幻と現の境界線
2時17分43秒---丑三つ時ちょい前---
今俺は結界に閉ざされた世界を探すべく、あるところに来ている
そう、ここは八幡の藪知らず。知っている人は少ないだろうが俺にとっては肝心な場所だ
一見ただの狭い竹藪に見えるが中身は意外にアレだ
この藪は昔から立ち入り禁止になっている。まぁ俗に言う禁足地ってやつだ
なぜ禁足地になったかというと実は分っていない
分ることは中に入ると妖怪に襲われ、出てこれなくなるということだけだ
すぐそばに市が置いた看板がある、そこには様々な説が書いてあったが所詮人間の妄想でしかない
だが妖怪が出ることは確実だ、だから一番活発になる時間、丑三つ時にやってきたのだ
あ、そろそろ丑三つ時になる
さぁ幻の時間だ
-----数週間前-----
ジリリリリリリリリリリ
鳥の鳴き声が聞こえる朝
一つの目覚まし時計が鳴り響く
「んぁ...もう朝か...」
この寝癖ぼっさぼっさで一人暮らしの少年の名は朝乃梨兎
漢字的には女の子らしいが気にしないでくれ| (本人も気にしてますので)
梨兎はジリジリと鳴り響く目覚まし時計を乱暴に止め、時計に目をやる
「もう10時か...あっ学校!...あ、今日日曜だった」
そして梨兎は朝からpcを起動しあるサイトを開く
「さぁーて東方人気キャラ投票の結果はどうなったかな?」
そうこの少年は完全なる東方オタクであった
中3の夏、某動画サイトで偶然幻想入り動画を見たのが東方projectとの最初の出会いであった
ちなみに梨兎は大学2年生である
本人は「今」の人生を楽しく思ってないようだ
いつも暇があったら家でパソコンを弄ってるせいか
「あちゃーメリーは34位で蓮子は36位か、秘封倶楽部の人気も落ちたもんだな」
秘封倶楽部好きなオタクである
「あーあ俺も秘封倶楽部みたいに幻想郷を探してみたいもんだね、てかそもそも幻想郷ってあるのかね、なんとんなくだけどあるような気がする」
ゲームの設定を信じてしまう残念な男である
「残念とか言うな」
ごめん
「てかお前誰だよ」
作者だから気にしないで
「うーい」
「俺も幻想郷探してみるか、でもどこから探そうか。博麗神社なんて名前の神社なんか聞いたことないし、、、、オカルトスポットでもパソコンで調べてみっか」
あったら作者も行ってます
-----少年ggr中-----
「おお、これは」
梨兎が開いたページはなんともオカルト臭いブログであった
「なんと、近場でよさそうな所があるではないか」
八幡の藪知らず
そう、彼が見つけたこの場所が冒頭のシーンに繋がる
「どうしようか」
丑三つ時に藪に到着できたもののすることが思い浮かばなかった
中に入れぬように石の塀に覆われている
入ろうと思えば入れるが小心者の梨兎には無理だろう
「うるさい」
「とりあえず周りをうろうろしてみようか、てか結構不気味だな。昼間は人通りが多いそうだけど街頭のせいか余計不気味に見える」
そうここは周りが住宅地に囲まれてて昼間は人が多いのだ
ガサガサ
音と同時に赤い目が一瞬見えた
「!?今何か!!」
突然藪の中から何かが動く音がした
「チクショー確認するには入るしかねーか...」
梨兎が石塀に手を掛けたその時
「何をしとるんじゃ!!!!」
後ろにお爺さんが立っていた
「うっうわわわわわ!!!!!」
「ここは禁測地じゃ!早く気を失せろ!」
「すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
梨兎は思いっきり走り、なんとかスクーターに乗って逃げた
「はぁはぁなんだったんだあのお爺さん、なんで入ろうとしたのがバレたんだ、それにしてもなんだったんだろうあの赤い目」
梨兎は確信していた。あの赤い目はただの獣の目では無かったと
「とりあえず家に帰ろう」
梨兎は安物のスクーターでスピードをだして帰っていった
帰宅
「なんであんなとこにお爺さんが来たのかな、しかもあの時間帯。あ...もしかしてあのお爺さんって...幽霊?」
「んなまさかあり得ないよな...いや、幻想郷があるなら幽霊がいてもおかしくないか。幽々子も幽霊だし、でも楽しかった」
「今度はどこに行こうかな」
気が変わるのが早いのである
「そうだ、蓮台野に行ってみよう。あっ遠い...」
梨兎は幻想郷を探すことによって人生がちょっと楽しくなったようだ
この小説を読んでいる君も幻想郷を探してみないか?
見つからなくても案外探すのは楽しいもんだ
間接的にでも幻想郷は見つけられるかもね
それとも梨兎みたいに、君にとっての人生に大事なことを見つけたり
-----------終-----------
梨兎君が見つけた人生で大事なこととは?