第44話 不適材不適所
「おいっ!あれ、もしかして噂のっ!」
「え?・・・あ!あれか!」
「聖女の車列か?」
「そうに違ぇ~ねぇ~よ!
周りに浮いてるの精霊だぜ!」
「なんでこっちに来るんだ?
南へ行くんじゃねぇのか?」
「首領様に知らせろっ!早くっ!」
なんか嫌な雰囲気だなぁ。
フインキじゃないよ!フンイキだよん!
でも会話する時はウザいと思われるから
「ここ良いフインキだよね~」
って言っちゃう小心者の私・・・
そんな事より!
どう見ても歓迎ムードじゃぁ無いよね。
なんでだろう?
まだ何もしてないのに。
いずれはそうなるとしてもだ!
***
『何かしら?あれ。』
「武器を持ってますね。」
『取り込み中かしら?』
「さぁ?どうでしょうね。」
集落と言うよりも城郭都市だね。
国が出来る一歩手前って感じ。
外郭門の前に兵士が並んで構えている。
ざっと千人くらいかな?
『私達を睨んでますわよ?』
「ですね。」
「入って良いか聞いて来るよ。」
『駄目よイワン!危ないわ!』
車から降りようとするイワンを慌てて止める。
「大丈夫だよ、聞くだけだから。」
『モモ、一緒に付いて行って頂戴。』
「あいよ!」
マリョータに乗ったイワンとモモが兵士達に
近づいて行く。
騒めきの後で緊張が走る。
武器を持つ手に力が籠るのが見て取れる。
『大丈夫かしら?』
「モモが付いてますから。」
『私も行こうかしら?』
「駄目ですよ、イワンの顔が潰れます。」
そうそう!ちゃんと仕事させてあげてね!
『もう潰れてますわよ、今更ですわ。』
お前が言うかぁ~~~
潰れてるわけじゃないから~~~
ブサイクなだけだから~~~
「止まれぇ!何しに来たっ!」
隊長っぽいのが出て来た!
立派な鎧を着ている。
「はぁ、大切な物を見に来ました。」
ちょっとその言い方は~
「やっぱり!財宝が目的かっ!」
「奪われてなるものかっ!」
「せ、精霊がなんだっ!怖くねぇ~ぞっ!」
ほらぁ言わんこっちゃない。
イワンだけに!
「中へ入っても良いですかぁ?」
空気読もうよ~イワン~
「うん、良いよ!」
なんて雰囲気じゃないよ~
「く!来るなら来いっ!」
「ここは一歩も通さん!」
「返り討ちにしてくれる!」
「なんだぁ!やんのか?てめぇ~らぁ!」
あちゃ~なんでモモにしたかなぁ~
交渉なんて出来る奴じゃなかったよ。
こーゆー時はミコだよ。
商売上手なミコだよ。
『ねぇ!なんかマズくありませんこと?』
「ヤバそうですねぇ。」
『ハニー!ミサ!ルルベロ!イワンを!
イワンを守りなさいっ!』
「はぁ~い!」
「了解!」
「まかせてぇ!」
だからミコなんだって!
こーゆー時はミコに交渉させるんだって!
絶妙にズレた選定するなぁ~
適材適所って知ってる?
「オラオラオラオラァ~!」
「嬢王様とお呼び~!」
「ヘコヘコアザラシ!」
「危ないからぁこっちへおいでぇイワン~」
あ~あぁ~戦闘になっちゃったよ~
まぁ、負ける事なんて絶対に無いけどさぁ。
悪名が轟くのは、あんまり良くないと
思うわけよ。
ん?
もう終わったの?
あっと言う間だね。
ほうほう!ちゃんと手加減したね!
一人も殺してない。
えらいえらい!




