解決の先に
スペンサー家の従者は、ミリエンヌお嬢様の指示で騒ぎを確認に行った所、不覚にも馬車を奪われた。
大声を出して追い掛けたが、振り切られて衛兵詰め所に走ろうとした。
すると男が二人、行く手を阻んだ。
「退け!」
「⋯⋯」
男達は口を開かず、足止めを目的としている様だ。
「お前ら、退け!」
そう言って剣を抜いた。
従者は実践も豊富な腕の立つ者で、あっという間に二人の男をのした。
「済まんが、この二人に縄を!」
すると近所の家の者達が縄を持ってきた。
「私はスペンサー公爵家の者だ。衛兵を呼んできて貰えぬか、緊急事態だ!」
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ノアは自邸で緊急案件の仕事をしていた。
今日は婚約式の衣装の打ち合わせに行っていたが、運悪く領内で問題が起きたとの事で、急ぎ戻る事となった。書類を確認して各所に指示を出し、何とかサインを済ませた所であった。
アンナ義姉さんとお喋りして帰るとの事だったので戻ったが、未だカフェにいる様なら迎えに行こうかと思っていた。
その時、早馬でミリエンヌの拉致を知らされた。
「直ぐ馬の準備を!」
執事に指示をして素早く剣を持つ。
「それでまだ見つからぬのか?」
邸内を走りながら、執事に聞く。
「それがまだ」
「くそっ、私が送りさえしていたら⋯⋯」
今頃ミリエンヌがどんな気持ちでいるのかと思い、ノアは拳を強く握り締めた。
街中を凄い勢いで駆け抜ける馬車の目撃情報は、多く寄せられた。
そして商団の証言から、門を抜けて少し行った所で、馬車が立ち往生していたとの証言を得た。
「私達が通り掛かると、車輪を直しているかの様でした」
「ありがとう、急ぐぞ!」
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ミリエンヌ達はまだ立て篭もりに成功していた。
「早く出てきなさい!」
エリーはヒステリックに言った。
「⋯⋯」
しかし、刺激しない様にミリエンヌは黙っていた。
「お嬢さん、中で気絶でもしているんじゃないか?」
「何でよ」
「これだけ抵抗したんだ。もしかしたら中の空気が無くなって⋯⋯」
「死んだって言ってるの?早く開けなさいよ!窓、窓をこじ開けなさい!」
「いや、その可能性が高い!不味い、逃げるぞ!」
「チョット待ちなさい。私をここに置いて行く気?」
「元々あんたが言い出した事だ。俺らは逃げる!」
「馬は貰っていくぜ」
そう言って馬車から外している様だ。
「お金をあげるって言ってるでしょう!」
「いや、割りに合わん!命を賭けるつもりも無いんでね!」
馬がいななき、男の二人は去って行った。
「もうもうもうもう!」
じゃりじゃり音がしているので、エリー嬢が地団駄を踏んでいる様だ。
ミリエンヌは確認の為、小窓をそっと開けた。
そこには一人取り残されたエリー嬢が、石を片手にドアの方に向かっていた。
そしてドアノブを石で何とかしようとしているらしい。
ガンガン暫く音がしていたが、
「い、痛い!」
そう言って諦めた様だ。
「生きているのなら何とか言いなさいよぉー!」
ミリエンヌ達は口をつぐみ続けた。
そしてそれからどの位時が経ったのか。
外が静かになり、遠くから蹄の音や馬車の様な音が聞こえてきた。
ミリエンヌはまだネネに黙っておく様に、ゼスチャーした。
救出部隊とは限らないから。
「ノア様ぁ〜!」
外からエリーの声が聞こえる。
「チョット、離しなさいよ!ノア様私はここですぅー!ギャッ!」
外が騒がしくなり、ノア様の声が聞こえた。
「ミリエンヌ!」
「ノア様ですか?」
「よく無事で、ここを開けてくれ」
「お嬢様、私たち助かったんですね!」
「そうよ、よく頑張ったわ!」
そして中から二人が姿を現した時、ノア様から抱き締められた。
「よく頑張ったね、怖かっただろう」
「ノア様、私無我夢中で!」
「よく耐えてくれた。私が付いていながら済まなかった」
「ノ、ノア様ー」
ミリエンヌは我慢していた涙が溢れた。
ノア様の胸に顔を埋めて、ワァワァ子供みたいに泣いた。
少し離れた所で、ネネも衛兵に支えられて居る。
安心してふと見ると、エリー嬢が頬を腫らしていた。
「私は女性に手を挙げた事は無かったんだが、我慢出来なかった」
何でも駆け付けて来たノア様目掛けて、飛んで来たらしい。
「私の愛する人を害しても、反省はおろかあの様な態度、虫唾が走る!」
エリー嬢に聞かせる為か、大きな声で言い放った。
それまでこちらを凄い顔で睨んでいたエリー嬢は、ノア様の言葉に顔を歪めた。
「ノア様、私がやり方を少し間違えたかもしれませんが、あなたの為だったのです!」
「はぁー?」
ノア様が睨み返して言った。
「私が頼んだとでも言うのか?」
「そうではありませんが、この女の本性を教えて差し上げようと⋯⋯」
「本性?」
ノア様が聞き返した事で、希望を見出したのか、声高に話し始める。
「ええ、ノア様は騙されているのです」
「どう言う事だ!」
「ノア様はこの国に来られて日が浅いのでご存知ないのです!この女はこの国でも有名な爪弾き者です!」
「それがどうして、この様な事を仕出かす理由となるのだ!」
「あの有名なロザリンドの娘なのです!スペンサー家に取り憑く亡霊なのですわ!」
「⋯⋯言いたい事はそれだけか。想像以上に邪悪であった様だ」
「そうでしょう?だから騙されているノア様をお救いする為に、私が少々手荒い真似をしなくてはなりませんでしたの」
「⋯⋯」
「ね、お分かり頂けたなら、この無礼な男達を⋯⋯早く離しなさいよ!」
「一つだけ言っておこう。ロザリンドという女性はミリエンヌの母に間違いはない。しかし今の母親はパトリシア様だ」
「でも心根はきっと変わりませんわ。私を信じて⋯⋯」
「君は大罪を犯した。自分が誰よりも邪悪であると認めないのか?」
「私が邪悪?」
「そうだ、自分の欲望の為、多くの人を危険に晒して大罪を犯した。君のご両親や姉は、これからミリエンヌとは比べ物にならない屈辱に晒されるだろう」
「私の家族がどうして⋯⋯」
「君には極刑が言い渡されるだろう。残された家族は、泥水を啜って生きる事になるだろう」
「何で、何で、何で?」
「自分の罪と向き合って、残りの日々を送るんだな」
「⋯⋯」
「連行しろ!」
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オリンピックに大谷くん!(((o(*゜▽゜*)o)))♡
観たいものが目白押しで、筆が全然進みません!
夜になって慌てて書き上げ投稿する日々。
誤字も多くなって皆さんにはご迷惑お掛けします!Σ(゜д゜lll)




