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【第1章】濡れ衣令嬢の平民ライフ
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4話 妖精さんと出会うまでー濡れ衣と婚約破棄の巻ー

「この女が、妖精の悪戯に見せかけて、私のアクセサリーを盗んだんですわ!」



冒頭と内容は少し被ることはご容赦いただきたいのですが、


きっかけは私の住むお屋敷で行われたお茶会で、伯爵令嬢のエクレア・アプリコットから、こんな告発がされたことでした。



現場は阿鼻叫喚。


そんな覚えのない罪を突然言われてもとその時は思ったものですが、なぜか私の部屋から彼女のアクセサリーが見つかったせいで、私の盗難疑惑は確信へと変わってしまいました。



「違います!私……盗んでなんかいません!」



と、当時デビュタント直前12歳の私は純真で、まっすぐにお茶会の参加者に訴えかけましたが……あまりにも状況が悪かったのです。


私が盗んだと濡れ衣を着せている彼女は伯爵令嬢、私が子爵令嬢。

これだけで真実がどうであれ、これだけでどちらの方を持つのかというのが決まってきます。


たった1つ爵位が上なだけなんですけどね……1つ違うだけで貴族社会では大事なのです。


それだけでも分が悪いのに、私がアプリコット伯爵令嬢からアクセサリーを奪う動機が存在してしまったのです。


泣き喚く彼女の方に手を乗せて宥めているのは、私の婚約者トルタ様でした。

そして私を睨みつけると……



「ノエル、何年も日照り続きのせいで、領地の作物が育たず収益が得られず、貧困に喘いでいるのは理解している。しかし、だからといって、他人のものを盗むというのはどういうことなんだ!君は心まで貧しくなったのか!」



彼なりにアプリコット伯爵令嬢を守ろうとして言っているのはわかるのですが、婚約者を守らないどころか大勢の人の前で辱めを受けるような状況を作り上げるのも如何なんですかね。


ほら、周りの参加者が、ヒソヒソと話し始めたではありませんか。


というより、いつのまに仲良くなられたのです?あなた方。


確かに、婚約者様が言った通りの状況、さらに父は打開策として、何か事業を起こそうとしたのですが、領主としての知識はあっても事業主としての知識のない父のやることが成功するわけもなく、領民からのバッシングが相次いでいる、最悪なタイミングです。


この日のお茶会も、一応『心配しなくてもウチでお茶会主催する程度には裕福です』『でもよければ事業の融資してください』っていう見栄と魂胆が隠しきれていないのです。


幸いパティシエの腕がいいおかげで、出されたお茶とお菓子はクオリティーを保てましたが……それ以外はお粗末で……家具も結構ボロいですし、屋敷は修理できてなくて結構ひび割れてますし。何よりドレスやアクセサリーが質素かつ流行のものではないのでダサダサで……使用人も少ないし……ギリギリですっていうのはバレバレ状態です。


この状況で、私の部屋から宝石の埋め込まれた彼女のアクセサリーが私の部屋から出てきたら、もう何を言っても信じてもらえなくて当然ですよね?


この状況で私にできることといえば、証拠も何もない状態で『自分じゃない』と言い続けることだけ……まぁ、そんなことをしたところで胡散臭さが大きくなるだけで……



「ノエル、君の家の事情は知っているが、他人のものを……それも友の物を盗むなんて、言語道断だ!」



そして婚約者様は私にビシッと指を刺して、こう言いました。



「君との婚約は破棄させてもらう!」



ということで、婚約は破棄されてしまいました。



今は前世の記憶を思い出したこともあり、『あーはいはいそうですか』くらいにしか思っていないのですが……


当時は思春期真っ盛りのと年相応の女の子。

多感な時期にこんなことになって、泣かないはずがありません。



お茶会に参加していたみなさんが帰った後、屋敷の庭のテーブルで一人ワンワンと泣いていました。



「お嬢様、お菓子でも食べて気を休めてください」



私の背中を撫でながら、使用人のマルガリータがそう言って慰めてくれました。

そして少しでも心が落ち着くようにと、はちみつ入りの紅茶と、焼きたてのクッキーをいっぱい持ってきてくれて、机に置いてくれましたが……


いくらスイーツ好きの女の子でも、失恋の痛みは食べ物では癒せません



「お菓子なんかいらないわよ!一人にしてちょうだい!」



そう言って彼女を怒鳴りつけると、また突っ伏して泣いてしまいました。


マルガリータは、流石に手がつけられないと判断し、申し訳なさそうに頭を下げると屋敷の中に戻っていくのだった。


こうして望み通り一人になってのですが、望みが叶ったところで気持ちが落ち着くわけもありません。



「う…………うわああああああああああああん」



むしろ悪化しました。


私はクッキーが置いてある机に突っ伏してわんわん泣き続けました。



「何が妖精のいたずらよ!!そんな言い伝えがあるから、利用する人間が出てくるんじゃない!!」



この国には妖精がいる。

妖精は恥ずかしがり屋で姿を見せない。

だからお目にかかれることはとても稀。


でも時々いたずらをしに家の中に入ってくる、それは幸運を運んできた証拠。

ものがなくなったら、草むらをかき分けてみて。

妖精に会えるはず。


子供の頃から何度も何度も聞かされてきたこの話。

妖精に会いたくて何度も草むらを探したけど、会うことはできなかった。


全く……何が幸運よ……

そんな話があるせいで、言い伝えを利用して不幸になっちゃったじゃない!



「妖精がいるなら出てきなさいよ……!うわああああああああああ!!!」



そんでもって今からでも幸運を運んできなさいよ!!


そんな絶望しきった私は、自暴自棄になって表でも裏でも妖精に対して文句を言い続けました。


もはや八つ当たりレベル。

妖精は何も悪くない。


それでも何かに当たらなければ、やってられなかったのです。


どうせ会えないなら、文句言ってもいいじゃないか……そう思った時のことでした。




『おかしだ』



『おかしだ!』



『あの子食べないのかな?』



『ないてーら』



『落ち込んどる』



『落ち込んでる時は食欲ない』



『だったら残すのかな』



『もったいない』



『もったいない!』



『もったいないお化けが出る!』



だれ……?


なんの声?


どこからともなく突然声が聞こえてきました。

聞いたことのない……子供が話してるような……


そんな声が……

妖精1「ここまでよんでくれて、ありがとうがらし!」

妖精2「もし面白ければ評価お願いいたしまうす♡」

妖精3「ブックマーク、お星様、感想、レビュー、どれでもよろしです」

妖精4「いただけると制作の励みになりますです」


妖精たち「「「「よろしくです〜!」」」」

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