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第84話 ラナエミール

真也しんやが発見されたのは公園の植え込みの中。

まだへその緒がついた状態でダンボール箱に

入れられていた。

朝早く犬の散歩に来ていた老人が見つけた。


愛犬がやたらとクンクン泣くので、

犬か猫の子でも捨てて有るのか?

と思って中を見たら人の子だった。

あわてて警察と救急車を呼んだ。


低血糖で危ない状態だったけど、

どうにか助かった。

温かい季節で幸いだった。


養護施設で5歳まで過ごした後に、

縁あって養子縁組が成立した。

相手は子供の居ない夫婦だった。

大事に育てられ幸せな毎日を過ごしていた。


ところが2年後に実の子が生まれると

とたんに冷たく扱われるようになった。

要らない子だ。


特に態度が変わったのは祖父母だった。

資産家であった彼らは血のつながら無い子に

財産を分ける事を拒んだが、いまさら取り消し

なんか裁判所が認めない。


そこで彼らは事故で死んだ事にしようと

思いついた。

ハイキングの途中で崖下に転落死。

よくある話じゃないか。


あらかじめ下見をして置いた場所で

実行に移した。

間違いなく死んでいる事を確認してから

救急通報した。


「子供が転落してしまったんです!

お願いです助けて下さいっ!」



***


『だから言ったのに、殺されるよって』

(ほんとに殺すなんて思わなかったし)


真也には転生予定者として、生まれた時から

ナビゲーターが付いていた。

彼女が転生後の契約精霊になるんだ。


『まぁ、財産がどうのこうのって話は

まだ分からないよね。』


(お父さん、すごく怖い顔してた・・・)

『そりゃそうだよ、人を殺すんだもん。』

(前は優しかったのに・・・お母さんも)

『弟が生まれて変わっちゃったね。』

(うん・・・一緒に遊びたかったな。雷斗ライト


『キラキラネーム丸出しだねぇ~』

(カッコ良いじゃん。)

『そーかな~?』

(そーだよ。)


『転生したらカッコ良い名前だよきっと。』

(もういいよ~生まれ変わらなくても。)

『えぇ~!なんでぇ~?』

(生きてたって悲しいだけじゃん。)


『もう決まった事だから~』

(やだなぁ~)

『いやぁ~それじゃ困るよぉ~

もっとやる気出してくれないと~』


(無理だよ、ほんとに行きたくないもん。)

『マズいんだよねぇ~それは。』

(なんで?)

『生命力が足りなくて直ぐ死んじゃうかも?』


(いいよ、それでも・・・)


***


『ほら~言わんこっちゃない~』

(ほんとにすぐ死んじゃったね。)

『サーシアが泣いてるよ。』

(あの声がお母さん・・・)


パスが繋がっているので声は聞こえる。

何度も繰り返し名を呼び泣いている。


(ラナエミール・・・)

『君の名だよ、カッコ良いでしょう?』

(うん・・・生きたかったかな・・・)

『次はちゃんとやる気出してね。』


(次もあるの?)

『何度でもあるよ。』


(そう・・・うん!わかった!)


***


(みんな居るの?)

(えぇ、居ますわよ、お姉様)

(はい、お姉様。)


(一緒に生まれるとは思わなかったわね。)

(さすがにびっくりですわ。)

(私は嬉しいですわ!)


(ところで、あなたはどなた?)

(あ、は、はい、あのラナエミールです。)


(まぁ!あなたが?)

(幻のお姉様!)

(今度は一緒ですのね!エミールお姉様!)

(これサラーラ!幻とか言うんじゃないの!)


(あぁ、気にしないで。

その通りだから・・・え?お姉様?)

(えぇ、そうですわよ?)

(女の子?)

(当然ですわよ、聖女ですもの。)


(!聖女?)

(あら?聞いてませんの?)

(聞いてないよぉ~)


サーシア直系の聖女はTS転生!

これこの世界のジョ~シキ!


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