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白百合の君  作者: 九月
第三章 16歳の私 〜ディプトリス学園魔法学科1学期〜
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ディプトリス学園。3

セントさんに言われた通り、分かれ道を右に進んで行くと、恐らく多分女子寮が見えた。



一言で言うならば、そう、うん。積み木だな。


真四角のしかし大きさは全て異なるクリーム色の何十個にわたる箱がまるで乱雑に積み上げられたような建物だ。箱が向いている方向もバラバラ。それぞれ箱の側面には四角の窓がついている。



変わった形の寮だな。



箱の中でも恐らく今見ている中で1番大きな箱が私の真っ正面にある。



その箱には大きなガラスがつけられていた。


前に立つと中がしっかりと見える。

どうやらロビーのようだ。そこの左右には大きなソファが置いてあった。結構な人数が座れるだろう。



ガラスには切れ目がない。この学園にはとってや、ドアノブという概念が無いのだろうか。いや、やはりさすがディプトリス学園と言うべきなのだろうか。ブレスレットが全ての鍵になっている。セントさんに言われた通り、鍵はとても大切だ。これが無ければ、どこかに入ることもできない。鍵の重要性に慄きなぎらも、ブレスレット一つでかなりの高い防犯性を持っていることと、複雑に編み込まれた魔法のすごさに感心する。



一見すればただのガラスに過ぎないが、よくよく見てみれば、複雑に重なり一種の模様のようになってしまっている魔法陣が見える。強度の魔法、防犯の魔法様々なものがガラスに書き込まれている。



またまた同じようにガラスの中央にブレスレットをかざすと、ガラスに唐草模様のようなものが金色に輝きながら現れ、消え、ガラスに縦に切れ目ができ、左右に分かれた。



一応言っておくとブレスレットにも複雑に編み込まれた魔法陣が書き込まれている。このブレスレットには私の魔力が編み込まれているので、持ち主ではない人物がこれを腕にはめると、ブレスレットが魔力を読み取り、持ち主では無いと判断し、腕を締め付けて外せないようにし、学園側にはめた人物の情報が行き渡らせ、発信信号を発するそうだ。だから、ブレスレットが盗まれても検挙率は100%らしい。



ガラスの扉の奥、真っ正面には、焦げ茶色の扉がある。階の移動装置だろう。初めて見た。



目の前に立つと自動で開いた。



中はとても広く、まるでひとつの部屋のようだ。前にも左にも右にもあの焦げ茶色の扉があることから四方から乗ることができるし、降りることができるのだろう。




ブレスレットがまた光輝いた。



ガコンッという音と共に浮遊感を感じた




…チンッ




そんな音と共に真っ正面の扉が左右に開いた。




目の前には私のネクタイと同じ色合いの絨毯が敷かれた廊下とドアが並んでいた。



移動装置を降りて、私の部屋を探す。




ある、ひとつのドアの前に立つ。



アリエル・サーシス



茶色いドアに私と恐らく同室者の名前が書かれていた。



ドアノブを握るとガチャリと鍵が合いた音がした。



ゆっくりと扉を開く。



もう同室者の人は部屋にいるのだろうか?


下を見ると、玄関には私と同じローファーがきちんと揃えられていた。


恐る恐るリビングに向かう。



同い年の女の子なんて初めてだ。

友達になれるだろうか?

仲良く生活をして行けるだろうか?

ドキドキと胸が鳴る。

大人びていると言われる私だけど、こんな時には年相応だなと第三者的に考えている頭の中の私が言う。



ドキドキと不安な気持ちで胸の中がいっぱいのまま、リビングへ向かう扉を開いた。



ガチャリ____





扉を開いた先には、腰まである桜色の髪に、薄黄緑の大きな瞳の可愛らしい女の子がキョトンとこちらを見ていた。

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