表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/147

*第27話 帰らざる日のために

こんな辛い目に遭うのなら・・・

明日に光が無いのなら・・・


楽しかった思い出が、

これ以上薄れてしまわない内に

死んでしまおう。


今ならまだ笑える。

笑顔のままで死のう。


帰らざる日のために・・・


***


「ねぇイリュパー。」

「何ですか?今更やめたは無しですよっ!」


盗賊のアジトと化した精霊殿に向かう山道を、

ハリマオちゃんに乗って駆け抜ける。


「そうじゃ無くて~今の内に言って置かないとね~」

「何をですか?」


「ゲルダって子、死んでるかも知れないよ?」

「そんなっ!」

「そーゆー場合も有るって考えとかなきゃね~」


「何でそんなこと言うんですかぁ!

今から助けに行くのにぃ!酷いですよぉ!」


なんか・・・泣きそう・・・


でもねイリュパー。

どんなに力が強くても駄目な時がある。

様々な要素に宿る、それぞれの可能性とその確率。


人はそれを「運」と呼ぶ。


絶えず変化し続ける波紋に浮かぶ小舟。

それが命だよイリュパー。

運ばれた先の何所に辿り着くかは誰も知る事の叶わない。


だからねイリュパー。

どうするかを決めて置かなければならないんだよ。

もしそうだった場合の行動をね。


「そんなの・・・分かりませんよ・・・」

ガウガウ~(まだイリュパー)グルル~~~(には無理だよ~)

「サーシアなら迷わないよ~」


皆殺しだよね!


「いったい私は何を産むんですかねぇ?」

「じゃぁこうしようよ~

ジロキチちゃんに潜入して貰ってさ~

ゲルダが生きてるかどうか調べてね~

生きてたら救出を優先して~

死んでたら盗賊を殲滅せんめつ~」


ものは言いようだね。

結局はどう転んでも皆殺しでしょう?


「はい、それで良いです。ジロキチ?」

「うん十二支精霊ののジロキチちゃん。」

チュ~~~!(よろしく~!)


「わぁ~可愛い~!」

ちょっとだけいやされたね。


チュ~チュチュ(じゃぁ~行って)チュ~チュ~(来るね~)

「お願い!生きていてゲルダ!」


***


近くの岩陰で待つ事しばし、

人相年恰好の当て嵌まる人物は何所にも居ないそうだ。


嫌な予感がする。

胸が苦しい・・・


「で、出かけてるのかな?荷物持ちとか雑用で・・・」

「制圧して聞いた方が早いよ~」

「そうですよね・・・」

「手っ取り早くしなきゃね~

危ないからイリュパーは此処で待っててね~」


攻撃隊として更に十二支精霊を呼び出した。

さるのサスケちゃん。

いぬのヤツフサちゃんとその分身体の八犬士。


これにハリマオちゃんとハニーが加わって

これでもか!ってくらいの戦力。


さらわれた人達を救出するための部隊は

ひつじのラムちゃん。

いのししのボタンちゃん。

とりのガンモちゃん。


盗賊が逃げないように追い込むのは

うしのシモフリちゃんと

へびのリンゴちゃんと

うまのエドちゃん。


そしてイリュパーのお守役としてうさぎのモチツキちゃん。

ジロキチちゃんもねっ!


オージーちゃんは陸上が苦手だから今回はお休み。

一人は可哀そうだからタツノコちゃんも一緒にお留守番。


「久々にフルバージョンで変身するかな~」

「フルバ~???」

「うん、ちょっと長いからサーシアに怒られるんだよ~

あの子気が短いから~」

「私は何を産むんですかねぇ・・・」


「ある時はキャピキャピのアイドル~!

またある時は優雅な淑女しゅくじょ~!

しかしてその実態は~!

ハニーフレ~ッシュ~!!!

エロの戦士!キューピーハニーさ~!」


クイ~ンスペシャル~~~!

極楽鞭秘も装備!


さぁ!

弱い者いじめの始まりだぁ~!


・・・


10人程を助け出した。

殆どが子供だ。

定期的に来る人買いに売っていたようだ。


盗賊は全部で63人。

首領以外は殺した。

その首領も死にかけだ。

体はズタズタに裂けている。


なのに嬉しそうに笑っている。

極楽鞭秘の作用だ。

さぞかし気持ちが良いのだろう。


「ゲルダって娘が居たでしょう?」

「はい~ひひひひ居ました~えへへへ」

「その娘はどうしたの?」

「いひっ!死にました~いひひひ。」


あぁ~やっぱり・・・


「殺したの?」

「うへへ、目を離したらナイフで首を、

あはははは、自分で首を切って~

あひゃひゃひゃひゃ~

もっと楽しんでから売るつもりだったのに

うふっうふふふふ

へらへら笑いながら死にやがった~

あははははははははは。」


辛かったろうね・・・

怖かったろうね・・・

痛かったろうね・・・

悲しかったろうね・・・

本当は生きたかったのでしょう?


間に合わなくてごめんね・・・


「ハニー様、術を解く事は出来ますか?」

「うん出来るよ~」

「解いて下さい!こんな笑顔で死ぬなんて!

絶対に許せない!お前はっ!お前はっ!」


<苦しみ抜いて死ね!>

挿絵(By みてみん)


その言葉は込み上げる涙で言えなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ