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ドルヲタ男子高生、アイドル運営はじめました!  作者: フミヅキ
第一章 推しとあの子と僕
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推しとあの子と僕②

 ピンチケというのは厄介オタクの中でも特に若い奴のことを指す場合が多い。


 奴らは群れでやって来る。


「ああやって集団でイキってるけど、一人で来たときはおとなしいんだよ。ボクなんかはあいつら、所詮は陰キャの成れの果てだと思うね」


 僕が仲良くさせてもらっていた社会人オタクの人はそんな風に言っていた。


 そうは言っても、群れた時のあいつらはなかなか無視できるものではない。高圧的な態度でライブ会場の最前列を確保したり、ステージが始まると無理やり前に突っ込んできたり。それでまわりのオタクと揉めて時には暴力を振るうこともあったみたいだ。アイドルにアピールしたいのか何なのか知らないけど、全体とずれた変なリズムでMIXや手拍子をしたり、まわりの迷惑を考えない無茶なリフトや推しジャンを繰り返したり。女性のオタクをナンパしたり、失礼な態度をとったりすることもあった(たまにナンパを喜んでるっぽい女オタもいたけど……)。


 何より僕が許せないのは特典会でアイドルに対して失礼な態度で接することだ。「周回してやってるんだから、オレらにサービスして当たり前だろ」みたいな雰囲気で、やけに馴れ馴れしく上から目線で話しかける。そのうえ、ツーショットのチェキ撮影では体に触ろうとする。お前ら頭大丈夫か。「さっさと剥がせよ、スタッフ!」と何度思ったか知らない。


 僕の推しは出来た人だから決して表情には出さなかったけれど、絶対に奴らとの接触にストレスを感じていたと思う。だけど、奴らはチェキ券を大量に買い込んで何度も周回していた。


 彼らは僕たち一般のオタクよりは身綺麗でオシャレな雰囲気だった。現場では他のオタクたちを見下していて、彼らの忠告に耳を貸すことはなかった。


 イケてない僕らの僻み?


 でも、ああいう迷惑行為を繰り返すピンチケは他のアイドルの運営は出入り禁止にする場合も多い。それなのになぜか奴らはあの現場で野放しにされていた。


 なんと言えばいいのか、あいつらはアイドルのファンをしているというよりはアイドルとプライベートで繋がりたいと思っているように見えたし、アイドルをナンパ相手や美少女ゲームの攻略対象か何かと勘違いしているように見えて、僕は大嫌いだった。どうして運営はさっさと奴らを出禁にしないのか僕は不満だった。

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