表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/147

*第17話 水槽どうでしょう

いやどんだけおんね~ん!

ちゅうてねぇ~


来るわ!来るわ!

浜を埋め尽くす魚人の群れ。

始祖魚人の姿を一目見ようと集まって来た。


「どうします?ハニー様~」

「壁に映さないとちゃんと観れないから~」

「外は無理ですか~」

「無理だねぇ~」


「地下に大きな水槽が在ったでしょう?

壁に穴を開けたら海とつながるんじゃないですかねぇ?」


「じゃぁあの子たちにやらせようか~」

「精霊様ですか?」

「うん、海と言えばタツノコちゃんだよ~」

「タツノコ?」


「タツノコちゃぁ~ん出番だよ~」

ピコォ~ン!(はぁ~い!)


十二支精霊のたつ タツノコちゃん。

手乗りサイズの可愛いやつだ。

でも今日は海底に穴を開けるから巨大化して貰おう!


「うわぁ~~~!何ですかぁ~~~!」


これが龍とゆーやつだよ~イリュパー!

ほぉら見てごら~ん

お髭が長いねぇ~

鼻の穴が大きいねぇ~


「じゃぁお願いね~」

ピコピコ~ン!(了解~い!)


ザッブ~~~ン!と海に飛び込んだタツノコちゃん!

水中でピィーンと真っ直ぐになるとギュルギュルと回転を始める。


ドリルだっ!

削岩さくがんドリルだぁ~~~!

ガリガリガリガリ~~~!

バリバリバリバリ~~~!


地下の水槽前ではイリュパーが今か今かと待っている!


待っている!

待っている・・・

待っているよ?


「結構かかりますねぇ。」

「あれ~?これくらい楽勝の筈だけど~?」

「ここの場所おしえましたよねぇ?」

「うぅん、私は教えて無いよ~イリュパーが教えたんじゃないの~?」


「どこ掘ってるんですかぁ~!」


その頃、海中の大鍾乳洞だいしょうにゅうどうにて・・・

ピコーン?(あれぇ~?)ピコピコーン?(みんなどこ~?)


***


なんやかんやでやり直し~

今度はうまく行った!

海と地下水槽がトンネルで繋がった。

入口側と出口側の2か所。


映像を水槽前の壁にループ再生して置き、

魚人が入口から出口へと移動しながら始祖様の姿を見るのだ。


もちろん内容はクライマックスの場面だ!

ガラス越しに手を合わせ見つめ合う。

そしてリチャードが呪文を唱え、ナイエルが光に包まれる。

挿絵(By みてみん)


もう釘付けだ!

みんなガラスに張り付いて見て居る。

水中だから判らないけれど、涙がチョチョギレているだろう。


「はい~!次の列と変わって下さい~

出口は右ですよ~押さないで~

もう一回みたいひとは一番後ろに並んで下さいね~」


手際良くさばいているが、とにかく多い。

とても1日では終わりそうに無い。

日が暮れた所で一旦は終了して、また明日と言う事にした。


結局、数万の魚人が押しかけて来たので、

10日ほどかかってしまった。


***


イリュパーとセイレンはすっかり仲良くなった。

毎日のように会いに来る。

魚人語も解析が完了したらしく理解できる。

ハニーの通訳が無くても会話が成立するよん。


「もうすぐ行っちゃうの?」

「うん、ジンムーラ大陸ってとこへ行くの。」

「東の大陸?」

「知ってるの?」


「うん、あっちにも集落があるからね。親戚が住んでるよ。」

「へぇ~そうなんだぁ。」

「海流に乗った方が楽だよぉ。案内してあげるよぉ。」

「わぁ~ありがと~」


魚人の案内役とは心強い!


出来上がったいかだは、なかなか立派なものだ。

ど真ん中に家が建っている!

バルコニーまで在るではないかっ!

そこまでしなくても・・・

島民が張り切って作ったんだね~


「お気に召しましたでしょうか?聖女様。」

「せ、聖女?様?」


島民はすっかり精霊の信者となって居た。

そしてイリュパーを聖女としてあがめたのだ。

後の時代に精霊教発祥の地として、

インスタン島はモスクピルナスと並んで二大聖地となる。


「いつの日か島に戻って来て下さい。我らはいつまでもお待ちしております。」

「うん!また来るよ!約束する!」


あぁ・・・

なんか目頭が熱くなって来た

また逢う日まで、しばしの別れ。


そう言えば精霊歌にもあったな、

「股あう日まで」

いや歌わないよ!

そーゆーのはサーシアが生まれてからね!


さぁ!いよいよ出発だ~!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ