第十四話 サンタクロースからの大きいプレゼント
しばらくすると、ふっと二人の少女がまた先ほどと同じ場所に現れた。少女たちの背丈と同じくらいの、大きな白い袋とともに。
「これが大きなプレゼントです。誰か代表の方、開けてくださらない?」
白髪の少女が辺りを見渡す。すると、子供たちも大人たちも、シノルとシリカに視線を向ける。二人の少女も二人を見た。シリカもシノルもしばらくその視線の意味に気づかなかったが、やがて、
「えっ、私?」
「俺?」
と、異口同音に自分のことを指さしながら言った。そして、隣を見て、
「貴方でしょ⁇」
「お前だろ⁇」
とこれまた異口同音に互いのことではないかと勘繰った。
それを見て、最初金髪の少女がこらえきれなかったかのように声を上げて笑いだし、白髪の少女もそれにつられてくすくすと笑いだす。やがてその笑いの波は皆に伝わり、皆が笑い出す。二人の夫婦コントのような会話が面白かったのだ。同じことを考え、同じような仕草をする二人が。
恥ずかしくなり黙り込んでしまった二人だが、やがて立ち直ると、じゃんけんをした。シノルが負け、シノルが袋を開けることになる。シノルはごくりとつばを飲み込み、袋を縛っている紐の片方の端を持ち、しゅっと勢い良く引いた。リボンが崩れ、紐が引き抜かれて袋の口が開いた。すると、何が飛び出したか。
———たくさんの小動物と、小さなタワーであった。
小動物はウサギやリス、小鳥、小さな犬や猫、ハムスターやネズミなど、本当に小さなおとなしいものばかりだ。皆人懐っこいようで、村人の足元に駆け寄っている。この村に愛玩動物なるものは存在せず、家畜が基本であった。皆が呆然と見つめる。そんな中、金髪の少女が寄ってきた鳥を腕に留める。
「それらをペットにすることができますよ。ペットというのは暮らしに彩りを与えてくれる、癒しの存在です。この村には豚や牛など、使用対象の家畜しかいなかったようなので。一番初めは小動物から始めるのが良いかなと思い、小動物の皆に来てもらいました」
金髪の少女が丁寧に説明している間に、子供たちはお気に入りの動物を見つけたようだ。皆思い思いの動物を抱えて自分なりの愛情表現で動物たちをかわいがり始めている。大人たちの中にも気になる動物をめでる者ができ始めた。シノルは犬、シリカは猫とリスが気に入っていた。白髪の少女は隣に立っているツリーに手をかけた。
「そのタワーはこの村のシンボルとしてふさわしいものだと思いました。しかし、最初から大きくしてしまうのはいかがなものかと思い、小さいものにしてみました。小さいものでしたら広場に飾っても邪魔ではないでしょうし、その後だんだんと大きくすることが可能です」
白髪の少女はタワーについて説明した。職人たちが気になるようで、近くの大人にペットを持たせながらタワーを見分し始めている。少女たちはその様子を嬉しそうに微笑みながら見ている。この情景は、彼女たちが思い描いたものなのだろう。皆が笑顔になり、楽しみ、結託している。この村の仲の良さがさらに増した。
「サンタクロース様」
シリカは頃合いを見計らって少女たちに声をかけた。金髪の少女が振り返る。ちら、とシリカは昨日少女たちに渡された紙を見せた。金髪の少女は納得したようにうなずいた。そして、白髪の少女に耳打ちする。白髪の少女は予想していたのかさほど驚くこともなくうなずき、暇を告げた。そして、二人はシリカを教会の中へいざなう。
サンタクロースさんが大きいプレゼントをくれましたが、中身はなんとペットたちとクリスマスツリー! サンタクロースさんはまさに革命を起こしましたね。さて、白髪の少女と金髪の少女の正体が明らかになりそうです。




