ディラン哀愁
うわーん!やってしまいました!
保存ミスからくる消滅!
思い出しながら書きましたが、二度と同じ文章は書けません。
時間も掛かって、トホホです。゜(゜´ω`゜)゜。
私は今リハビリの真っ最中だ。
ミリエンヌはすっかり萎えてしまった足をゆっくりと動かした。
「筋肉って使わないと減っちゃうのね」
そう独り言を呟くと、横からノア様の笑う声が聞こえて来た。
「余り無理をしてはいけませんよ、焦らずゆっくりです」
今日はこれからリハビリという時間に、ノア様が訪ねていらした。
そしてリハビリに付き合ってくださると言う。
思いがけない神様からのご褒美に、ミリエンヌは満面の笑顔で何時もより頑張って脚を動かしている。
ただ情け無い事に体力も落ちて、もう直ぐ18歳になろうかとする乙女が、少し歩くだけで息切れしてしまう。
医者によると、これはただ体力云々では無くて、あの毒の影響もあるのだろうと言う事だった。
「そうですよ、お嬢様。焦りは禁物です!」
ネネはそう言うと横から肘のあたりを支えた。
すると随分離れた所から、ディラン様が会話に入りたそうにしている。
でも何故毎日来るのかしら?
私は不思議に思っていた。
「そろそろお茶にしましょう」
そう声をかけるとテーブルには既にお菓子や茶器が並んでいた。
「さぁ、ミリエンヌ嬢どうぞお手を⋯⋯」
そう言ってノア様が支えてくださり、お言葉に甘えた私は椅子に腰を掛けた。
「ディラン様もそんな所に居ないでどうぞ」
そう声をかけると、一目散にやって来た。
この一件で、ディラン様の我が家での評判は地に落ちた、そして其れに反してノア様が急浮上している。
ディラン様も反省しているらしく、其れを大人しく受け入れている。
其れにしても⋯⋯とミリエンヌは思う。
「こう毎日来なくても良いのですよ。心配なさらずとも婚約は破棄しますので」
そう言うと、ディラン様の肩がビクッと動いた。
「いや、何だ。正式に破棄される迄は私が婚約者なのだから⋯⋯」
「そうですか、ではお父様に申し上げて、急いで破棄をして貰いますね」
「えっ!」
「そうですね、2、3日中には無事解消出来ますから、ご安心ください」
「いや、そう言う意味では無くてだな⋯⋯」
「大丈夫です。破棄してもお友達でしょう、絶交なんてしませんよ」
そう言うとディラン様は、下を向いてしまった。
変な人だなぁ⋯⋯ミリエンヌはてっきりそれを急かしたくて、毎日来ているのだと思った。
諸手を挙げられると、ムカつくけども粛々と進められると思っていた。
何か煮え切らない反応に、ふと思いつく。
「慰謝料ですか?それなら子爵家から払われましたので、ご心配無く!」
多分法外な要求を心配したのだろう。
そんなことはしないよ⋯⋯という意味を込めて、笑顔で言ってみた。
「プッ、ハハハハハ⋯⋯」
ノア様が突然笑い始める。
「どうかなさったのですか?」
「いや、興味深いね。ククッ、ああ、いやいや」
そう言って顔を少し逸らして、胸の前で手を振られる。
私は意味がわからなくて、キョトンとした。
「破棄される迄は責任があるから!」
ディラン様は顔をやや引き攣らせながら、語尾を強めて言われた。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
あれからまだ取り調べは続いているらしい。
ケイトリン容疑者は、まだ犯行を頑として認めずに、てこずっているという話である。
しかしながら、他の容疑者は犯行を素直に認めており、その裏付け捜査が行われている。
ただ、デライラの元夫の行方が掴めない。
あの実行犯達は、元々デライラの元夫が便利に使っていた、裏社会の人間だ。
多分元夫は、叩けば埃がわんさか出てくるのだろう。
元夫は危険を察知して、素早く結婚当時保険として書かせていた離婚届を提出。
商会を素早く畳み、息子を孤児院に入れる等して、行方を眩ませた。
それで現在、重要参考人として行方を探しているのだ。
ケイトリンが容疑否認でも、来週に裁判の日程が決まって、ミリエンヌも証言台に立つつもりだ。
「裁判がいよいよ来週に決まりましたね」
ノア様がそう言ってお茶を飲まれた。
「そうですね、家からは私とメイリンさんが証言しますわ」
「大丈夫?裁判ともなると君の負担が大きいのではないかな」
ディラン様も流石に心配して下さった様だ。
「気分が悪くなりましたら、控え室で休みますから大丈夫です!」
「そんな風に頑張るから、目が離せなくなくなるんじゃないか⋯⋯」
ディラン様の小さな呟きは、ミリエンヌによく聞こえなかった。
「何ですか?頑張る様に目を離さない?」
「はぁ⁈」
目を丸くしているディラン様がそこにいらした。
「大丈夫です。日日薬って言いますでしょう?アレ?使い方合ってるかな?」
ミリエンヌは首を傾げる。
「日日薬は兎も角、君は何でも無理をし過ぎだ。もっと周りを信用して頼ったら良いのに」
「わた⋯⋯」
途端に黙った私に、ディラン様は言い過ぎたかと後悔した顔をした。
「⋯⋯私、周りにそんな頼れるお友達が居なかったんですもの。ロザリンドの娘って陰口を言う方々にどう頼れって?」
「そ、その⋯⋯」
「いつも一方的に、親がそうだからって私もそうだと決めつける、色眼鏡を掛けている方々を頼れって?」
「そんなつもりは⋯⋯」
「ミリエンヌさん、ディラン氏はそんなつもりじゃ無いと思うよ。自分を頼ってくれって、お願いしているんだ」
ノア様が優しく言って下さる。
「そうなの?」
友人に関する事が、ミリエンヌにとって一番の弱点でもあった。
どんなに望んでも、相手がその気になってくれない。
自分も評判を落とすから、と言う理不尽な理由からだ。
それで随分と寂しい思いをしたのだ。
今現在の家族に支えられたからこそ、何とかここまで来る事が出来た。
心にポッカリ空いた穴を感じつつ、ミリエンヌは寂しくただ微笑んだ。
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