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私、偽善の魔女になるので探さないでください(仮)


【プロローグ】


帝国609年、8月26日。


───私、偽善の魔女になるので探さないでください。


その一文の置き手紙だけが、アルティ・ラマレイの消息の手掛かりであった。


【第一話】


アルティは街へ来ていた。

実家はそれなりの資産を持っていたので、お金は金貨一袋持って行ってもそうそうバレるものではない。しかも曲がりなりにも貴族という厄介な家柄なので、平民の服を手に入れるのも一苦労。婚約者も実家に置いてきてしまった。

だがそれも、もう終わった話。


「私はこの街で生きていくんだから」


独り言を呟いて、金貨の入ったリュックを背負って、アルティはギルドへ向かった。

こんな大きな町のギルドは、実家の小さな領地でいう、案内所兼市役所のようなものだ。


「うわっ…大っきいのね…」


ギルドはすごく大きな建物だった。それこそこじんまりとした城くらいの大きさがある。

だというのに長い長い列が、建物の外まではみ出していた。

アルティは列の最後尾に並ぶ。


「今日は僕らの番くるかな?」

「どうかしらね。雨が降らなきゃいいけど」

「一昨日は泥棒が出たって話だぜ?」

「そうよね。昨日はリザードマンが隣町に出たでしょう?」


すこし前の方で行列に並ぶ人達が話しているのが聞こえてきた。そういえば、ギルドは救助隊や配達、援軍や傭兵など幅広い仕事を切り盛りしていると聞いた。

所属数は多いが遠征が多いため、常に人員募集の張り紙が出してあると聞いていたが…本当らしい。

もっともどの道関係ない話だが。


「あの…」


長い順番待ちを経て、アルティは窓口にありついた。


「家を、探しているんですが」

「どのくらいの大きさの家でしょう」

「一軒家がいいです」

「あの、お客様?この辺りには借りるにしても一軒家しかありませんよ?」

「ああ…。なるほど。えっと、借りるんじゃなくて買いたいんです」

「はい、それでは…。え?はい?…あなたが?」

「ええ。小さくていいんです。人が住める広さがあって、燃えなければそれで」

「燃えない?」

「はい。できれば金属製がいいんですが。ありませんか?」

「ないですね」

「ああ…。ではレンガ造りとかは?」

「ありますけど、古いですよ。住めるには住めるけど、いつ崩れるか…」

「そこにします!」

「え?」

「私、そこにします!」

「あ、あのお客様?失礼ですが年齢は…?」

「ここのつです」

「では残念ですが…」

「お金なら!お金ならあります!」

「はぁ…どのくらい?」

「あのその前に金貨100枚の価値を伺っても?」

「はぁ…金貨100枚あったら町が買えちゃいますよ」

「あ!それなら買えますね、その家」

「は?」

「だから私金貨ヒャ…」


受付の兎人族の女性に私は口を塞がれた。


「へ?」


アルティはすごく良い対応でその家へ案内された。

レンガで殺風景で、築何十年だろうというような家だ。レンガも漆喰の間がかけていて、隙間風が凄そうだ。

しかも広さは鉄拐のキャンプハウス程度。私の力を持ってすれば住めないわけがないが、それにしても狭い。誰だろう、こんな狭い家を作った人は。馬鹿なのか?


「えー見積もりでこちらは金貨20枚ですが、18枚におまけしますよっ!」

「あの…」

「はい、なんでしょう!」

「その隣の家はいくらですか?」


アルティは隣の、青い壁色のレンガ造りの家を指差していった。

大きさも向こうのほうが倍近く広いように見える。


「すみませんが、人が住んでるから売れませんよ?」

「見積もりを聞きたいだけです」

「はい。ざっと金貨15枚ってところですね」

「築何年くらいでしょう?」

「あの通りから向こう側は一度リザードマンの襲撃で焼け野原になってるので、全て十八年になりますね」

「あの、それではどうしてこちらの方が高いのでしょうか」


随分間があった。

兎人族のお姉さんは目をキョロキョロさせている。


「ねえ」


アルティがもう一押しすると、兎人族のお姉さんは謝った。


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。本当は金貨5枚もしないんです。だけどお客様、お金持ちだから。しかも物価知らないし…」


こうしてペラペラと言ってくれるのでありがたい。

アルティは少しの罪悪感もなく、迷惑料込みで金貨3枚に買い叩いた。


「ありがとうございましたぁーー」


心なしかアルティは兎人族のお姉さんの魂が口から溢れているように見えるのだが、なにも言わないでおいた。

しばらくしてもあのままなら、お友達の悪魔さんが抜き取ってゆくのだろう。


「それにしても、お金って面白いのね」


アルティはギルド通りの家具屋で、適正価格で買い取ったベットに体を預けて呟いた。

指先でつまんだ金貨がキラキラ輝いている。


「一代で商人として真面目に働いて大成功を収めたひいお爺様には申し訳ないけど、出だし順調ってことでいいわよね。嘘つく獣人がいけないのよ」


貴族は獣人族全般を嫌うふしがあった。成り上がりで爵位を持ったアルティも6代目当主の次女としてそういった観念が身についている。


「そうでしょ?デルティー」

「はい、ご主人様」


アルティが初めて高等召喚魔法を成功させ、自分に似せた名前をつけた悪魔、デルティーはもこもこの小さな身なりをしている、紫の毛玉ぐるみのような生き物だ。


「あれ?死んでるんだっけ?」

「!!っ生きてますよ!」

「あらそう?まあどっちでもいいわ」

「ボクとしては全然よく…」

「デルティー」

「はっ!なんでしょうご主人様」


かわいそうにデルティーはアルティの元へ来た時若手の悪魔であったため、高等召喚魔法成功時の契約でアルティの支配力に耐えられず、逆らわない義務もろもろ強く辛い義務を背負ってしまったのだ。


「ごはん作っといて」

「はい。ご主人様。キッチンは…」

「なによ、悪魔なんだから食べ物の調達くらい自分でしなさいよね」

「は、はい。すみません。言って参ります」


ガチャン、という音がして扉が閉まった。


「デルティー」

「はっはい!なんでしょうご主人様?はぁ、はぁ」

「どうしたの?」

「全力疾走で食材を集めに行っていたので。はぁ、はぁ」


なので呼ばれたら必ず主人であるアルティの前に現れなければならない。


「悪魔なのに息切れするのね」

「そりゃ生きてますからねっ呼吸してますからねっしますよ、呼吸くら…」

「まあいいけど」

「い…そうですか。ああ、それでなんでしょう、ご用件は」

「忘れちゃったわ」

「わかりました。あ、今日のお昼はシチューになりそうです」

「えー?カレーはないの?」

「ご主人様。どこだと思ってるんですか。以前のお屋敷ではないのですよ?ボクの技術をもってしても遠い産地の香辛料なんて…」

「ああ。遠くまでやればいいのね?っテレポーテーション」


ポチャンと小さな音がして、呪文と共に、アルティの左腕の血の滴がデルティーの額に落ちて、デルティーの呪文が消えた。


「リソース」


傷口に染み込んだ血が集まって、傷口をなくした。


「さて。おあそびも済んだところで掃除するとしますか。でもその前に…ひと眠り…ふぁ…」


【第二話】


目が覚めたとき、腕に蟻が這っているのが見えた。

心地悪い気はしない。


「黒と紫は私のいろ。ふふふっ」


しかし不快にも腕を這っていた蟻は潰す。


「私、心変わりが早いの。あと2秒前に降りてたら生きていられたのにね?」


アルティはベットから起きて、その辺にいた蟻をホウキでかき集めた。


「…リメイク。人間になれ」


さっきしたように左手首を右の爪で掻っ切って、アルティは群がった蟻に血を垂らした。


「いち」

「に」

「さん」

「し」

「ご」

「ろく」

「なな」

「……ホウキで掃いて、生きてたのは七人。そう。まあいいほうじゃない?でも家が狭くなったから、一から五まで外に出て壁の補正してきて。七は内側から。六は部屋の掃除と見張り」

「「「「「「わかりました」」」」」」


七人の返事が聞こえたら、アルティはリュックを抱える。そして金貨を一枚取り出して、枕の上に置く。今朝100枚の金貨の入っていた小袋を袋ごと取り出す。

まだ痛みの残る左腕を掲げて、血を袋に垂らす。

……一滴…二滴…三滴…


「リメイク。私以外開けないように、開かないように」


クリーム色についた三滴の赤いシミは見えなく無くなった。アルティはどういう原理かは知らないが、袋に浸透したのを知っている。その証拠に袋の生地が輝きを持って、袋を床に落としても生地は破れることがなく、衝撃で中身がこぼれることもない。


「この部屋にないもの…広さ。あと、机と椅子と紅茶。そしてうーん、そうねぇ。六番、なにがないと思う?」

「はい」


六番は手を止めてこちらへ向き直った。

しかしそれ以上話す気配はない。

所詮人型になっても蟻は蟻。小さな脳で考えられるわけもない。聞いた私が馬鹿だったわ。


「じゃあ私、外へ出るけど見張りしなくていいわ。取られるものはないもの。仕事を続けておいて。あ、でもそうよね。いくら開けなくっても持ち出す人はいるかもしれないわ」


左腕の生傷は、よかった、まだ乾いていない。

しかし血が土の地面に滴った。


「リメイク。人間になれ」


地面を這う蟻を指で捕まえて、血が溢れ落ちた地面に押しつける。


「はち」

「いい返事ね。では8番。あなたは見張りです。他の私の従属者に構わず、誰かがここへ入ってきたら傷をつけなさい。ひとり残さず血の匂いがここに残るように。わかった?刺すのよ?」

「はい」

「ではなにで刺すのか言ってみなさい」


8番は、大きな八重歯を見せた。

蟻の歯は大きいけど、確かに大きいけど、貧弱な蟻に生身の物体は刺さないに違いない。


「そうね…。8番、手頃な石を拾ってきなさい」

「はい」


20秒かけて8番は戻ってきた。

手のひらの大きさの石。


「いいわね。シャワー…カット」


アルティはまだ治っていない左腕の傷口に直接石を当てた。

シャワーで石やこの石の近くが浄化される。

次にカットで石が鋭く尖ったものになった。黒曜石を意識したのがよかったらしい。


「8番、ここへ」

「はい」

「これで刺すのよ、侵入者全員を」

「はい」

「ふぅ…」


これで不安要因はない。


「じゃあ、行ってくるわね」

「「「「「はい」」」」」


8人分の声がして、アルティは街へ出た。

左腕の傷は放っておけば治る筈だ。これまでもそうして何度もやってきた。

利き手じゃないからそもそも傷口が浅いのよね。アルティは初めてその技を使ったときから手順をわかっていたような気がする。


「机、椅子、紅茶。あとは…」


欲しいと思ったものは全て買った。今お金を支払って、銀貨六枚が手元に残っている。

ちなみに紅茶がこの中で一番高かった。実家が紅茶の名産地だったから、机より高いとは思わなかったわ。世界の反対側は紅茶なんて高級食材とはほど遠いのね。

旅人のマルティによく聞いていたから、世界の反対側がどんなに武力優先の軍事国家なのかは知っていたけど、思っていたのとは全く違っていた。

思っていたよりずっと税金は安いし、ずっと物価は安い。ただ人だけがいない。


「あのぉー!どなたかいらっしゃいませんかー!」


ギルド通りの商店街を歩いていても、店主は店を放って寝ていたりする。

ガチャ

どこかで音がする。あ、あそこだ。商店街の路地、店の裏口。


「あれ?開かないぞ」


若い男性がドアノブをガチャガチャやっている。

ガチャ

心地よい音がして、鍵が開いたのだと分かった。


「あ、閉め忘れてたのか」

「どうしたんだ、テン坊主!」

「ああコウじいちゃん。鍵閉め忘れてたみたいだ」

「よくあることだな!ハハハッ!」

「だな!ハハハッ!」


随分愉快な人たちだ。家々は鍵を閉めないで外へ出かけても笑っている。犯罪を知らないような感じだ。


「あ!本だ!」

「おお、お嬢ちゃん」


しばらく商店街をぶらぶらしていたら、ショーウィンドウに飾られた分厚い本が目に入った。

別世界に自分の身近なものを見つけた喜びを表現して、咄嗟に叫んだのがいけなかったのか、店主が出てきてしまった。


「欲しいのか?」

「あ、はい…」

「そうかそうか。金は持ってるのか?」

「えっと…」


アルティが言い淀んでいると、店主は笑って言った。


「子供にはまだ早いよ。女には100年早いかな?来世になって軍功挙げて、大金持って出直してきな!」


なるほど。この世は金が全てらしい。

店主が私を嘲り笑いながら店の中に入っていくのをみて、ガラス越しに本を見ると、すぐ前に600010000-という数字が見えた。


「これが値段?さっきのトマロが2000-って手書きに書いてあったから、確かに大金かも」


まあ私には買えない額じゃないけどね。

なんて言いたいのは山々だけど、言わない。

仮にも魔女として、私は息を潜めなければならないのだ。

なにか必要なことがあったら、また何か召喚して男の人型にすればいい。


「あーそうだよ」


商店街からまたしばらく歩いた帰り道、アルティは突然呟いた。


「蟻よりディルティーよりもっと頭のいい話し相手が欲しい。ここにはばあやもマルティもいないし、時々仕事から帰ってきて2、3時間でいなくなるお母様もお父様もいらっしゃらない。何年かに一度顔を見せるお姉様もお兄様も叔父様もいらっしゃらない。これじゃあ毎日つまらなくって死んでしまうわ」


帰り道には他にもいろいろ考えていたのだ。

魔女としての身の振り幅とか、なんでマルティの代で魔女の遺伝子が覚醒したのかとか、はなかっから女は軍功を挙げられないと男は決めつけるのかとか、そういえばなんで人間より力のある魔女が身を潜めなきゃいけないのかとか、人間にニンニクやら火やらを教えたのはどこのどいつだとか、いろいろ。

だけどもう私は家に着いてしまった。

軒先のそこで嗅いでしまったのだ。

蟻の血の匂いと人間の血の匂いが混ざった匂いを。


「さーて、誰だろうね。私の寝床を探ったのは」


アルティは腕枕をして、左腕の傷口を右手で掻っ切る。


「リソース、嗅覚強化」


腕を伝い滴る血が、皮膚に染み込んで痛い。

しまった匂いがツンとした匂いに変わる。

痛みも和らいでいた。

左腕が人並みに傷の癒えないアルティは、のれんで包帯代わりに巻いて、傷口の匂いを嗅いで、意識的にその匂いを消した。

自分の匂いが混ざっていては追跡が難しいからだ。


「なるほどね」


8番はちゃんと仕事をこなしていたらしい。

3人分の人間の匂いがする。

金がとられていないあたり、盗人とも違う。何事だろう。私を狙ったのか?

アルティは空気中に漂う血の匂いを辿って道を進んでいく。

そこは奴隷商だった。


「ただの小娘と思って連れ去ろうってことか。なんほどね。さて、と。どうやって料理してやろうかな」


周囲をみまわして、人の出入りが激しいことを理解した。これなら容易に紛れ込める。そうアルティは確信した。


「男をひとり」

「私は若い娘」

「綺麗な顔立ちの女の子がいいな」

「あと、安い召使い」


窓口で召使いの服装の人、身嗜みの良い人、いかにもお忍びの人、小間使いに出されたようなよれた服の少年が注文を告げていた。

アルティは目立たないよう列に並んでみる。それでも人々の好奇の目はいくらかはこちらに向いていた。


「焦らなくともちゃんと対応しますよ」


窓口の反対側で目だけを出した黒い装束で対応する奴隷商人。

その衣装を見ているだけで気味が悪い場所だ。

まあ、地獄よりずっとマシだが。


「レディ、どうしたんですか?」


窓口の一つから、焦ったような声が聞こえてきた。


「私っ私ね!人を探しているのよ、ずっと探してるのに見つからないのよ、どうしましょう、どうすればいいか教えて、私っ私見つけられなかったら私っ…」

「レディ、落ち着いてください」

「私、私、」

「レディ深呼吸です」

「私…すぅ…私…。はぐれてしまったの。その子は小さな女の子なんだけどね、すぐどこかへ行ってしまうのよ」

「小さな女の子、ですね?」

「ええ。そうよ」


アルティはしめたと思って、列をすり抜けていく。なかへなかへと走って行って、血の匂いを追う。

会議室、らしきものだった。


「こっわ!先輩、こっわ!」


その隣から人が出てきたのでアルティは咄嗟にその場を離れる。


「なんで俺まで叱られなきゃなんねぇんだよ」

「仕方ねーじゃねぇーか。俺の相棒だろっ!」

「キッモ」

「なんだよぉ冷めてんな」


筋肉質な男たちだ。

アルティが人の足音がしないことを確認して、会議室へ行こうとすると、また人が来た。

今度は眼鏡の二人組だ。


「昇進の話かと思うんだがどうだろう」

「だっねありえねぇだろ」


ちょっとのからかい合いがあって、すぐ横二列に整列をする。


「「失礼します」」


お行儀の良い敬礼をして、部屋へ入って行った。

こうして会議室へ入ろうとするたび、人の足音がする。仕方ないのでアルティは血の匂いの主が出てくるのを待っていた。

さっき話していた眼鏡の人達が帰ってゆくとき話しているのが聞こえてきた。


「血の出ない人間だってよ、君悪りぃな」

「いるかもしれませんよ?彼らが嘘をつく人達とは思えませんし」

「じゃあ信じるのか?」

「いえいえ、ちょうどいいターゲットになるかなと。それにしてもなんで殺してしまったのでしょうね…」

「命からがらって言ってたろーが」

「しかし…」


私の蟻の家の話?あぁ目立ちたくないのに面倒なことになった。

アルティはそこで身を潜め、すこし考え事をする。

建物ごと壊す?それはちょっと血を使いすぎる。

人を皆殺しにする?いやよ、絶対騒がれるもの。

そうしてアルティはそこを離れた。


「ディルティー」

「は、はい、ご主人様。ちょうどいいところで。いま先住民の方々に襲われ、て…」


ディルティーはまた息切れをして現れたが、そこが見覚えのない場所であるとわかってしゃっくりをあげた。


「小袋を持ってきて。すぐに呼ぶから」

「え?ご主じ…」

「テレポーテーション」


口ごもっていたディルティーだがアルティの暴走には慣れっこなので、香辛料の袋を抱え直す。

左腕からまた血が滴ってディルティーは姿を消した。


「……」


アルティは部屋へ入っていく。


「ごめんください、ここの総長はどこにいらっしゃいますか?」

「ここだが、なんだい?お嬢ちゃん?」

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