91話 妖精さんと探し人
それからしばらく、聞き込みをしながらミイラ男を探し続けましいたが……
「手掛かりなしだな」
どこにもいませんでした。
厳密にいうとミイラの目撃情報は山ほどあったのですが、該当するミイラが見つからなかったのです。
ミイラ男が見つからない代わりに、殿下が祭り当日にも来てくれるもんだから、試食品だけが手元に増えていきます。
今食べているのは焼き芋です。
「2人で探すには限界ですかね……会場にいるかどうかも怪しいですし」
「広場の外出てたらアウトだな……」
うーんと悩みながら、さっきの店でもらった焼き芋を頬張る私たち。
本来なら、食べてる場合かとツッコミを入れられるべきなのですが、焼き芋の前でそんなツッコミを入れる野暮な人間はいなませんでした。
そんな時
「オーナー」
どこからともなく声が聞こえてきました。
声の主は複数人の妖精たちでした。
妖精たちは枯葉に乗って飛んできたようです。
「あら、あなたたち」
「やっと見つけたー」
「我らもお手伝いするです」
どうやら、飛び出した私たちを彼らは追いかけてきたようです。
「整理券の方はいいのですか?」
「人手足りてるです」
「皿洗いから戻ったらあぶれたです。」
「暇です」
「お手伝いきぼんぬ」
確かに整理券を配ったり、呼び出したり配ったりというのは大仕事ではありますが、そんなに人手は入りません。
少なくとも今さっきの噴水前妖精ミュージカルに参加していた妖精全員の手は入りません。
何かを手伝いたがる妖精が、あぶれたらこちらを手伝おうとするのも納得です。
しかし、人探しといっても、どんな姿なのかわからなければ意味がありません。
「じゃあ、この中で東の国の王様見たことある人手をあげてください」
そう問いかけると、東の国の王様のことを知っている妖精たちが『はーい!』と元気よく手を上げます。
意外にも東の国の王様の子をと知ってる妖精が多数。
そういえば、この前の晩餐会にもたくさん参加していましたっけね。
殿下が手を上げた妖精の人数を指さしながら数えます。
「ちょうど半分だな」
「数は十分ですね。」
「オーナー質問です!」
「何ですか?」
「東の国の王様も、仮装しているでありますか?」
「殿下がいうにはミイラ男だそうですが」
「ミイラ?」
「ミイラにもいろいろあるですが」
妖精たちの指摘はごもっともです。
一口にミイラ男と言ってもがっつりミイラの格好してる人から、服を着ている人から、髪だけは出してるとか、目だけ出してるとかいろんなパターンがあります。
「殿下、どうなのですか?」
「うん、全身包帯だらけだ。目の色はわかるかな。」
「よく異国の王様をそんな格好でうろつかせましたね!!」
「本人がやりたいって言ったんだ、ノリノリだったぞ」
ノリノリなんですか……だからと言って許していいのやら。
全身黒タイツで歩いてるようなものですよ?
安全面にも問題あるでしょうに。
「ノリノリなのはいいですけど……やはりそれじゃあ見つけようが……」
「でも黒目は見えるのですか?」
「おぉ、目はバッチリ見えるぞ。」
「なら大丈夫です」
「黒目はレアなので」
「いけるです」
頼もしい妖精たち。
まぁ、そういうことでしたら、遠慮なくお願いしてしまいましょう。
「じゃあその人たちは、手分けして王様探してきてください」
「はーい」
そして東の国の国王様を知ってる妖精たちは、蜘蛛の子を散らすようにバラバラに散らばって、探しにいきました。
さて、残った半分の妖精たちはどうしましょうか。
お手伝い拒否すると、さっきのように絶望の眼で見つめられたら困ります。
なので、残りの妖精たちには、無難なお願いをすることにしました。
「残りの人たちは、とりあえず年配の白髪で黒目の人がいなかったか聞いてまわってください。」
「りょーかい」
お手伝いができれば何でもOKな妖精たちは、そういうとまた散らばっていきました。
「人手はなんとかなったな」
「まぁ、全面的に任せられるかは微妙ですけど」
見つけられたらラッキーくらいに思っておきましょう。
「オーナー」
そんなことを思っていると、残った妖精3人から、声をかけられました。
「あなた方、行かないのですか?」
「いきますですが」
「確認したいことがありまして。」
「何でしょう」
「「「ホウレンソウした?」」」
それは予想外の質問でした。
妖精JE「ここまでよんでくれて、ありがとうもろこし!」
妖精JS「もし面白ければ評価お願いいたちごっこ☆」
妖精JK「ブックマーク、お星様、感想、レビュー、なんでもおけまるすいさん」
妖精JC「もしもらえたら、我らが小躍りします٩( 'ω' )و」
妖精JD「よろしくです〜」