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#01: プロログ





ジェームズㆍユー、22歳。転役まで後1ヶ月も残ってない末年兵長だったのに、何故か異世界に転移したそうです。


元々は韓国とアメリカの二重国籍で軍には引っ張られ行かなくてもされたが、20歳になって行くのか行かないのかその選択を強要された時、みんなの反対を押し切って、意地を張って"行く"と言った。今になってはあの時の自分が殺したいほど馬鹿らしいけど。


でも、アメリカで長生きした経験を生かしてアメリカ軍所属の韓国軍である"KATUSA"と言う特殊な編制に入って他の皆んなに比べて苦労は余りしなかったが、それでも軍隊は軍隊だった。


過去の話はここまでしといて、事件の発端は今朝の電車機動訓練の途中に起きた。ここ、東豆川(ドンドゥチョン)にある米陸軍第2歩兵師団の駐屯地であるキャンプ・ケイシーでのことだ。キャンプ・ケイシーは正式に戦車部隊があるわけではなく、Rotational Armored Brigade Combat Team(ABCT)とし、循環式に戦車大隊を配置する方式で運営されている。


その理由についても短く説明しとこう。元々、キャンプケイシーは2016年まで返還することになっていたが、様々な理由が重なって5年以上遅れていた。とにかく、確かなことは彼がこの部隊の最後の旗手になることだった。 2022年には、つまり、今年が終わる前に敷地の返しを完了し、マンションの団地を作る契約が既に締結されていた。もちろん、米軍と建設会社が直接に契約を締結することが出来る法的地位にあるのではないので、東豆川市との了解覚書(MOU)を締結したと見るのが正確であろう。


とにかく、それに応じて、いくつかの兵舎の撤去が既に開始され、殆どの兵力の撤退も行われた。今残っている兵力も早めに全部平沢(ピョンテク)のキャンプ・ハンフリーズに再配置される予定だったのだ。そのため、最後の機動訓練はますますウザイもので、すごく迷惑をかける存在でありながら、最後の関門みたいな感じのものだった。必ずこのように慌しい空気の中で訓練を受けなければならないのだろうか?


もちろん、名前だけ機動訓練で、エンジンを掛け、基地の周りを回ってくることが全部である、出来る限り簡素化された訓練であった。訓練の目的が兵士たちの熟練度を上げることよりは、エンジンにほこりが重ねて壊れることを防ぐためだと言っても信じるほどだった。無論、整備兵たちが定期的に掃除をするからそんなことはないと思うが。それとも、あまりにも長い間、やることもなく、楽にいたことが偉い人たちの目に気付いたからかも知れない。なんといってもここはKATUSAの中で最もしまっ世紀に有名な2分割だから。


そして雄大で威厳なエイブラムスと言うタンクに乗って射手席に座った直後、事件が起きたのだ。いつものようにエンジンをかけると、すぐ全身にくすぐったい感じが差し始めると突然デカイ音が聞こえて、気付いたら精神を失っていた。目が覚めた時はとても馴染みの天井が目に入った。彼が搭乗していた戦車の出入口ハッチがある部分であった。


「どうやってここまで来たんだろう。先までは射手席に座っていたのに。そもそも、なぜ倒れたのかもサッパリ分からん。」


そこまで思った彼は仲間の調子を確かめることとする。兵士に何よりも重要なのは戦友愛から。


「マイケル!ヘイ、マイケル!答えてくれよ!」


彼は心ならずに英語ではなく、母国語で一番近くに居た装填手の名前を出来る限り大きな声で呼んでみる。しかし、マイケルだけではなく、戦車長のジョンも、操縦手のケビンも答えはなかった。いくら強く振っても微動もせずに目を閉じたまま平穏に眠っているだけである。


「起きてよ!ちくしょう!起きてくれ!」


涙が湧き上がって上がる。なんとなく冷たい肌に手が触れた時から知ってはいたが、ただ強く否定していたのだ。自分以外は皆んな先にこの世を去ってしまったという事実を。


ユーは口ではちくしょうちくしょう言いながらも精一杯冷静心を支えるために頑張ってみる。事後硬直まだ起きておらず、もう動かないエンジンもまだ暖かい。気を失ってから時間があまり経ってないということである。


次はTC用モニターの電源を入れてみる。幸いにして、バッテリーは死んでいないようだ。去年、在韓米軍戦車もTUSK2 M1A2 SEPv4に改造を受けAPUがインストールされているので、にエンジンを掛けないままでもこのように戦車の機能を利用することが出来るようになった。


少し待つと、ブーテイングが完了する。幸いにこの前、わすれんぼの戦車長がパスワードをパンネルにポストイットでメモしておいたので、問題なく戦車のシステムにログインすることができた。一番最初に確認するべきものは、米軍の戦場ネットワークであるFBCB-2(ForceⅩⅩⅠBattle Command for brigade and Below)であった。


[No Signal]


これより絶望的になることも不可能だ。軍用装備はかなり高い要求条件をつけて発注されるので、まあまあの程で壊れることは珍しい。つまり、最悪の場合を想定すると、偶発的な核戦争で上部が無くなり、ユーが所属されてる戦車大隊は全滅で彼一人だけ生き残った意味になる。


ひょっとして密かに持ってきたスマホを取り出してみる。KATUSAとして韓国の軍法に対して治外法権でいるわけがないので、当然バレたら営倉行きに決まりだ。しかし、最近は基地の雰囲気もごちゃごちゃで緩めてあげるるから、「バレなければ問題ない」と言う感じで皆んな過ごしていた。ユーはその流れに竿さっただけだ。


今回はCROWS RWS(Remote Wepons Station)に含めた360度カメラで外の状況を確認する。もしもか外が放射能降下物で汚染されたポストアポカリプス的な状態かどうかは、頭を出す前にたしかめなきゃならない。


「ふむ...」


幸いなことは彼の目に映ってる外の世界はとても穏やかで静かだった。ただ蒼い緑陰が広めていただけだ。


「.....」


いや、むしろそっちの方が問題になる。先ほどまで彼がいた所は、とても賑やかな基地の真ん中だったからだ。いつの間に瞬間移動でもしていなかったら今タンクの外を満たす豊かな森林を説明する方法がなかった。


でも、この針葉樹林はあまりびっしりなわけではないので、十分タンクが通る空間があった。もちろん、木などが戦車の行く先を止めることなどできないので決まってる。だが、それを続くと軌道に無理を掛けるのも当たりまえだ。


そもそも、ユーは戦車を走らせたことがなかった。運転免許も取っておいたし、「門前の小僧ならわぬ経を読む」とも言うし、肩越しに学んだことがあるからやれば出来るとは思う。だが、状況の把握が出来ない今の状態で、この油が大好きなカバを動かすのはあまり気が向かわなかった。よくせきこいいつは、ガロン当たりマイルではなく、マイルあたりのガロンを燃費測定単位として使うやつである。いつ再補給を受けることが出来るのか全然分からない時点だから、敵陣の真ん中で油が落ちて孤立される状況だけは避けたい。


「おっちゃー」


ユーは上部のハッチを開き、キューポラの外へ向かって頭を差し出す。もちろん外の状況が特に危険そうには見えないと判断した後である。たとえ森の中から敵の狙撃がある場合でも、防弾砲塔が周りを護ってくれるから大丈夫だろう。たぶん.....


「キヤアアアアアー」


ある程度離れた場所で華奢な女性の悲鳴が聞こえてくる。森のせいで音がこだまするので、正確な距離は分からないが、かなり近い距離であるようだ。ユーは副武装として付いてる3挺の機関銃の中で装填手用のM240D補助機関銃を分離しては悲鳴の根源地を探査してみるとする。どうやら北傀軍(北朝鮮軍)がどこから飛び出すか分からない状況に拳銃一つ持って行くのは不安だ。スポンソンボックス(Sponson Box、砲塔の側についている収納用スペース。水、スナック、いろんな装備などを保管しておく。)にm4a1が人の数ほどあるが、なぜか今は火力が強い方がいいと予感が来た。






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