8話 ドラゴン愛
俺の使い魔伝説級だろ...
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俺は使い魔を連れて店を後にした。
使い魔をさり気なく自慢したいが為にギルドへと足を運んだ。
「おいお前!」
ギルドに入るなり鋭い声が突き刺さる。
「何ですか?」
俺が振り向きながら答えるとそこには、誰がどう見ても勇者だとわかる...訂正しよう。
全くわからない。なんなら40代くらいの太ったおっさんだ。
「俺はドラゴンが好きで冒険してる‘リドラ,ってんだ。ちょっとそのドラゴン見せてくれよ!」
俺は目をキラキラ輝かせるおっさんの圧に押され、ギルドの外に出てまだ生まれて間もないドラゴンを見せた。
「坊主、コイツ名前は?」
そうだ、名前だ。
「まだ決めてないんです。」
「そうか。コイツはすげぇ奴だ。多くのドラゴンを見てきたがこんなに立派なドラゴンは初めてだ。
いい名前をつけてやれよ。俺のわがままに付き合わせて悪かったな。コイツをやるよ。」
リドラは袋を渡してきた。
「次に会う時があれば成長したコイツを見せてくれよ。」
「はい!」
リドラは次のドラゴンを探す旅に出た。
笛を吹き飛んできたドラゴンに乗って...
すげぇな。
俺はリドラを見送ると再びギルドに入る。
少し気になりクエストの依頼が掲示されているスペースに足を運ぶ。
クエストに一人で行く気は無かったが今は違う。
生まれたばかりといってもドラゴンは凄いらしい。
生まれて2時間もすれば飛ぶこともできるし、ある程度の戦闘もできる、とリドラが言っていた。
「そういえば」
呟きながらリドラに渡された袋を開ける。中には頑丈なロープが付けられているサドルが入っていた。
リドラがドラゴンに乗って旅だった時にこれと同じようなものがドラゴンに付けられていた。
俺はサドルをドラゴンに取り付けた。
いい感じだ。
俺は満足しながら再びクエスト掲示板を見る。
『魔王軍幹部 悪魔ベルゴール』
...これは無理。
『王都に攻めてきた魔王軍の兵士の討伐 50人募集 残り5人』
兵士って事は幹部とかでは無いよな...それに味方50人いるなら...
「これお願いします。」
「かしこまりました。でも時間があまり無いのでなるべく急いで向かってください。」
ギルドの受付でクエストを受注する。
「わかりました。使い魔がいるんで大丈夫です。」
「それでは頑張ってくださいね。」
暇つぶしに受けたクエストでこの世界の過酷さを知ることになるとは俺はまだ知らなかった。
あけましておめでとうございます。
忙しくてなかなか投稿できませんでした。申し訳ない。
落ち着いてきたので少しずつ投稿していきます。
では。