表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/147

第97話 サナのお仕事

「ちゃうちゃう!もっと肩の力抜かな!

イメージが大事やっちゅうたやろ~

そんな怖い顔で睨んどったら、

めっさ重たそーやんけ。」


「は、はい・・・」


「ええか?頭ん中で絵ぇ書いて動かすんや。

得意やろ?

毎晩ネ~チャン動かしとるやろが。」


「あ、いや、まぁ、えへへへへ」


「それとおんなじや。

呪文を思い浮かべてやな。

それをふわぁ~っとさせてやな。

そいで、そのまんま読んだらええねん。

もっぺんやってみ?」


「キャ、キャリュキュノワ~リュ!」


「呪文を浮かべるんやぞっ!

ネェ~チャンちゃうぞっ!」


「す、すみません!」


「それとな、ちゃんと発音せぇ~や。

カルクナ~ルや。

舌巻き過ぎなんじゃ、カメレオンか?

いや知らなんだらええねん。

そこ引っかかるなや、聞き流さんかい。

もう~しゃぁ~ないな!

ほたらこないしょ!

呪文を書いた看板持ったネェ~チャンを

想像せぇ~や。

そのネェ~チャンがフワフワ浮いとるんや。

どや?浮かんだけ?

ほな看板の呪文読んでみ?」


「カ、カリュクナァ~リュ!」


「おぉ!出来たやないかい!

今度からそれで行こか!

ネェ~チャンに礼()~とけ。」


「はい!ありがとうございました!」


オッサンでは無いよ?サナだよ?

サナが生徒に魔法を教えているの。

ここはダモン魔法塾師範(しはん)養成所。

精霊教の修道士を対象に、宣教師や司祭を

養成する所だよ。


生徒の個性に合わせた教え方で高い信頼を

得ているんだ。


***


「ルーシャ分校でっか?」

「えぇそうです、ここはジャニスに任せて

新校開設を指揮して下さい。」


キキル連合の首脳会談で、ルーシャ王国から

分校の開設を強く要望されたんだ。

実際、モルゴン分校だけでは需要に対応が

出来ないからね。

そろそろ新設しないとなぁ~って考えてた

ところだったのよね。


「スタッフは現地調達ですかいな?」

「講師を二人連れて行って、

後は現地で育成して下さい。

2年で出来ますね?」


分校の立ち上げはサナのお仕事だもんね。

モルゴン分校の時は5歳だったよね。

こんな幼女が?って最初は舐められたけど、

爆裂魔法で小山を吹き飛ばして見せたら、

みんな素直になったね。


「そーでんなぁ~、初級クラスやったら。」

「えぇ、それで構いません。」

「了解ですわ!

ほいで?いつから行きますのん?」

「早い方が良いですね、準備が整い次第。」

「10日で準備しまっさ。」

「それでお願いしますね。」


「ところで、お母はん。」

「何ですか?」

「ラナ姉さん、婚約しやはったんでっか?」


あれ?言って無かったの?ルルナ。

相変わらず報・連・相がおろそかだねぇ。

いやね、精霊ってそーゆーとこ有るのよ。

何でかは分からないんだけどね。

人間になった今でも、そのクセが抜けない

のよね。


「えぇ、そうですよ。

ハイラム聖教国の第五王子です。

来年には王太子となりますから、

その際に正式に婚姻の儀を執り行います。」


「第五?末っ子のバビルでっしゃろ?」

「えぇ、そうですよ。」

「上をすっ飛ばして立太子でっか?」

「えぇ、そうですよ。」


「文句出まへんかいな?」

「文句など言わせませんよ。」

「またサーシア様の気まぐれですかいな。」


「違います!

エミールの名誉を守るためです!」


実は斯々然々(かくかくしかじか)でと経緯を説明したよ。


「そら災難でしたなぁ。」

「全くですよ!乙女の貞操に傷をつけられて、

泣いていましたよ!可愛そうに。」


「いや・・・バビルが・・・」


***


さぁ~急いで準備しないとね~

講師二人の人選と、計画書の作成と、

ルーシャの地政面も頭に入れとかないとね。


「サナちゃぁ~ん」

「うぎゃぁ~~~~~!

おっ!おっ!お父ちゃん!

う、後ろから声かけんといてって

ゆーてるやろぉ!」


「ご、ごめん・・・」


サナの父親~

オラン~

もう娘が可愛くって仕方が無い!


サナはなんだかんだで修羅場をくぐって

来たからまだ大丈夫だけどね。

ジャニスは怖がっちゃってねぇ。

最近でこそ慣れたけど赤ん坊の頃は

抱っこすると泣き出してね。


「お、鬼どすえ~大江山おおえやまの鬼どすえ~」

「ジャニス、お父ちゃんや。

鬼とちゃう、よ~見てみぃ・・・

・・・すまん・・・鬼やったわ・・・」


顔が怖い~~~


「そや!お父ちゃん!頼みがあんねん!」

「ん?何だい?」


嬉しそうだねぇオラン。


「一緒にルーシャ行ってくれへんかいな?」

「ルーシャ?いいよ!」

「分校作るねん、二年計画や。」

「ジャニスは?」

「あの子はお留守番や、こっちの面倒を

見やんといかんしな。

手ぇ~空いた時は帰って来たらええわ。」


「うん、わかった!」


オランは聖騎士の階位を持っているんだ。

もちろんルルナの騎士だよ。

虎の穴の教官をしている。

魔法講師としても優秀なんだ。


でも顔が怖い~~~~


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ