いてもいなくてもどっちでもいい会議
御堂筋線難波駅。
この朝のラッシュは好きなれない。
特にこの大阪のラッシュは中途半端だ。
東京ほどぎゅうぎゅうづめではないが、適度に体がぶつかり、足を踏まれる距離。
どうせならもっと徹底的に詰めてもらったほうが余計なことを考えなくて済むのに。
身体が曲がほど詰め込まれる方がよっぽど楽だ。
いつも思う。
会社に行くことなんて考えたくもない。
どうせ行っても昨日と同じ毎日が繰り返されるだけだ。
朝、会社に行き、繰り返される会議に時間を潰し、そして残業して帰る。
ただそれだけ。
学校に行っているのと変わらない。毎日。
朝8時55分。ほぼギリギリにオフィスに滑り込みタイムカードを押す。
いつまでこの打刻やらせるんだと思いながらも社畜は無言で従う。
『朝は、営業会議か...』
会議は嫌いだ。
いつも喋る人が決まっており、意見をする人も決まっている。
下っ端の俺は何か発言権があるわけでもない。
昔はやりたいことがたくさんあったから
あれしようこれしようと手を挙げていたが
いつも「それはいいから数字をなんとかしろ」と言われてきた。
手を挙げても意見が拾われないのならば
その意見に何の意味があるのか。
次第に俺は意見を言うのをやめた。
今は、会議中、ずっとスマホを眺めている。
この小説を書いて、俺の物語を前に進めている。
会社での俺はもう死んでいる。
というか生きるのを諦めたんだ。
「おい、剛、聞いてるのか!?」
田中部長が俺を名指しで呼んでくる。
「(聞いてねーよ)」と思ったが、『はい、もちろん聞いています。』と嘘をつく。
「ほんとか?スマホ弄ってなかったか?」
「いえ、議事録アプリを操作していました」と嘘アゲイン。
「ふーん」どうやら部長は納得いかないらしい。




