表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/147

第53話 わっかんねぇだろうなぁ

二つの内の一つが無くなると、

それは半分を失った事になる。


当たり前だけど忘れがち。


四つの内の一つであれば、

少しマシになる。


単純な事ほど見落としてしまう。


分母が大きいほど損傷率は小さくなり、

余裕を持つことが出来る。


落ち着きさえすれば。


恋愛に関して、それは顕著けんちょに現れる。

狭い行動範囲、少人数のコミュニティ内での

恋愛感情は激しく、多くは悲劇的だ。


だが、その輝きに勝るものは無い。


***


さて、サーシア達がこの集落に来て二日目。

しょっぱなでトラブルが発生したので、

周辺地域の事情を調査した方が良いと、

ルルナが提案したんだ。


ジロキチちゃん率いるCIAが調査中!

賢明な判断だね~


この辺りの住人は蟲食が中心で、それ以外の

肉は食べないんだ。

「鳥肉は無いのですか?トカゲとかは?」

って聞いたら

「え?そんなもん食うのか?」

うわぁ~って顔で言われた~


すっかりゲテモノ扱いだよ。


蟲肉が食べられないサーシアの為に、

何か代わりの食材をとルルナ自ら採取に出た。

悲しそうな顔でムシャムシャと蟲みたいに

葉っぱを食べてるサーシアを見かねたんだよ。


精霊達に任せても良いのだけどね、

「私が採った食材を!」って張り切って

いるんだよ。


「オラン、一緒に来て下さい。」

「うん、良いよ。」


ルルナが同行者にオランを指名したんだ。

狩りの経験値は高いからね。


「お!俺も行くよユーリ!」

「狩りなんかした事ないでしょう?トール。」

「でも!」


『連れて行ってあげなさいな。』

「そうですか?サーシアがそう言うなら。」


三角関係を面白がってるだけだろうが!

趣味悪いぞ、お前!


「俺、頑張るよっ!」

「そうですか。」


あっさりしてるなぁ、ルルナ。

トールの気持ち分かるかなぁ?


夕~焼けへ~♪小焼~けへ~でへ~♪

日がはぁ~暮れへ~てへ~♪


シャバドゥビダバ~♪


俺がぁ~昔ぃ~♪パンツだった頃ぉ~♪

父ちゃんはぁ~♪ふんどしでぇ~♪

母ちゃんはぁ~♪ズロースだったぁ~♪


兄ちゃんはぁ~♪ブリーフでぇ~♪

姉ちゃんはぁ~♪ノ~パンだったぁ~♪


わかるかなぁ~♪

オ~イェ~♪

わっかんねぇ~だろ~なぁ~♪


シャバドゥビダバ♪

ドゥビドゥビダバ~♪


イェ~~~イ♪


酔ってませんってぇ~

何回も言わせないでよぉ~

シラフだってドゥビダバ~♪


イェ~~~イ♪


***


水鳥が沢山いる池が在ると聞いてやって来た。

林の中を慎重に進む。


あぁ、あそこだな。

カモによく似た鳥が群れている。


「どうやって捕まえるのですか?オラン。」

「石を投げるんだよ。」


単純明快!

オランの怪力で投げたらすげぇ~だろうな。


「それくらい!俺にも出来る!」

「しぃ~~~、逃げちゃいますよぉ。」

「す、すまん・・・」


落ち着け、トール。


「じゃぁ先に投げる?」

オランが気を使ったみたいだけど、それって

あんまり良い結果にならないような・・・


「あぁ、任せろ。」

大丈夫?

結構な距離あるよ?


「うりゃぁ~!」

大声出すなって!

ポチャン・・・

届かねぇ~~~


バサバサ(クワック)バサバサ~~~(ワックワッ)

ほらぁ~逃げたぁ~

あぁ~あ~


ビシュッ!

クェ~~~(バシィッ)

当たぁ~りぃ~~~!


ナイスフォロー!オラン!

やるじゃ~ん!


「やった!」

「すごいですね!オラン!」

「うん!取って来るよ!」


褒められて実に嬉しそうなオラン。

バシャバシャと水しぶきを上げて走る。

ルルナも花のような笑顔だ。


「・・・」


お~い、トール~

大丈夫かぁ~?


「サーシアが待ってるから戻りましょう。」

「うん!」

「ついでに木の実も拾って行きましょうね。」

「そうだね!」

「クッキーを焼きますね。」

「うわぁ~楽しみだねぇ!」


「・・・」


お~い、トール~

その目はやめろ~

ヤバイぞぉ~

殺意が揺らめいてるぞぉ~


***


ふっくらこんがり焼いた野鳥の肉と

どんぐりクッキー。

ハーブも摘んで来たので、お茶にした。


『はぁ~美味しいですわぁ~』

「良かった!オランが仕留めたんですよ!」

『そうなの?お手柄ね、オラン。』

「サーシアが褒めてくれましたよ!オラン。」

「あ、ありがとう。うへへへ。」


お~い、トール~

食べないのかぁ~?

まぁ、気持ちは分かるけどな。


クッキーだけでも食べなよ。

ルルナが焼いたんだぞ?

手でコネコネして焼いたよ?

美味しいよ?


<おやまぁ、随分としっかり仕上がって

しまいましたわねぇ~>


ヤバイってサーシア!

シャレにならないよぉ~

面白がってる場合じゃ無いよ~


嫉妬しっと嫉妬しっと♪ト~ルちゃん♪

嫉妬しっと♪ト~ルちゃん♪


嫉妬~(しっと~)♪ト~~~ルちゃん♪


お~~~い!ト~~~ル~~~!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ