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小説なんて、消えてなくなれ  作者: 綾高 礼
第五章「本当の小説」

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後書き


 戦闘、終了。

 さて、こうして先陣を切らせて頂いたが、後書きに何を書こうか。これといった適切な言葉を思いつかない。

 だからと言ってこんなことを述べるのはとても情けないのだが、この世界ほどに文字や言葉で表現できて、表現しきれない世界もないのだ。

 なので適当に言葉を残していくが、それをどう思い、受け取るのかは貴方様に任せます。


 ――結局の所、この世に小説で救われている人もいれば、殺されている人もいる。


 小説とはなんだろう。

 必要とする人もいれば、必要としない人もいる。

 売れる小説もあれば、売れない小説もある。

 読まれる小説もあれば、読まれない小説もある。

 どちらにも正義はなく、悪もない。

 本当に? 

 笑わせる。笑わせすぎて笑わせる。

 笑止千万! 失笑噴飯! 愚問愚答!


 失敬。つい駄作からの解放に喜び、我を取り乱してしまった。

 前書きのような失態はこれ以上お見苦しいかと思い、ここからは少しだけ真面目に言葉を残すとしよう。

 では、これにて終演とする。


 ――遠い、遠い過去から近代を経て今現代にまで至り、更にこの小説を読んでいるのであろう未来の貴方様に向けて――。


 誰かが小説を書くこと。読むことの喜び。

 苦しみ、悲しさ、怒り、哀れみ。

 そして無限の楽しさを感じているということは、きっと貴方様が『命ノ小説』を書き、きっと貴方様が『心ノ読書』で繋いでくれたお陰だと思っております。

 永劫、その尊い気を大切にして下さることでしょう。

 だが一つ、我々には忘れてはならないことがあります。


 ――それは、人類にとって『小説』は不要であるということを。


 元来小説などなくても人と人は、純粋無垢に心と心を通わせることが出来る。畑を耕し、見知らぬ人に食物や水を分け与え、手を繋ぎ合い、神に祈りを捧げ、眩しい太陽が子供たちの煌めく笑顔を照らす。

 本当はこれ以上持ちつ持たれつの関係なぞ、心底ごめん被りたいのです。


 一つ、貴方様に聞きたいのですが、人類は他者の心理や道程などを楽しめる『心』を持ち合わせていてもいいのでしょうか?

 それが創作なら許されて現実なら許されないのか。

 私にはその答えが未だに分かりません。

 それが『良いこと』とか『悪いこと』なのかは、決めるべきではないのかもしれません。

 このまま『世界』とか『人間』とか『虚構フィクション』とか『事実ノンフィクション』を書き続けた先に何があるのか。進み続けた先に何があるのか。

 分からない。だからこれからも自分の筆を走らせることしか私にはできない。

 もし貴方様も何かをお想いなら是非とも今日から筆をとってみてください。

 何かが変わるかもしれません。


 人は人の上に非ず 他人を比べるなかれ 

 心に愛を 母なる大地に接吻を 


 静謐や 風葉が踊る 華の舞


 空仰ぐ処に天の川 

 輝く星と照らす月 

 ここ一切に善悪非ず


 頭を垂れて 祈り愛さん

 汝 心の幸あらんことを


 これにて小説、不要なり。


 だがどうか安心して欲しい。

 活字を愛する者も、そうでない者も、いつだってその時代の『在り方』に悩まされるモノなのだから。

 だからいつの文明、いつの時代、どこまでいっても小説は、


 ――『小説』なのである。 


 喜ビ喜ベ 楽シキカナ


 これにて小説、不滅なり。


 では畏敬と感謝の切実な想いを込めて、この言葉をもって締めくくるとする。


 ――小説なんて、消えてなくなれ 



 七期生 『文豪』 

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