表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/147

第36話 面倒くさいですわねぇ~

「アジャ~!アジャパ~!」


両親からはミドルネームで呼ばれている。

サーシアは気に入らないようだけどね、

愛情たっぷりに育てられているよ。


「ユーリ、アジャはどこ行ったの?」

「イワンの所だと思います。」


ルルナは家事のお手伝いで洗濯物を

干している。

うんうん、良い子だね~


「もう!部屋の掃除もしないで!」

「あぁ、後で私がしときます。」


「駄目よ!そーやってあなたが

甘やかすからワガママなのよ!」


いやいや~奥さん、サーシアのワガママは

筋金入りでっせ!

今更どーにかなるもんやおまへん。


「まったく、あの子は!ユーリにばっかり

押し付けて!」

「私は構いませんよ。」

「ユーリ、妹が可愛いのは分かるけど、

あの子の為にならないわよ?」


「サーシアはあれで良いのです。」

「良くないわよ!あぁ、将来が心配だわ。

あんな調子で聖女になんか成れるのかしら?」


あんな調子だからこそ聖女なんですよ~


さてさて。

早いもんでサーシアとルルナは10歳に!

これまでの出来事をパラパラっと紹介するね!


まずはイワンの事なんだけどね。

やたらと精霊にすかれるなぁ~って思ったら、

なんとレイサン家の血統だった!


そう!前世のサーシアの子孫!


どうして解ったかとゆーとー。

双子の誕生を聞いた聖地モスクピルナス

(以下モスピ)

そのモスピで待機中の連中が訪ねて来てね。


その時、接待の手伝いに来てたイワンを

ミサが目撃したわけよ。

ほら、ミサはレイサン家専属だったじゃん?

だからピィ~ンと来ちゃったわけよ。


「うわぁ~まだ残ってたんだぁ!

この顔~!なつかしいなぁ~!」


言われてみれば特徴的なネズミ男顔は、

レイサン家直系男子の顔つきだよね。

すっかり忘れてたよ~


レイサン家は変わった家系でね。

女子は必ず聖女として生まれる。

しかも!とびきりの美少女ときたもんだ!


だけど男子は漏れなくネズミ男。


そもそも男子は滅多に生まれない。

三世代に一人くらいだったね。

だからとても大事にされたよ。

カルアンの再来!とか言われてね。


あぁ、カルアンってのはサーシアの夫。

サーシアが愛した男。

サーシアを愛し抜いた男。


目が見えるようになってから、

イワンを初めて見たサーシアは、

そりゃ~もう喜んでね。

すぐ解ったそうだよ。

さすがだね~


それからね。

ダモンの地は大発展したよ。

幾つもの集落が出来て、全部合わせると

人口は十万人を超える。


移民も多いけど、近隣の集落も傘下に入って

平野部にまで支配地域が広がったんだよ。

精霊の存在が大きいね。


ハニー、モモ、ルルベロの三柱に加えて、

ミサ、サリーちゃん、ミコ、魔子も来た。

みんな待ちきれなかったんだね。


精霊の守護する部族、ダモン。

その噂は遠くまで伝わっているよ。


それで肝心の祭壇の再起動なんだけどね。

実はまだなんだ・・・

ちょっと事情があってね。


サーシアとルルナは半精霊だから、

精霊契約が無くても魔法が使えるんだけど

今は駄目なんだよ。


セキュリティーロックが掛かっていてね。

二人の遺伝子情報とか肉体組成とかを

システムに登録しないと魔法が使えない。


登録する為にはスキャニングしないとね。

そのスキャナーが祭壇なんだよ。


え?ダモンの祭壇を使えば良いって?

それがね~

各地の祭壇は端末なんだ。

メインサーバーはモスピの祭壇なのね。


まずモスピの祭壇を稼働させないと、

ローカルの祭壇も動かないのよね。

だからそれまでは魔法が使えないのよ。


つまりね。

サーシアとルルナは延々と旅をして

モスピまで行かないと駄目なんだよ~


それを聞いたサーシアが何て言ったのか?

もちろん決まってるよね!


『面倒くさいですわねぇ~』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ