第39話 とある日のルルナ
夜明け前に目を覚ます。
サーシアが早起きだから、それに合わせて
いるんだ。
まず最初にするのは朝のラジオ体操。
もちろんラジオなんか無いから、
ルルナが音頭を取る。
前世からの日課だね。
「ラジオ体操第一~~~
大きく腕を上げてバストアップの運動~
はいっ!
エッチねぇ~ちゃん~し~
ご~ろっく必死のパッチ!」
今世では大きくなると良いね!
それから洗濯。
昨日の汚れ物を洗って干す。
サーシアは自分のパンツしか洗わないから
それ以外は全部ルルナがするんだ。
イリュパーの教育方針でね、自分の手元に
居る内は普通の子として育てるんだってさ。
だから家の手伝いもちゃんとさせるんだ。
と言ってもサーシアは何んにもしないから
ルルナがするんだけどね。
食事の支度、お部屋の掃除、お買い物。
族長の家だから使用人も居るんだけど、
一緒になって働く。
まだ貴族ってゆー感覚は無いみたいだ。
どの家の子も同じようなもんだね。
一通り用事が済んだら、夕方まで休憩。
大抵は近所の子供達が遊びに来るよ。
二人が聖女の生まれ変わりだって事は、
みんな知ってるから前世の話を聞きたがる。
「モスクピルナスのお話し聞かせて!」
「えぇ、良いですよ。」
「そんなのつまんね~よ!キーレント討伐の
話しが聞きたい!」
「あんた戦の話しばっか聞きたがるじゃん!
野蛮だわ!」
「いいじゃねぇ~かよぉ!」
ルルナが身振り手振りで臨場感たっぷりに
話すから、同じ話でも退屈なんかしないよ!
「なぁユーリ。」
「何ですか?」
そろそろ夕食の時間だと、みんなが家路に
着く頃に話しかけて来たのは、
カイザの部下トリオルの息子トールだ。
「その・・・もうすぐ旅に出るんだよな。」
「えぇ、そうですよ。」
「いつ戻って来るんだ?」
「さぁ?分かりませんね。」
祭壇の起動だけじゃ無いからねぇ。
もう一つ大きな仕事があるんだ。
精霊教会の復活と宗教の統一。
国家間の争いを終息させる調停者。
その基礎作りをするんだよ。
モスピを拠点としてね。
一定の勢力争いは黙認するけど、
暴走状態になったら力づくで止めるんだ。
その為には独裁者の暗殺もするよ。
それを実行するのが聖女なんだよ。
圧倒的な力を持つ抑止力の象徴。
そーゆー事。
「お!俺も行く!」
「あなたが?」
「あぁ!お前は!俺が守ってやるからぁ!」
おんやぁ~まぁ~
これは思春期男子特有の照れ隠し告白じゃぁ
あ~りませんかっ!
ハズい~~~
めっちゃハズい~~~
「必要ありませんよ。」
撃沈~~~
そりゃそうだけどぉ~
精霊軍団が一緒に行くんだからねぇ。
でもルルナぁ、分かってあげてよぉ~
鷲羽山ハイランドで瀬戸大橋を見ながら
告白バンジーしてドヤ顔で降りてみたら、
相手は帰った後だった・・・みたいな?
「友達以上には考えられないから。」
ってメールが来た・・・的な?
一人で見るサンバカーニバルの空しさよ。
あぁ・・・良いケツしてんなぁ・・・
君の~行く~道は~♪
果てし~無く~遠い~♪
なのに~♪
何~故~♪
歯を食~いし~ばぁ~りぃ~♪
君は~行く~の~か~♪
うんこ~~~が漏れ~そう~~~♪
泣くなトール!
あきらめるな!
ルルナは恋愛に超~鈍感なだけだよ!
「で、でも行くから!一緒に行くからぁ!」
「そうですか?では随行者を選定する時に
志願して下さい。」
「あ、あぁ・・・」
泣くなトール!




