3話 妖精さんとお客さま
私は店の外に出て看板を『close』に変えると、外の軽く掃き掃除を始めました。
いつものように掃除をしていると、いつの間にやらどうやって出てきたのか、3人くらいの妖精が私の体によじ登ってきました。
「すっかり庶民に馴染んだな……」
「え?」
「元令嬢なんて誰も思わないかもです」
突然何故そのようなことを?
と思いましたが、そんなことを考えても仕方がありません。
褒められているのか貶されているのか判断が不明だったので
「まぁ、そんなに貧相な装いになってしまったでしょうか?」
適当に受け流す返事をすることにしました。
しかしそんな私の返事は、何やら妖精さんたちの心に雲を落としてしまったようです。
少しシュンとした表情を浮かべて、静かにこんなことを聞いてきました。
「……戻りたい?」
「後悔してる?」
「貴族として豪華な生活の方が良かった?」
彼らは時々、唐突にこんなことを聞いてきます。
もしかしたら、《《例の言い伝え》》のことを気にしているのかもしれません。
そんなに気にするようなことじゃないんですけどね……
「いってもデビューもしてなかったですしね。元々、貴族の世界は向いてなかったので。それに、あれのおかげで、皆さんに会えて、今一緒にお仕事するに至ったので後悔もないですよ。」
だから私はそうして、あっけらかんとして返事を返した。
そして掃き掃除に戻りました。
しかしこういうのは、一言声をかけられれば、過去回想の海に簡単にダイブしてしまうもの。
私も例に倣い、掃除をしながら過去回想を始めました。
そう……彼らとの出会いは……皮肉にも濡れ衣を着せられて、婚約破棄をされ、貴族社会を追放されたことにありました。
妖精1「ここまでよんでくれて、ありがとうがらし!」
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