第98話 ジャニスのお仕事
カミさんに カルクナールと 魔法かけ
カイエント国 ダンテス
てのひらの 向こうに架かる 虹の橋
ハイラム聖教国 アドル
届けばや フミクバールと 尋ね人
タルパ村 キャルラン
「う~~~ん、どれも宜しおすなぁ。」
「いと難し。」
植物性の安価な紙が普及し、活版印刷と
輸送網の充実によって情報革命が起こった。
とは言うものの、今の所は教会が発行する書物
くらいのものだけどね。
全国の精霊教信徒が週刊で購読している
機関紙精霊教新聞は、教会の通達以外にも
聖女一家の様子を伝える「今週の聖女」や
魔法の上達に役立つ「精霊魔法一口メモ」
などの連載記事が大人気だ。
中でも好評を博しているのが読者投稿の
「魔法使いの詩」のコーナー。
魔法を題材にした俳句が全国から寄せられる。
ジャニスと香子が選者を務める。
「はて?タルパ村のキャルラン・・・」
「如何せりや?」
「何処かで聞いた気がしますのんえ~」
「あな、そはオランが姉なりけり。」
「!伯母様かえ?あんたそれ知っとうなら
早う言いよし!」
報!連!相!
「きっとお父はんの事どすえ!」
「さもありなん。」
手紙を届ける魔法「フミクバール」には
一種と二種があるんだ。
指定の場所に届ける一種と、場所に関係無く
人物に届ける二種。
残念ながら二種の方は聖女聖人クラスの
魔法なんだよ。
ただし二種には返信オプションが有るから、
一方が聖女聖人ならやり取りが出来る。
そうか~
試してみたけど駄目だったんだねぇ。
一種でもフミクバールが使えるなら、
上級精霊と契約したんだねキャルランは。
さぁ、そーゆー事なら大急ぎで段取りを
しないといけないね。
もうすぐルーシャに出発しちゃうよ。
その前に感動のご対~面ぇ~~~ん!
「お父はん!お父はん!」
「ん?なんだぁ~いジャニスぅ~」
「ひっ!」
だから顔が怖いんだってば!
笑うと100倍怖いんだよ!
嬉しいのは分かるけどさ~
「いい加減に慣れてよぉ~。
毎日見てるのにぃ~。」
「か、堪忍え~。
それよりお父はん!これ見ておくれやす!」
キャルランが探しているらしいと知った
オランの目から涙が零れ落ちた。
これが本当の・・・いや、やめておこう。
純粋な心を茶化してはいけないよね。
「鬼の目にもあれ涙ありけり。」
香子~~~
空気嫁~~~~~~
南極2号かっ!
「姉さん・・・」
「会いとおすか?」
「うん・・・でも・・・」
今までも何度か話には出たんだけどね、
姉に迷惑が掛かるからとお流れしてたんだよ。
「なんや?どないしたんや?」
「あっ!お姉はん!」
実は斯々然々と・・・
「そら行かなアカンやろ!」
「でも帰って来るなって・・・」
「なに言うてるねん!向こうが探しとるんや!
なんも気にする事あらへんわいな!」
「でも・・・」
「あぁ~!もうっ!デモもストライキも
あるかいなっ!今直ぐ行こか!」
「え?今から?」
「そや!みんなで会いに行くで!
ジャニス!
お母はん呼んどいでぇ!」
「へぇ!承知しましたえ!」
***
『たしかこの辺りはタランタでしたわね。』
「そーでんなぁ~」
「昔は一面の綿花畑でしたね。」
なんだ、サーシアも来たのか。
まぁルルナとセットだもんな。
当然か。
サナが生まれた時に、この際だからと
オランにカーミヤマンの姓を授けたんだ。
サナの前世での姓を復活させたの。
オラン・カーミヤマンとその妻
ルルナ・ユーリパー・ダモン・カーミヤマン
長女サナ・カーミヤマン
二女ジャニス・カーミヤマン
タルパ村では村人全員で出迎えてくれた。
もうお祭り騒ぎだね。
生きていた事もびっくりだけど、まさか
精霊王の夫がオランだったなんてねぇ。
「オラン!オラン!よくぞ無事で・・・」
「姉さん・・・」
「お姉様、妻のルルナに御座います。」
「そんな!精霊王様!お姉様だなんて
もったいのう御座います!」
父も母もまだ元気で、姉には3人の子が居る。
およそ20年振りの再会だ。
村人達からは改めて謝罪されて、オランも
それを快く受け入れた。
「疑いが晴れて宜しゅうおましたなぁ。」
「なんや話し聞いたら逃げやいでも
良かったんちゃうんか?」
だよねぇ~
直ぐにクワキラスの死骸が見つかって
嘘じゃ無いって分かったもんね。
『そうしたら貴方達は生れて居ませんわよ?』
「そうですよ逃げて呉れて良かったですよ。」
『あら?今のは、お惚気かしら?ルルナ。』
「え?何の事ですか?サーシア。」
無自覚~
でもちゃんとオランの事を愛してるんだねぇ。
そーゆー言葉がポロっと出るのだから。
ルーシャ行きは少し延期してさ。
親子でゆっくり過ごしなさいな。
ね、オラン。
そうしなよ。




