事件の真相。
「……ちょっと、ちょっと待って、お父様。
なかなか重たい話だし、色々聞きたいことはあるけど。まず、おかしいところが1つ。ラークイン子爵家の事件なら私も聞いたわ。でも、その話なら、ラークイン子爵の一家は火事で亡くなったと。」
お父様の最後の言葉に息を呑んで、一瞬意味を図りかねたが、疑問ばかりが溢れてくる。おかしい。おかしい。どう考えても火事が原因立ったはずだ。
確か、その日は豪雨で、雷が出火原因だとアーリアが言っていた。家の屋根に雷が落ちて火があがったと。
「ああ、火事は『原因』ではなく、『結果』としてそうなったと言うのが正解なんだよ。
」
お父様の顔は真剣な表情だった。その表情から嘘はついてないと思った。そうなると、益々意味が分からなくなる。たった11歳の子供が人を、ましてや自分の家族を殺すことなどあるだろうか。火事ならまだ分かる。不運にも逃げ遅れたのだろうと思う。なら、やはり、その子が_____?
「シア君はね、魔力の暴走をおこしたんだよ。その日、どうやらラークイン家に泥棒が入ったらしくてね、シア君は殺されかけたらしい。その恐怖から、元々多かった魔力を上手くコントロールする事ができなくなって…というのが真相だ。シア君は雷の魔法が得意なんだそうだ。暴走した魔力が雷となって家を燃やしたらしい。」
ゆっくりと私に言い聞かせるように話すお父様。私はその子の悲しみがどれ程かと胸が痛んだ。魔力の暴走。それは事故と周りからは呼ばれるものだけど、その子にとっては自分が家族を殺してしまったのも同然だ。
「エルリアの熱も一種の魔力の暴走だった。だからこそ、エルリアはその辛さを知っているだろう?だから、エルリアに頼んだんだ。シア君の友達になってほしいと。」
その言葉を聞いて私は全てを理解し、納得した。お父様が私にその子を頼んだ理由は。しかし、私はただの熱だ。確かに死にかけるほど辛かったし苦しかったが、その子とは次元が違う。比べることさえおこがましい。
…友人何てなれるかしら?
前途多難なイメージしか湧かず、私はため息をついた。
窓の外は街からうってかわり、平野が続く、農地が広がっていた。
私の心とは裏腹に空はただ青く澄みきっていて、雲ひとつ無かった。




