突撃、黄色い爆弾娘!
「何だか騒がしいわね。何かあったのかしら?」
ミリエンヌが側に控えていたメイドに聞く。
「私が確かめて参ります」
風の気持ちの良い午後、ミリエンヌ主催のお茶会が優雅に開かれていた。
楽しいおしゃべりを楽しんで、次の予定を相談しあっていた所だった。
「最近はまた身辺が騒がしくなって来ましたね、やっとあの一件が片付いたのに」
アンナさんがケーキを食べる手を止めて言ってきた。
「そうですわね、あの何という方でしたかしら?タジミール家に乱入された……」
ロレーヌさんが口元を少し拭って小首を傾げる。
「ええっと、確かエリーさんとかっていう隣国の方でしたかしら?」
リエネットさんが思い出しながらクスリと笑う。
「そうそう。そんな名前の方でしたわね」
「ノア様を追いかけてここまでいらしたんでしょう?行動力のある方なのね」
ロレーヌさんがそう言ったところで、騒ぎが段々近づいて来た。
「何?」
そういって振り返るとメイドを押しのけて、今正に話題に上がっていたエリー嬢が、顔を真っ赤にしてこちらに向かって来ていた。
「ちょっと、あの方噂のエリー嬢じゃないの?」
「えっ?何で?」
リエネットさんの声にミリエンヌは、嫌な予感しかしなかった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「見つけたわ」
彼女は黄色いフリフリのドレスで、一目散に私目掛けてやって来た。
「困ります!おやめ下さい!」
執事とメイドが止めるのも聞かず、振り払う様な素振りで足を早める。す、素早い!
「あなたまたなの?⋯⋯ここにはご招待されていない筈よ」
アンナさんがそう言った。
「あなたは確か、ノア様の亡くなったお兄様の⋯⋯アンナさんでしたっけ?」
「そうです。アンナ・タジミールですわ」
「ミリエンヌさんってどの方?」
私は状況が理解できず、咄嗟に声が詰まり返事が出来なかった。
テーブルを周りながら、近づいて来るエリー嬢をじっと見つめた。
後の二人が私を見つめたので、理解したらしい。
「私、あなたにご忠告があって参りましたの」
「忠告?」
「そう。彼の⋯⋯ちょっともう付き纏わないで、しつこいわね」
肘で止めに入った執事を強引に押しのけて、そう吐き捨てる。
「私の家の者に失礼です。彼らは仕事をしているだけですから」
「兎に角、話があるのよ!少し位いいでしょう?」
「何か言いたい事があるんでしょう、一先ず聞いてみましょうよ」
リエネットさんが声を掛けて、
「何かあったかしら、そんな事」
アンナさんがエリーさんに敵意を向けた。
「私は大丈夫よ。話を伺うから、席を用意して頂戴」
そう執事とメイドに声を掛けた。
急拵えで、席が一席用意された。
「それでお話とは?ノア様の事ですか?」
「そうよ、分かっているじゃ無い。なら察しも付いている筈よ」
「言いたい事があるなら、ハッキリ言って下さい。後ろめたい事は何も有りませんから」
「なら言わせて貰いますけど、ノア様の善意にいつまでも縋るのを、辞めて貰えません?」
「縋る?」
「そう。そんな風だから、婚約も破棄されて寂しいのは分かるけど、彼に迷惑を掛けちゃいけないわ」
「いつ私がそんな事⋯⋯」
「少し調べさせて貰ったの。確かに酷い事件で、ノア様が同情されたのも分かるわ。でもそんな優しさをいつまでも利用する様な真似は駄目よ」
知らない人が聞いたなら、その通りと言いたくなる様な言い方に、感心しそうになりながらも黙って言い分を聞いていた。
「あなた正気?」
アンナさんが口を挟んだ。
「部外者は黙ってて、ってあなたノア様の義姉でしたよね。あなたからも彼女に言って下さい」
「何を?」
「もう。何故この国の人は察しが悪いのかしら?ハッキリ言わないと無理?」
「私達、あなたの方が詳しい事情を知らずに、首を突っ込んでいるとしか思えませんわ」
ミリエンヌがキッパリ言うと表情が一変した。
「私の忠告を素直に聞いておいた方が身の為ですよ!あのね、ハッキリ言って邪魔なのよ!」
「そうですか、それはノア様がそうおっしゃったのね?私、ミリエンヌが邪魔だと」
「そうでは無いけど、察して差し上げる事も必要よ。調査によるとあなたが同情を誘って、随分呼び付けていたそうね。我儘でもおっしゃっていたのかしら?」
「意識が戻らなくてお見舞いにいらした事?心配してリハビリに付き合っていただいた事?」
「それで⋯⋯今、理解出来ました!やっぱりあなたは同情を武器に迫ったのね」
「私がさも同情を引いてとおっしゃるのね?」
「正にそうじゃない!」
「そういえば、毒をお飲みになって、ノア様を呼び付けられたとか。あなたはもう大丈夫ですのね」
「そ、それは⋯⋯私はいいのよ。ノア様とは親しい仲なのですもの」
「私は駄目で、あなたは良いという線引きが分かりませんわ」
「私は彼が傭兵時代からの間柄で、よく知っているの。彼、素敵だからよく勘違いされる方がいらっしゃるのよ」
「あなたがそうじゃないと言い切れますの?」
「え⋯⋯」
「そこにノア様の意思は?」
「も、勿論有りますわ」
「自信満々なのですね。じゃあ、ご本人に聞いてみたらどうかしら?」
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イライラしますよね、書いてて私もそうです!
今日はメンタルやられました〜こんな子本当にいたら、きっついわー!




