣かれるか?普通。

「アイテム。手鏡」

自分の顔を手鏡で見た。これはまぁ酷い。不愉快と言われても仕方ないと認めるレベルの顔だった。血族にゴブリンかオークでもいると言われても疑わないレベルだ。あの子供には、悪いことしたな。

「あぁ、この顔で言われたらそうなりますよね。失礼致しました。元の顔に戻しますね」

「リバース」

先ほどと同じように黒い影が顔を包み青年の顔に戻った。因みに顔は元々の本当の顔にはしていない。騒がれるのは面倒だしね。


「それでは改めまして私はランス・アグローブ。あなたのお名前をお聞かせ願えますか?」


「名前ない......」


小声でそう言った。


「私は捨てられたのよ。もう今は名乗る名前はないわ」


「そうですか。それは...」


なんて言おうか迷っている時


「同情なんかいらないわ」


強気に言っているがどこか悲しそうだった。でもこれ以上踏み込むのは違うだろう。


「ですが名前がないのは困りますね。私はなんと呼べばいいのでしょうか」


「なんでもいい、好きに呼べばいいわ」


心を閉ざしているし、せめて明るく。そして、気高く、優しそうな名前で呼びたいな。それはいいんだけど....。候補かー。アスカ、ユリ、ボタン、セツナ、うーんどれもピンとこないんだよな。どうしようかな。うーーーむ。うん。そうだな自分の好きな花の名前からもらうか。


「コホン、これから貴方のことをフリージア、そう呼ばせていただきますね」


「そう」


気に入ってもらえたかはわからないけどこれで会話の時に困らないな。ん?少し表情が柔らかくなったような。うん?気のせいか。ここからが本題だ。

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