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白百合の君  作者: 九月
第ニ章 10歳の私
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エルリアの独り言。1

「さぁ、着いた。」




ガラガラ鳴る馬車の進む音が止まり、お父様はこちらを見て微笑んだ。



「さて、エルリアはここで待っていなさい。髪の毛は帽子に入れてしっかりがぶること、分かったね。後、カーテンは閉めておくからめくったらダメだよ。」



そんな言葉を残してお父様は馬車から去っていった。




…………まだ心の準備が出来ていない私を一人残して。





いや、一人というのには語弊がある。私の警護のために実は傭兵が前後に二人ずついる。



まあ、そこはいい。私の家は公爵家だ。今この状態が格好のカモだというのは重々承知している。警護は万全で有るべきだろう。




お父様に言われた通り、帽子から出ていた私の髪の毛を全て入れて深く帽子をかぶる。私の姿は誰にも見られてはいけない。一応結界のようなものをはって中のようすは絶対に見えない魔法がかけられているそうだが、用心するのに超したことはない。



私の姿は秘匿にされている。元々病弱だったせいで、世間一般に、『ヴィルヘルム家の次女はたいそう病弱だ。』というイメージがついてしまった。まあ、その噂を煽りまくったのが家族だが。そのお陰で簡単に外に出られなくなり、実を言うとこれが私の初めての遠出だ。




初めての遠出で、かなりシリアスな用件がやってくるとか…。私は外に出ない方がいいかもしれない。




と言っても、別に家族は私を監禁したいわけではない。私の魔力はあの頃に比べたら断然コントロール可能にはなってはいるが、実はまだ平均よりもかなり高い魔力を私は持っている。いつどんなときにコントロール不可能になるかが分からないので、念のため私は領地から出ないようにしている。他の人に危害を与える可能性は出来るだけ低い方がいいからだ。それに、病弱だと周りに吹聴しておけば、いらぬ詮索はされないし、面倒なパーティなどのお呼ばれも上手く断ることが出来るので、家族はこの噂を煽ったということだ。…………そういう理由だと私は思っている。うん。




ついでに言っておくと、この国、エスタルリア帝国は実力主義だ。古い昔からの伝統として貴族が存在するだけで、貴族だけに権力が集中しているわけではない。努力すれば、平民でも国の中枢部で働くことができる。例えるならば、宰相にだってなれるのだ。



貴族の爵位をを持っている家は大体が古くからの名家だというだけだ。罪を犯せば当然爵位は剥奪される。まあ、でも持っておいて損することは絶対にないと言えるものとは言える。古くからの家柄なのでやはり、お金はかなり持っている。貴族に産まれた特権はそれだろうか?



他なら人脈とコネクションを持てることだろうか。私は一切出ていないが、貴族だけが出席出来るパーティは多くある。必然的に位の高い人達と仲良くとまではいかなくとも顔見知り程度には最低でもなれる。そうなれば何かと好都合だ。人脈は持てるなら持てるだけ持っておくべきだ。手札は一枚でも多くある方がいい。と、私は思うのだけれど…………




私の家族はほとんどの招待を断っている。お姉様は、『あんな面倒なもの行く人達の考えが分からないわ。それなら、エルと一緒にいる方が何万倍も楽しいもの。』と言っていたし、お兄様は、『剣の修行をしている方が何倍も有意義だよ。それ以上にエルといる方が有意義だけどね。』と微笑んでいたし、両親も、『エルリアは何も気にしなくて良いんだよ。面倒だから放っておきなさい。私たちはエルリアとおしゃべりする方が、大切なことだからね。』と言っていたし……………。





パーティは必要ないな。


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