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第96話 サラーラのお仕事

今日の集会は北の大陸キキル東部を支配下に

置くモルゴン王国だ。

アゴネス王の統治する国だね。


この大陸には他にも三つの国と四つの

独立系部族が在るんだ。

最初の内は精霊教に反発してたんだけどね、

モルゴンの民が魔法を駆使するのを見て、

もうびっくりしちゃったのよ。


風の様に速く走ったり、重たい荷物を

軽々と運んだり、道具も使わずに

畑をたがやしたりと夢の様な光景。

午前中には仕事を終えて、昼からは余暇を

楽しむ余裕さえ有る。


それに引き換え自分達は、夜明け前から

日が沈むまで働き通しで、それでいて

暮らしは決して楽じゃない。


うらやましくてうらめしくて・・・


精霊教に入信さえすれば自分達も

あんな暮らしが出来るのに・・・

不満は日ごとに高まって行く。


あちこちで起こる暴動を押さえきれ無くなり

ついにを上げ精霊教に泣きついた。


「どうか我が国にも魔法をおさずけ下さい。」


国王自ら精霊教に帰依きえし、信徒となった。

他の国と部族もそれにならったんだ。

アゴネスを盟主としたキキル連合が成立して、

大陸は平定されたんだよ。


世界各地で同様に魔法ムーブメントが起こり

大きなうねりとなっている。

需要の拡大が早過ぎて対応が間に合わない。

教会では人手不足が深刻化しつつあるよ。


精霊殿を管理する司祭や司教。

信徒に魔法を教える教官。

信徒組合を運営する事務官。

総てが足りないよぉ~


『シャケが食べたいですわ!』


呑気だな!お前は!

観光旅行じゃねぇ~ぞ!

仕事だ!仕事!


「じゃぁ獲って来てあげるよサーシア。」

『えぇ、お願いしますわねイワン。』


久し振りにイワンの登場!

ってわけでも無いんだ、本当はね。

いつでもサーシアの隣に居るんだよ、実は。

目立たないだけでね。


サーシア付きの従者だと思われてるよね。

だれも挨拶しないもん。

んで、ルルナが紹介すると、え?って

感じになって、しばらく思考停止するのよ。

んで、言葉の意味を理解したら、え!って

感じになって、あわてて挨拶するの。


もっと立派な服でも着てたら良いのだけど、

窮屈だから嫌だって言うのよね。

これでもレイサン家当主なんだけどなぁ。

ムーランティス大陸の半分を治める

大首領なんだよね~


実務は全部トールとシャリィが代官として

取り仕切っているんだ。

有能だよ!

近々に大陸全土が傘下に入るから、

そしたら帝室を興してカイエント帝国の

建国だね。


トールには公爵位をあげてね!


***


「そんな時間ありませんわ、お母様。」

『あら、サラーラ、駄目かしら?』

「えぇ、今日中に三か所回りますのよ?」


教会での集会の後で、魔法塾モルゴン分校の

視察と、キキル連合の首脳会談に出席するの。

もう予定がぎっしり!


『では、さっさと終わらせましょうね!』

「ちゃんとしないと駄目ですわよ!お母様!」

『大丈夫ですわ!慣れていますもの!』

「あっ!お母様!まだ早いですわ!

呼ばれてから・・・ちょっと・・・」


壇上では各地の代表者が活動報告をしている。

それが終わったら聖女が登場して大喝采だいかっさい

みんなで精霊歌を歌って

飴ちゃん貰って解散ぁ~ん。


って段取りなんだってばっ!

勝手に出て行くな~!


「ん?ありゃ誰だ?」

「あの法衣は聖女様だよね?」

「いや、ちょっと違うぞ?」

「まさか!大聖女様かっ!」

「え?大聖女様が来て下さったのか!」

「じゃぁ、もう一人は精霊王様かっ!」

「お二人は常にご一緒だからなっ!」

「おい!姫聖女様も居るぞっ!」

「なんだ?何の日だ?何があった?」


『精霊歌 よの7番 年下の男の娘』

いきなりかぁ~~~い!


ジャァ~~~ン♪

ジャラカ♪ジャァ~~~ン♪


ジャラカ♪ジャァ~~~ン♪

ジャカラジャァ~~~ン♪


ジャン♪ジャン♪ジャン♪


パラッパ♪ピロピロ♪

パ~ラッ♪パ~ラッ♪パッ♪


真ぁ~っ赤な♪チンコを♪

頬ぉ張るぅ~~~♪


コ~スプレ♪ミニスカ♪パンチラ~♪


あいつは♪あいつは♪

カワエロ~い♪


年下~たの♪男の娘っ♪


<自主規制により中略>


ジャァ~~~~ン♪


『ほら!みんな受け取りなさい!』

グワシっと飴ちゃんを掴んでバラ撒く。

大聖女エルサーシアの祝福だ、

会場は興奮のウツボの蒲焼だよ。

パニック状態だ!


ウワァ~~~!

ギャァ~~~!


って奪い合いになっとるやないかいっ!

何人か死ぬぞ!


『さぁ、次は分校の視察ね!』

「お、お母様!まだ特別枠が!」

『まだありますの?面倒くさいですわねぇ。』


別室では特別枠の信徒達が、ぜぇぜぇと

息を切らしながら待っていた。

パニックに巻き込まれそうになって、

必死に逃げて来たんだよ。


『ご苦労様でしたわね、はいどうぞ。』


ここでも一緒!

ガバっと鷲掴みしてポイっと投げ捨てる。

クルっと背を向けて部屋を出てしまう。


「おぉ~!大聖女様がお触れになったぞっ!」

「あぁ・・・なんと神々しい・・・」

「2年は持たせるぞっ!」

「ワシは3年だ!」


カビ生える前に食えよ~



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