第86話 ルルナも?
長女 リコアリーゼ・ダモン・レイサン
二女 ラナエミール・ダモン・レイサン
三女 サラアーミア・ダモン・レイサン
四女 アルサラーラ・ダモン・レイサン
それが四つ子に付けられた名だ。
ギヤマン族伝統の名付けはもういいと
イリュパーが言ったんだよ。
我らはもうダモンだと。
『では私もアジャパーを外してしまっても
良いでしょう?お母様?』
「あなたは駄目よ、アジャ。ユーリも。」
『えぇ~~~どうしてですの?』
「貴方達への愛をこめて付けた名だからよ。」
『あぁなんてこと・・・御免なさいお母様!
二度と申しませんわ!』
「分かれば良いわ、許してあげる。」
『大好きですわ!お母様!』
「私もよアジャ、もちろんユーリもよ。」
「はい、お母様。」
イリュパーは猫の上級精霊と契約したんだ。
そのおかげでパスが繋がってね、
サーシアの声が聞こえるようになったよ。
誰でも繋がるわけじゃ無いよ?
ちゃんと手続きをしないと駄目なの。
システムに申請して繋げてもらうのね。
サーシアの声を聴いた途端に泣き出してね。
よっぽど嬉しかったんだね~
ずっと負い目を感じてたからね。
『特別な人にしか聞こえませんのよ!』
「まぁ!それは嬉しいけど不便じゃないの?」
『なんの支障も有りませんわ!』
そりゃそうだろ~よ!
仕事は全部ルルナがやってるからな!
他人と会話する必要は無いもんな!
山ほど仕事は有るぞ~
魔法塾の開設だ!
北はモルゴン王国、南はハイラム聖教国。
レイサン家の拠点カイエント国。
そしてダモン首長国。
それぞれから代表者を選び教育する。
やがては司教として各地の精霊殿に派遣して
布教活動をするんだ。
司教だけじゃ無いよ?
聖騎士の養成もする。
教義は超~簡単!
「精霊と共に在るべし」
それだけ~
方針は政治に不干渉。
でも信者への弾圧は許さない。
敵とみなした者は殲滅する。
元首が入信した場合は、その支配体制を
保護の対象とする。
但し、信者によるクーデターや革命は
黙認し中立を堅持する。
求めに応じて仲裁する。
とりあえずは、そんな所かな?
さぁ!それはさておき!
首も座ったし四つ子の精霊契約だね~
ダモンの精霊殿は屋敷のすぐ近くだから
便利だね~
アリーゼはハニーと、
アーミアは魔子と、
サラーラはミコとの契約だ。
さぁ~てとエミールの精霊はどんなんかな?
『さぁエミール、契約の意思を示しなさい。』
「あうあうあ~~~だぁ~~~だぁ~~~
あぁ~~~んまんまんま~~~」
祭壇に光の雨が降り注ぐ。
虹色の二重螺旋が人型を作る。
精霊の召喚だ。
「ハズぃ~~~めっちゃハズぃ~~~
何ぃ?この呪文~?マジでぇ?やだぁ~」
真っ赤なチャイナドレスにツイン団子ヘア。
魔法のステッキ装備の精霊が来た。
『誰?この子?』
「魔法少女チーカマ・パイパイですね。」
『何?それ?』
「えぇ~~~!知らないのぉ~?うそぉ~?」
「昭和最後の魔法少女ですよ。」
『私が知らないなんて、相当なマイナー作品
ですわね。』
「そんな事ないよぉ~結構人気あったよぉ~」
「主演の子が逃げ出して途中で主役が
変わった伝説の番組ですよ。」
「いやぁ~それはぁ~言わないでぇ~」
『まぁ!そんな面白い事がっ!見逃して
しまいましたわ!』
「貴女は一度失敗してますからね。
今度はしっかり務めてくださいね。」
「うん、分かってる!二度と失敗しない!」
『エミールの敵は皆殺しになさい。』
「いえす!まむ!」
おぉ~気合入ってるねぇ~
頼むよぉ~パイパイ!
***
「うっ!ちょっとごめんなさい・・・」
『あら?どうしたの?ルルナ』
「少し気分が・・・おぇっ!」
『まぁ!大変!急いで戻りましょう!』
大慌てで屋敷に帰ったサーシア達。
この時代に医者なんて居ないけど、
医療の類は産婆さんが引き受けてるんだ。
薬も調合するしね。
「ご懐妊で御座いますよ!」
『まぁ!何て事でしょう!ルルナが!』
「私に子供が・・・」
おぉ~!ついに!この時がっ!
今は17歳と半年だから18歳のママだね!
当然、ルルナの子も聖女だよね?
ちょっと問い合わせてみるかな?
・・・・・・
ほう!
そーゆー事ね!
それは楽しみだねぇ~




