第76話 ベーベリー
ロザリンが言うには遺伝子改変による
陸上生活への適応は可能なんだって。
でも新しい魔法としてシステムに申請して
認可を受けないと駄目なんだよね。
創作魔法の要領だね。
魔法を創作するには条件があってね。
何をどうするのかを具体的にイメージ
する事が必要なんだ。
例えば掌から水を出す魔法だったら、
先ず素粒子を発生させて水素原子と
酸素原子を作り出す。
それを水の化学式2H2Oになるように、
熱反応させて水を生成して、それに圧力を
かけて噴出させる。
厳密に言えば、こーゆー原理的な事を
説明する呪文を作成しないと駄目なのね。
でもそれはとっても大変でしょう?
だから簡略化が容認されているのよ。
蛇口をひねると水が出るでしょう?
「ヒネルトジャー」
それが水魔法の呪文。
自分が詳しい原理を知らなくても
そーゆー現象が実際に有ると知っているなら
それをイメージすれば良いのね。
ポインタ変数みたいなものよ。
ポインタ変数ってわかる?
プログラミング用語なんだけどね。
データが格納されているメモリのアドレスが
書いて有るの。
「詳しい事はここで聞いてね!」
って事ね!
だからまったくの空想は駄目なのよ。
だってそのアドレスの中は空っぽなんだから。
「なんにもねぇ~ぞ!馬鹿野郎!」
って感じで却下されちゃうの~
そうそう!
言い忘れてたけどね。
新規の魔法を申請する資格が有るのは
人型精霊と契約した聖女だけなのね。
精霊じゃ駄目なのよ。
んで~
今回の場合なんだけどね。
理論的な所はロザリンに論文でも書いて
もらってさ。
細かい内容は理解できなくても良いから、
「これで出来る」と納得出来れば魔法化する
事が可能になるわけね。
『なんとかなりそうですわね。』
「祭壇の再起動まで辛抱しなさいね。」
「はい!ありがとう御座います!ルルナ様!
サーシア様!」
『ところで、その箱は何ですの?ロザリン。』
「え?あぁ~これ?システムからの預かり物。
ミサ先輩にって。」
「え?私?何だろう?」
おっ!届いたか~!
開けてごらんよ~
きっとびっくりするよぉ~
箱っの中~身は♪なんじゃろかぁ~♪
「こっ!これはぁ~~~!」
箱の中身は新しい学生服~
紺のブレザーに赤いタータンチェックの
ミニスカート!
白いブラウスに赤いリボン!
そして~!そして~!
グレーのニーハイソックスとローファーの
黒い革靴~~~!
エゲレスの老舗呉服屋ベーベリーの
高級ブランド物だよぉ~ん!
輝け!絶対領域!
汗~は~湧~き~♪
よ~だれ~溢~れ~て~♪
天~高~か~く~♪
純白のパンツ♪
今日ぞ~観~ん~♪
若~人よ~♪い~ざ~♪
まなじりは~♪
吸~い寄せら~れて~♪
眺~め~よ~し~♪
微笑~む痴~情~♪
絶対~い領~域~は~♪
君~にかが~や~く~~~♪
宣誓!我々は~!
スポーツマンヒップにモッコリ~!
この間は大活躍だったでしょう?
ご褒美に申請しといたの!
『まぁ!良かったわね、ミサ。
着てごらんなさいな。』
「いえす!まむ!」
いやぁ~嬉しそうだねぇ~
これで、もこもこウエストとさよならだね!
「ど、どうですか~?」
『可愛らしいですわよ、ミサ。』
「随分とイメージが変わりますね。」
「そ、そうですかぁ~?」
『陰キャの黒魔術師とは思えませんわね。』
「え~~~やだぁ~~~それはぁ~~~
昔の話しでぇ~~~ぶっちゃけぇ~~~
黒歴史~?ってゆ~かぁ~今はぁ~~~
サバトとかやってないしぃ~~~」
「一気にギャルっぽくなりましたね。」
『おじ様キラーですわね。』
「え~~~!ひどくな~~~い?」
ひどいのはお前の変わり様だよミサ・・・




