魚の魔物が仲間になりたいと押しかけました
「ボディプレースー!!!」
体長2mほどの魚が宙に舞い
そしてドラゴンの上に落ちてきた
ドカ―――ン
大きな音と衝撃とともに大穴があき
その中心には腹の部分が凹んだドラゴン
「とおーっつ!!!」
上空から掛け声とともに魚が下りてくる
そして勇者の隣に舞い降りた
「やーやー見てくれなはったか?どうや?わいは強いやろ?…」
いきなり自慢をはじめる
しかし、あまりの光景に勇者と聖女と王女と聖騎士は声も無い
「なっ?いいやろ?わいも旅に連れてってくれや?力になりまっせ?」
売り込みを始めた
「あっ、いっ息がっ・・・み・み・みず」
ガクっ
魚がいきなり倒れた
「おいっ大丈夫か!」
勇者が駆け寄る
魚がガバッと起き上がり
「『みみず』ではないで?『みず』やで?」
ガクっ
また倒れた
勇者のこめかみに怒りマークが出てきて、コブシを握り締めプルプルしている
いきなり魚の尾びれの根元をつかみ、自分を軸にしてグルグル回し始めた
「せやっ」
掛け声と共に手をはなす
みごとに飛んでいった
マンガなら<キラっ>とか光っているでしょう(笑)
遠くの河に落ちて盛大な水柱ができる
「あのー、まずいんじゃないでしょうか?」
聖女が言ってくる
「「「あっ」」」
残りの3人が気が付いた
<<<勇者の特殊スキルで敵のダメージ100倍が適用されている(かも?)>>>
「やべっ」
そう言って勇者が走り出す
河の水面に白い腹をだしてプカプカ浮かんでいる魚がいた
「おい、大丈夫か!?」
叫んだ後、勇者が鎧を脱いで泳いでいく
片手で尾びれを持ち、片手で泳いでくる
さすが勇者
魚は300kgくらいはあるはずなのに軽々と引いてくる
「聖女様!回復を!」
「はいっ『ヒール!』」 【作者注:ハイヒールではない(ププッ)】
「・・・はあっ、死ぬかと思った」
「あーっそのーすまん!」
勇者が謝った
「助かったからええですわー、聖女はんのチチもむまでは死ねませんからなー、ハハハハハ」
聖女が両腕で胸を隠すようにする
勇者の怒りの鉄拳が振りおろされた