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天界編⑦ 天使のDM

「テ、テレサ様のお母様のブログだ!?」


 もちろん、お母様といってもメアリ様の方ではない。


 半分天使の血が流れているというかテレサ様の実の母親……それが恐らくこのブログの作者であり、もしかするとロボの制作者なのかも知れない。


 まさかこんなところでお母様を見つけることになるとは。


 驚きつつもブログをさらに調査すると、ひっそりとページの隅の方にTwitterのIDが書かれていることに気付く。


 つ、Twitterとかやってるのか天使……。


 およそ一番似合わない存在な気がするのに!


 そのTwitterを見てみると、呟きは一つもなく、ただプロフィール欄に呪という文字だけが載っていて不気味な雰囲気を醸し出していた。


 何があったのお母様?


 そしてどうやらDM……ダイレクトメッセージは開いていたので思い切ってコンタクトを取ってみることにする。


「テレサ様にお仕えしているメイドなのですがっと」

『めちゃくちゃ怪しいですね』


 文章を送ってみると、シロフィーが横から突っ込んできた。


 た、確かに詐欺にしか見えない!


 しかも夫がアリクイに殺されてみたいなインパクト重視タイプのスパムメールにすら見える!


 もう送ってしまったけれど、大丈夫かな……。


 そんな心配をしていると、数分後、部屋の隅の方が輝き始めた。


 ど、どういうこと!?


 そんなことある!?


 僕の部屋は輝きから最も遠いはずなのに!


『悲しいこと言ってないでちゃんと見てください。頭のやつが輝いてるんですよ』


 ちびシロフィーが指さす先ではロボの頭部……ヘルメットが確かに輝いているようだった。


 そんな機能があったことに驚きだけど、だ、大丈夫かな? 爆発とかしないよね?


 平和な市街地で急に爆発事件があったらご近所さんから白い目で見られてしまう!


「はい、通じてますかね……貴女ですかうちの娘のメイドだとかいう不埒な輩は」

「しゃ、しゃべったー!?」


 ビビりながらヘルメットを見ていると、そこから突如として声が響いた。


 こ、これはテレサ様のお母様の声?


 やや子供っぽいその声色はややテレサ様に似ている気がした。


「私がテレサの母のテサトンです。貴女の持っているロボは私の発明品であり、ロボの居場所は私が全て把握しているのです」


 まさかのGPS搭載だった。


 しかも電話機能付きだし、もしやこのロボほぼスマホなのでは?


 アンドロイドってそういう意味?


「あ、あの、メイドやってますクロフィー・クレマティス・クローニングです」


 見えているか分からないものの、とりあえず頭を下げてしまうのはどうしてなのか。


 ひとまず挨拶をしたものの、帰ってきたのは驚いた声だった。


「え? 男の子です?」

「うっ……! お、男の子です」


 し、視界も通じているのかこのロボ!


 テレビ電話付きかー!


 恐ろしいことにご主人様の母親に女装がバレてしまった。


 自分の母親に女装がバレるくらいには恥ずかしく大問題な事態に僕は動揺を隠せない。


「まあ、最近はそういうのもありますですね」

「ありますですか!?」

「それで娘のメイドが何でこんなところにいるんですか?」


 机の上で光り輝くヘルメットを相手に正座をしつつこれまでの話をする。


 なんだかそういう宗教みたいだな……。


「私の送り出していたロボ軍団からテレサ以外で辿り着けるものがいるとは驚きです。勇者でしたっけ? 何者です?」

「えっと、今は女の子になってる変なやつです」

「そういうのが最近の流行りなのですね」


 誤った情報がテサトンさんに伝わってしまった。

 

 けれど、それを訂正する前に私の送り出したロボ軍団というのが気になる。


 しかもテレサ様がそれを元に辿り着けると思っていたとは……?


「ロボはテサトンさんが中界に送ってたんですか?」

「ええ、元々は調査目的でその後は娘の姿を見たいので捜索させてたんです。けれど、それが他の天使にバレて天界の監視官に左遷されたのですが」

「て、テレサ様のためだったんですか……」

「私の娘なら超賢いのでロボと合えば分かると思ったのです。ただ私が天界に来てからはコントロールが効かず暴走しているようですが……」


 な、なるほどあれは暴走している状態だったのか!


 確かに襲いかかってきてたもんな……あの姿には理性というものを感じなかった。


 中界に送り出されたロボたちはその管理者が地球にいることによってかなり不安定な状態の危険存在らしい。


 いつか全滅させないとかも……。


「天廊にもパソコンはあるので、最終的にそこに辿り着いて入力して貰えれば親子感動の再会の予定だったのです」

「周りくどすぎますよ!」

「中界の文字は分からないもので……思いついた時は自分を天才だと思ってたんですがねぇ」


 深夜テンションで作ったのかと思うほどの超高難易度だけれど、でもテレサ様ならワンチャンスあるかもしれないとも思う。


 パソコンに急にURL打ち込む姿似合いそうだもんな……。

 

 勇者というチートがいなければ案外、そういう風になっていたのかもしれない。


 そして、僕という天界人がいなければ天廊をもっと冒険してたんだろうな……。


「そして娘がピンチのようですが、私はもう天界の外に手出しすることは出来ませんので、信じられないほど怪しい目の前の自称メイドの男性に娘託すしかないのです。はぁ、つらい」

「こ、こう見えても結構強いので!」


 突然現れた謎の陰気な男の子(自称メイド)に娘の未来を託すことになった母親の気持ちはなかなか可哀想だった。


 こんなメイドでごめんなさい!


 せ、せめて全力で助けないと!


「まず世界の穴を見つけるためにそのロボの頭部を起動させる必要がありますが、起動させても世界の穴は厳重に管理されており、簡単には近づけないようになっています」

「結構天使の手が入ってるんですね地球って……」


 僕が思っている以上にこの世界も不思議に満ちているんだな……。


 そもそも世界の外があるなんて知らなかったもんな。


「まあ倒して侵入してください」

「簡単に言いますね!?」

「これくらい簡単にやってもらわないと困ります。天廊よりは天使に不利なフィールドなんですから」


 そう言われてみれば、これから天廊で天使やロボ相手に戦う予定なのに、この世界でくらいメイド服で無双できなければそもそも話にならないか。


 テレサ様の母としてはこれくらい前提条件なのかもしれない。


 メイドとしてやってやるしかないか……!


「わ、分かりました。頑張ります!」

「よろしい、それではこちらで視認モードはオンにしておきますので、必ず娘を救うように。それではまた」


 最後にそう言い残すと、ヘルメットはふっと輝きを消した。


 お、オフラインになったのかな?


 今でもじっとロボから監視されてそうな緊張感がある。


 ノーパソについてるカメラがなんかこちらを見ているように感じるやつだ。


『それでは乗り込むとしますかクロ』


 シロフィーは意気揚々としているけれど、僕としては一体世界の穴がどこにあるのか考えるだけでも不安で仕方ない。


 ホワイトハウスとかにあったらどうしよう……。

あけおめです!

新年にテンションが上がってしまい新作を書いてみたのでよろしくお願いします!


10ループ目の妹は悪役令嬢な私の為なら神をも倒す!

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