Eat-In
どうしてだろう?
僕の家には、フォークが落ちている。
どうしてだろう?
僕の家の、脱衣所には、常にフォークが落ちている。
拾っても、拾っても、次の日には、落ちている。
洗っても、洗っても、次の日には、落ちている。
服を脱いで、さぁおいで。
そんな感じの、きっと手招き。
何も隠さず、包み隠さず。
そんな感じの、いただきます。
あぁ、そうか。
僕はこのまま、食べられちゃうんだ。
だから今日も。
僕のおなかは、赤いんだ。
それはそれは、きっと、きっと。
赤い、という感じじゃなくて。
紅い、という感じよりは、銅い、という感じの色で。
さらさらよりは、少しだけ。
どろっとした、ゼリー状。
だから、フォークが落ちている。
あぁ、さぁ、こんばんは。
今日も、どうぞ、召し上がれ。
あったかい。
ごちそうさまの後には、そんな気分?
自分がごちそうさまされたら、どんな気分?
きっと、あったかい、なんて、余裕はない。
わかるでしょ。