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解決の先に

 スペンサー家の従者は、ミリエンヌお嬢様の指示で騒ぎを確認に行った所、不覚にも馬車を奪われた。

 大声を出して追い掛けたが、振り切られて衛兵詰め所に走ろうとした。

 すると男が二人、行く手を阻んだ。

「退け!」

「⋯⋯」

 男達は口を開かず、足止めを目的としている様だ。

「お前ら、退け!」

 そう言って剣を抜いた。

 従者は実践も豊富な腕の立つ者で、あっという間に二人の男をのした。

「済まんが、この二人に縄を!」

 すると近所の家の者達が縄を持ってきた。

「私はスペンサー公爵家の者だ。衛兵を呼んできて貰えぬか、緊急事態だ!」


 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


 ノアは自邸で緊急案件の仕事をしていた。

 今日は婚約式の衣装の打ち合わせに行っていたが、運悪く領内で問題が起きたとの事で、急ぎ戻る事となった。書類を確認して各所に指示を出し、何とかサインを済ませた所であった。

 アンナ義姉さんとお喋りして帰るとの事だったので戻ったが、未だカフェにいる様なら迎えに行こうかと思っていた。


 その時、早馬でミリエンヌの拉致を知らされた。

「直ぐ馬の準備を!」

 執事に指示をして素早く剣を持つ。

「それでまだ見つからぬのか?」

 邸内を走りながら、執事に聞く。

「それがまだ」

「くそっ、私が送りさえしていたら⋯⋯」

 今頃ミリエンヌがどんな気持ちでいるのかと思い、ノアは拳を強く握り締めた。



 街中を凄い勢いで駆け抜ける馬車の目撃情報は、多く寄せられた。

 そして商団の証言から、門を抜けて少し行った所で、馬車が立ち往生していたとの証言を得た。

「私達が通り掛かると、車輪を直しているかの様でした」

「ありがとう、急ぐぞ!」


 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎


 ミリエンヌ達はまだ立て篭もりに成功していた。

「早く出てきなさい!」

 エリーはヒステリックに言った。

「⋯⋯」

 しかし、刺激しない様にミリエンヌは黙っていた。

「お嬢さん、中で気絶でもしているんじゃないか?」

「何でよ」

「これだけ抵抗したんだ。もしかしたら中の空気が無くなって⋯⋯」

「死んだって言ってるの?早く開けなさいよ!窓、窓をこじ開けなさい!」

「いや、その可能性が高い!不味い、逃げるぞ!」

「チョット待ちなさい。私をここに置いて行く気?」

「元々あんたが言い出した事だ。俺らは逃げる!」

「馬は貰っていくぜ」

 そう言って馬車から外している様だ。

「お金をあげるって言ってるでしょう!」

「いや、割りに合わん!命を賭けるつもりも無いんでね!」

 馬がいななき、男の二人は去って行った。

「もうもうもうもう!」

 じゃりじゃり音がしているので、エリー嬢が地団駄を踏んでいる様だ。


 ミリエンヌは確認の為、小窓をそっと開けた。

 そこには一人取り残されたエリー嬢が、石を片手にドアの方に向かっていた。

 そしてドアノブを石で何とかしようとしているらしい。

 ガンガン暫く音がしていたが、

「い、痛い!」

 そう言って諦めた様だ。

「生きているのなら何とか言いなさいよぉー!」

 ミリエンヌ達は口をつぐみ続けた。


 そしてそれからどの位時が経ったのか。

 外が静かになり、遠くから蹄の音や馬車の様な音が聞こえてきた。

 ミリエンヌはまだネネに黙っておく様に、ゼスチャーした。

 救出部隊とは限らないから。


「ノア様ぁ〜!」

 外からエリーの声が聞こえる。

「チョット、離しなさいよ!ノア様私はここですぅー!ギャッ!」


 外が騒がしくなり、ノア様の声が聞こえた。

「ミリエンヌ!」

「ノア様ですか?」

「よく無事で、ここを開けてくれ」

「お嬢様、私たち助かったんですね!」

「そうよ、よく頑張ったわ!」


 そして中から二人が姿を現した時、ノア様から抱き締められた。

「よく頑張ったね、怖かっただろう」

「ノア様、私無我夢中で!」

「よく耐えてくれた。私が付いていながら済まなかった」

「ノ、ノア様ー」

 ミリエンヌは我慢していた涙が溢れた。

 ノア様の胸に顔を埋めて、ワァワァ子供みたいに泣いた。


 少し離れた所で、ネネも衛兵に支えられて居る。

 安心してふと見ると、エリー嬢が頬を腫らしていた。

「私は女性に手を挙げた事は無かったんだが、我慢出来なかった」

 何でも駆け付けて来たノア様目掛けて、飛んで来たらしい。

「私の愛する人を害しても、反省はおろかあの様な態度、虫唾(むしず)が走る!」

 エリー嬢に聞かせる為か、大きな声で言い放った。


 それまでこちらを凄い顔で睨んでいたエリー嬢は、ノア様の言葉に顔を歪めた。

「ノア様、私がやり方を少し間違えたかもしれませんが、あなたの為だったのです!」

「はぁー?」

 ノア様が睨み返して言った。

「私が頼んだとでも言うのか?」

「そうではありませんが、この女の本性を教えて差し上げようと⋯⋯」

「本性?」

 ノア様が聞き返した事で、希望を見出したのか、声高に話し始める。

「ええ、ノア様は騙されているのです」

「どう言う事だ!」

「ノア様はこの国に来られて日が浅いのでご存知ないのです!この女はこの国でも有名な爪弾(つまはじ)き者です!」

「それがどうして、この様な事を仕出かす理由となるのだ!」

「あの有名なロザリンドの娘なのです!スペンサー家に取り憑く亡霊なのですわ!」

「⋯⋯言いたい事はそれだけか。想像以上に邪悪であった様だ」

「そうでしょう?だから騙されているノア様をお救いする為に、私が少々手荒い真似をしなくてはなりませんでしたの」

「⋯⋯」

「ね、お分かり頂けたなら、この無礼な男達を⋯⋯早く離しなさいよ!」

「一つだけ言っておこう。ロザリンドという女性はミリエンヌの母に間違いはない。しかし今の母親はパトリシア様だ」

「でも心根はきっと変わりませんわ。私を信じて⋯⋯」

「君は大罪を犯した。自分が誰よりも邪悪であると認めないのか?」

「私が邪悪?」

「そうだ、自分の欲望の為、多くの人を危険に晒して大罪を犯した。君のご両親や姉は、これからミリエンヌとは比べ物にならない屈辱に晒されるだろう」

「私の家族がどうして⋯⋯」

「君には極刑が言い渡されるだろう。残された家族は、泥水を啜って生きる事になるだろう」

「何で、何で、何で?」

「自分の罪と向き合って、残りの日々を送るんだな」

「⋯⋯」

「連行しろ!」


評価、ブックマーク宜しくお願いします( ˊ̱˂˃ˋ̱ )

オリンピックに大谷くん!(((o(*゜▽゜*)o)))♡

観たいものが目白押しで、筆が全然進みません!

夜になって慌てて書き上げ投稿する日々。

誤字も多くなって皆さんにはご迷惑お掛けします!Σ(゜д゜lll)


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